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おとぎ話の物語

 親指姫のお話を思い出そうとしているけれど、結末を思い出すことができません。

 子どものいない女の人が神様にお祈りして、チューリップの花の中から生まれてきた小さな小さな女の子。
 誰かの心の一番柔らかいところに住んでいるような、小さな子。

 最後は王子さまと結ばれて、めでたしめでたし、ってなるんだったっけ?

 どうでしたっけ?

 モグラやネズミやカエルのような生き物も出てきたような気もするけれど、もう随分昔に読んだお話なので思い出すことができないのです。

 そう、ツバメが助けてくれたのかも知れないと、今少しだけ思い出すことができました。モグラのところにいた時に助けてあげたツバメが彼女を助けてくれて、明るい世界に運んでくれていたような、でも、きちんと思い出すことはできなくて、もやもやとしています。

 おとぎ話の中のお姫様は一度大変な思いをして、その後にしあわせになることが多いみたいです。
 
 シンデレラも、白雪姫も、ラプンツェルも、眠れる森の美女も。

 親指姫もさらわれて、いろんな苦労を味わった後で明るい世界に戻って王子さまと結ばれました。

 現実の世界ではあり得ない物語を聞いたり読んだりすることの意味なんて知らないで、子どもは物語に触れながら成長します。

 親指姫のこと、どうして急に気になったのか、そのことが気になります。

 誰かの心の内側の一番柔らかい場所に住んでいる、小さな小さな女の子。

 その子はきっと素足で歩き、その人の心を傷つけないようにそぅっとそぅっと暮らしているはずです。

 だからきっと大人になることはできないまま時間を過ごしてしまうような気もします。

 大人になんてなりきらなくても生きることができるなら、その方がしあわせなのかも知れません。

 誰かの心の中にいてそこだけで暮らしていくことができるのならば、それが一番しあわせなのかも知れません。

 でも彼女はさらわれてつらい暮らしを経験します。
 そこでいろんな人に出会って、変わったのかも知れないし、おとぎ話のことだから本当の意味なんて考える必要は無いような気もします。

 
 どうして急にこのお話が気になったのかが気になります。


 不思議だなぁ、と思います。

 

ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。