忘れられない夏の思い出:「勝手にシンドバット」心の名曲
1970年代後半、私は神奈川県の田舎にある大学に通ってしました。大学は湘南エリアにあり、その風景は私の青春時代の大切な舞台となりました。
その年の夏、大学近くの安アパートのような下宿先で過ごしていたのですが、そこで出会った音楽が私の心を明るくしてくれました。
その音楽は、サザンオールスターズのデビューシングル「勝手にシンドバット」でした。
ドアを開けっぱなしの廊下から、ガンガンと流れてくるその曲を初めて聴いた瞬間、私はその独特なサウンドとボーカルに一瞬で引き込まれました。
そのラジカセからは、一度聴いたら忘れられない、まるでマシンガンのような速射性のあるボーカルとエネルギッシュなサウンドは、私の心に深く刻まれました。
桑田佳祐は青山学院大学出身で、学生時代にバンド活動を通じてその才能を開花させていました。彼が率いるサザンオールスターズは、当時の学生のバンドコンテストを席巻し、その実力を世間に知らしめました。
そして、そのメジャーデビューも強烈なものとなり、聞いたこともないようなパワフルな音楽は当時としては革命的でした。
「勝手にシンドバット」の歌詞について、桑田佳祐は初期の頃に「詞はどうでもいい」と言っていました。確かに、この曲の歌詞は言葉遊びやユーモアに満ちていて、深い意味を追求するというよりも、聴いて楽しむことに重点が置かれています。しかし、その軽快なリズムと桑田のボーカルが相まって、不思議と心に残るものとなっています。
大学のある湘南エリアには、茅ケ崎、藤沢、辻堂などの美しい海岸が広がっています。友人たちと一緒に海岸に遊びに行くことが多く、特に夏の間は頻繁に訪れていました。
そこには、麦わら帽子の湘南ガールたちもいて、ビーチでは、いるだけでも楽しい時間が過ごせました。まさにサザンオールスターズの世界そのもので、彼らの音楽がこの地の雰囲気とぴったりでした。
「勝手にシンドバット」を聴くたびに、あの夏の思い出が蘇ります。下宿先での友人たちとの日々、湘南の海、授業が終わった後、蒸し暑い空気の夕暮れ時に流れていたこの曲、そしてその音楽が私たちを結びつけてくれた瞬間。あの頃の私たちは、未来に対して無限の可能性を信じていました。
「勝手にシンドバット」は、私にとって特別な曲です。それは、私の青春時代を彩った象徴であり、あの頃の熱い情熱とエネルギーを思い起こさせてくれる大切な宝物です。あの夏の日々は、決して戻ることはありませんが、音楽があれば、いつでもその思い出に浸ることができます。
今でも、ふとした瞬間に「勝手にシンドバット」が流れてくると、私はあの夏の日々を思い出し、胸が熱くなります。桑田佳祐とサザンオールスターズが私たちに届けてくれた音楽は、今でも心の中で生き続け、私の人生に色を添えています。あの頃の情熱を忘れずに、これからも前に進んでいきたいと願っています。青く光る湘南の海とサザンオールスターズの音楽は、私の心象風景として永遠に残り続けるでしょう。
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