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つたない言葉

少し前に家の中を片付けていた時に俵万智さんの『サラダ記念日』という本を見つけました。 何気なく読んでみるとその本の中には31文字の言葉の中にギュッと詰まったみずみずしい物語がいくつもいくつも描かれていて、強く引き込まれてしまってページをめくる手が止まらなくなりました。

読めば読むほど俵さんの短歌に込めた強くて深い思いを感じて胸がいっぱいになりました。

そうしたら自分の中から書きたい気持ちが湧いてきていくつか書いてみようと思い、パソコンに向かったら35の短歌(のようなもの?…自信はないです)が私の中から生まれてきました。

最初は5首ずつ分けて公開しようと思っていましたが、一度に全部公開してしまおうと思います。

本当に真剣に長い間短歌に向き合われてこられた方が読んだとしたら稚拙なものにしかなっていないとは思うのですが、今現在の私の中から出てきたものを誰かに読んでいただくことでもっと深い意味のあるものを書くことができるようになれるのかもしれないと思ったので公開させていただくことにしました。

もしよろしければ読んでみてください。



大切な心をそっと包むため毛布のような言葉を捜す

北風は道の落ち葉と仲よしで見たことのないダンスを踊る

冷たくてきゅっとしている粒ミカンとても甘くて止まらなくなる

冬空はいつもグレーの色だから赤い手袋選んでみたの

頬に風受けて真っ赤なリンゴには甘くて酸っぱい蜜がたっぷり

鼻歌が聞こえてくるとほっとする今日の機嫌はきっといいはず

ほくほくと煮えるお芋と大根とお鍋の中で仲良くしてね

つやつやに炊けたご飯の吐く息はみんなのことをうっとりさせる

時々は振り返ってもいいですか?冷たい風に負けたときとか

本当のことはいつでも風の中ビュンビュン吹くぞ強い北風

夕暮れはかならず哀しい色だからさみしい時は見ないで済ます

チカチカと夜空に光る星たちに小さな願い届くといいな

夜の中じっと目を凝らして待っている夜明けの色は何色だろう?

君の色どうしてそんなにきれいなの?透明色の心の色は

あたたかい心だけしかいりませんその他のものは幻だから

ストーブの燃えるオレンジ色の火は小さな灯り心に灯す

寒い日は寒いですねと言い合おう少しだけでも和らぐように

吐く息が白くなる頃寒い頃布団の中が天国になる

風の中そっとつぶやいた名前の行方は誰もわからないはず

遠くまで届け私のこの思い遥か彼方の空の向こうに

ここにいてどこかになんていかないでぎゅっとつかむよ思いのしっぽ

ああ今日も同じ一日されど一日はらはら落ちる木の葉のように

ひとひらの木の葉のような私の心誰に手渡してしまったの?

言の葉をはがきに書いて投函す届いた先でキラキラ光れ!

ひとりだけ置いてけぼりの泣き虫もいつかは誰か見つけてくれる

ビー玉が小さく光る道の端拾ってくれと言ってるように

ポケットの中に何かが入ってる時々指で確かめてみる

制服の胸ポケットのスマートフォンきっと聞いてる心臓の音

お財布の中に入った大吉のおみくじいつまで有効なのか

あいの色空気の色と空の色海の色とも重なるブルー

爽やかな心でいつもいられたらきっとみんなの心は碧

横顔の伝えてくれることなんて何の役にも立たない窓辺

振り返るそして今度は前を見るどっちにしても変わらないけど

風の中何かが隠れているような錯覚だけどそのままでいて

さあ行こうどこでもいいから遠くの方へきっと明日の空が見えるよ


読んでくださってありがとうございました。


追記分

栗の実を育てた後ではがれてく触ると痛いいがのとげとげ

愛してるそっと記してみるけれど日差しに透ける薄い便せん

天津風?どうして?そんな大げさな私の風はいつもそよ風






ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。