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「ユングと占星術」

私は普段本はあまり読まない。読みたい本があっても 最後まで読む自信がなくて 手に取れない。加えて せっかく読んでも内容を自分の頭で理解できない。読書については 自分のネガティブな部分がどうしても際立ってしまう。

去年はお正月休みに松村先生の本を何冊か読めた。内容は全く理解できず 文字を追うだけだったが それでも 読み終えたことは自信になった。

冬休みに入る時 今年も 読書をしてみようと思った。できれば専門書のような少しお堅い本で読みにくい本にしてみよう。理解できなくても 読み終えるだけでいい。そうして手に取ったのが マギー・ハイドさんの「ユングと占星術」だった。

私は占星術の勉強はしているが なかなか暗記がはかどらず いつまでも初心者のままのような状態だ。ユングのことは心理占星術の界隈で名前をよく見かけるとは思っていたが  彼がどんな仕事をしたかを私はよくわかっていなかった。そこで この本を手に取った棚の近くに「マンガ」と表題のついた挿絵の多いユングの解説書を見かけたので 一緒に借りた。偶然にもこの本の著者(文章)もマギー・ハイドだった。


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マンガはミステリーちっくで アマゾンでのレビューにもあったように私にも怖く感じたが 読み進めていくうちにそれが気にならなくなってきた。挿絵の印象が 理解の助けになる。きっと難しい記述ばかりの専門書ではこうは進まなかっただろう。


ユングの業績の概要を知り、「ユングと占星術」を読み進めやすくなった。



「ユングと占星術」ではユングが提唱した「シンクロニシティ」についての議論が主になっている。シンクロニシティをシンクロニシティⅠとシンクロニシティⅡに整理し ユングの主張や現代の心理占星学の主流におけるその扱いを記している。


解説は丁寧で 私のような初心者でも文章を追っていくと 議論を追っていける。さらに ホロスコープの解説も詳しく書いてあり 最近 講座に出るようになって覚えた エギザルテーションやフォールなど言葉もふんだんに出てきた。 講座を受けているような気分になり ハイド氏とホロスコープを解読しているような気分になり とても わくわくした。


そもそも、私は シンクロニシティをここまで きちんと考えたことがなかった。シンクロニシティに気がつくと 興奮し 誰かに話したり このように ここで書いたりする(この本を読むために ユングの解説書を探していたら 偶然著者のマギー氏の本を見つけたように!)。うれしくなるのだ。私は大きな存在から守られている。正しい道にいるのだと感じられる。私にはそれで十分だった。


ホロスコープを読んでいると クライアントの状況だけでなく、読み手や読み手とクライアントの関係 などなど。 解説されて気がつかなかったわけではないが 厳密に 考えようとはしなかった。



そこまで 考えても 答えが出にくいこと どうやって論じたらよいかわからない と 私は思いこんでいた。しかし マギー氏は論を整理し 細やかに粘り強く言葉を重ねていく。感嘆しかなかった。


そして何より、英語で書かれたこの本が 日本語で読めることがありがたかった。訳者は鏡リュウジさん。日本で西洋占星術と言えば 鏡氏のことを思い出す方は多いと思う。親しみやすいく 紳士的な雰囲気で 占星術やハーブ、タロットカードなどを私たちに紹介してくださる機会も多い。それだけでなく 研究、大学での講義などもされており このような専門書も多数訳されているのだ。


ホロスコープがなかなか読めない、万年初心者の私が マギー氏の本に触れられただけでもありがたかった。私は英語もうまく読めないので 英語のままだったら 一生 この本に出会うことはなかったと思う。鏡氏の仕事にも感謝したい。



日々の雑事に忙殺されていると 読書の時間をとるのにも勇気がいる。すぐにカタチにならないものに身を浸すことに なかなか時間を使えない。


ただ 本を開けば いつもとは違う世界が広がっているのだ。普段は 会うこともない その世界の大家の言葉を簡単に浴びることができる。


制限がされているようで 見落としていた扉に気がついたような気分になっている。近くにあるものは 風景に馴染みすぎて高揚感こそないが それが無意味なものだとは限らないのだ。


自分とは違うものに 身を浸す時間をとってみたいと改めて思った 今年のチャレンジ読書でした(^^)☆

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