武田泰淳の代表作は?
よしなしごと【気まぐれ選45】
晩ご飯の時、三茶さん(うちの奥さん)と話していると、何かのはずみで武田百合子(武田泰淳の奥さん)の話題になった。
私は最近、『富士日記』上中下巻を読破して、その勢いで『犬が星見た』も読み終わった。ついでに娘の花さんの本も読んで、村松友視の『百合子さんは何色』も読んでいる。
いわば、はまっている状態なので、つい「奥さんはいいけど旦那さんの方はつまらない」と言うと、三茶さん曰く「第一次戦後派だから、理屈が勝っているのだと思う」と・・。
うっかり忘れていたが、三茶さんは文学部でしかも国文科出身であった。
話の流れで「武田泰淳の代表作は何か?」となった。『ひかりごけ』かな? と私。もちろんご飯時なので内容についての話はしない。
三茶さんが「う〜ん・・」と唸る。私も正直、『ひかりごけ』はよくないと思う。いざ書きかけてはみたものの、主題の重さに耐えかねて、途中から戯曲仕立てのギミックに逃げた感じがする。
「いや、違う、ほかにあるはず!」と、三茶さん。
『快楽』? 『目まいのする散歩』? 『富士』?・・・思いつくまま並べるがどうも違うらしい。三茶さんまだ唸る。
ご飯が終わって、ネットで調べてみることになった。
「武田泰淳 代表作」と検索エンジンに打ち込んでみる。検索結果のトップに出てきたのはなんと「武田百合子」であった・・。グーグルの判断はなかなか鋭い。
【よしなしごと0266・2008年4月18日 (金)掲載】
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