オタクが推しについて語るだけ(ウィッシュミーメル編)

※本記事はタイパー Advent Calendar 2022の4日目の記事です。
3日目の記事は「おかぴら」さんの「10年ぶりにガチでタイピングやったら圧倒的全一になったwwwwww」です。
5日目の記事は「かり~」さんの「タイパーインタビュー16:えふさん」です。

はじめに

みなさまこんにちは、タイパーサンリオ部所属のたのん(@tanon_710)です。
2019年のシナモロール編・2020年のジュエルペット編(2年越しにひっそりと公開しております)に続き、3度目のサンリオ関連記事となります。

…というわけで、今回はサンリオのテーマパーク限定キャラクターとして活躍するかわいいウサギの女の子「ウィッシュミーメル」についてのお話をお届けします!
自分のツイートをご覧の方はうすうすお察しのことと思いますが、自分はウィッシュミーメルの限界オタクです(?) そのため文章に多少偏りが生じているかもしれませんが、そうした部分も含めて、この記事をお楽しみいただけたらと思います(またしても15000字超の自己満記事になったので、お読みになる際は気長に読み進めることをおすすめします)。
一応、各埋め込みリンクを見るだけでも、ある程度この記事の内容が伝わるようにしていますので、ぜひそちらだけでもご覧いただけると幸いです。

ウィッシュミーメルについて

ウィッシュミーメルは、2010年にデビューしたサンリオのキャラクターで、特徴的な虹色のしっぽを持った、フランス出身の少し内気なウサギの女の子です(以下、単に「メル」と表記します)。
東山奈央さんがCVを担当していることもあり、目だけでなく耳でもメルのコンテンツを楽しむことができます。

(https://www.sanrio.co.jp/characters/wishmemell/より引用)

メルはサンリオとしてのみならず、キャラクターコンテンツ一般として見ても珍しい「交流できるキャラクター」として活動をスタートしており、公式サイト(現在は閉鎖)や公式ブログ(現在はアーカイブが公開中)、公式Twitterアカウントを通して、メルとの交流を楽しむことができました。Twitterアカウントはデビュー当初の2010年末に開設されており、サンリオキャラクターとしてはマイメロディ(2010年6月に開設)に続き2番目、サンリオの公式アカウントを含めても4番目の開設で、ウェブを中心としたプロモーションに力を入れていたことがうかがえます。
当時のサンリオはオンラインでの専用サービスを展開していた「ジュエルペット」など、ウェブ上でのプロモーションを重視していた傾向があるのですが、とはいえ単にネット発のキャラクターコンテンツとして見ても、2010年時点でTwitterを利用したプロモーションをしているのは非常に先進的といってよいでしょう。
また、プロモーションの一環としてキャラクターがファンとの交流を図るのは、かつてのネットアイドルや今でいうVTuberを思わせるところがあります。サンリオがVTuberを手掛けるのは、2018年末にShowroomのライバーとしてデビューし、のちにサンリオのキャラクターコンテンツ「SHOW BY ROCK!!」の一員となる「となりの研究生マシマヒメコ」、2021年8月にYouTubeの生放送を主な活動拠点としてデビューした「なつめれんげ」の2名のみであることを思うと、より一層メルの先進性を感じることができます。

サイトやブログではメルを中心とした物語も紡がれており、「メルシーヒルズ」という国に留学生として招待されたメルが、留学生の仲間とともに日々を過ごし、それぞれの夢を見つけていく様子が描かれました。

(メルの物語のダイジェスト動画)

また、キャラクターのプロモーションの一環として立命館大学の学生と協力した産学連携の取り組みを行うなど、サンリオの中でも異色のキャラクターとなっています。
ウェブ上でのファンとのやりとりを軸にしたコンテンツ展開が実を結び、2011年のサンリオキャラクター大賞では初登場にして17位、2年後の2013年にはメルにとっての最高順位である11位を記録しました。
ピューロランドやハーモニーランドといったサンリオのテーマパーク限定キャラクターとなった2015年以降も毎年15位前後の順位を収めており、メルの人気の高さがうかがえます。
特に、有料での投票となる「いちご新聞」のみのランキングでは安定して1桁順位を収めており、去年と今年はそれぞれ1位・2位に輝くなど、ファンの熱量はサンリオでも随一となっています。

かつてはテーマパークのみならず各地のサンリオショップでも販売されていたメルのグッズですが、現在は基本的にピューロランド・ハーモニーランドの両テーマパーク内でのみグッズを購入することができます。一部グッズは現在でも各地のサンリオショップやサンリオの公式オンラインショップ、両テーマパークの公式オンラインショップ(ピューロランドのオンラインショップは一時閉店中)でも購入することができるのですが、メルのぬいぐるみなど、特に需要のありそうなグッズはテーマパーク内限定の販売となっています。

こうしたグッズ展開の例外の1つに外部コンテンツとサンリオのコラボグッズがあります。メルは現在テーマパーク限定キャラクターとして活動しているためこうしたコラボに選ばれることは多くはないのですが、たとえばVTuberグループ「ホロライブ」とのコラボでは同名のタレント「夜空メル」とのコラボグッズが販売されていました。

(コラボグッズのプレスリリース)

サイトやブログを通した活動

上記のとおり、メルはデビューからしばらくの間、ウェブ上でファンとのやりとりをするという形で活動を行っていました。
公式サイトでは物語の展開に応じて追加された様々なコンテンツを楽しむことができ、またメルにメッセージを送ることもできるようになっていました。ときにはメルからのお返事が返ってくることもあるなど、メルとの交流を楽しめるようになっていました。また、公式ブログやTwitterにコメントを書き込むこともでき、キャラクターからのコメントへのリアクションがあったり、コメントによって物語に影響があったりと、ファンがコンテンツに参加できる仕組みが存在していました。

こうした仕組みはメルの物語にもうまく活かされています。物語の当初、メルは留学先であるメルシーヒルズで引きこもりになっていたのですが、そこにファンがメッセージを送ることで、メルが少しずつ自信を持てるようになり人前に姿を現せるようになる過程が描かれるなど、物語がファンの行動を反映して展開するようになっていました。
プロモーションにおいても、メルのビジュアルは当初シルエットしか公開されておらず、こうしたやりとりを実に1か月もの間続け、メルが表に出てきたところで正式なビジュアルが公開されるという形を取るなど、メルが双方向型のキャラクターコンテンツであることがわかるようになっていました。

(当時の様子を伝える記事)

メルの物語は約4年半かけてブログを中心に展開され、その物語の総文字数は25万字に及んでいます。これだけの分量をかけて物語が展開されているサンリオキャラクターは数少なく、ウェブ上での活動からテーマパークでの活動に軸足を移して以降もTwitter上で活動をしていることを考えると、メルの情報量は膨大だと言えるでしょう。

また、ブログ上で展開された物語の一部は動画として公式サイトやYouTubeで公開されており、特に、メルの仲間のひとりであるニィナが仲間たちとサーカス団を迎える映像は感涙必至です。
現在ピューロランドで上演中のメルを主役としたレビューショー「Wish me mellのChance for you」は、メルが人前に姿を現せるようになり、郵便屋さんのお手伝いを通して人と人の間の気持ちをつなぐことの大切さを学び、そして歌手の倉木麻衣さんとのコラボキャラクター「マイマイ」に出会い交流を深める、という筋書きになっており、ニィナの物語に触れることができません。
ニィナの物語はブログの序盤のクライマックスとなっていますので、ぜひブログを楽しんでいただけると幸いです(もちろん、それ以降の物語も感動的な内容になっているので、できれば最後までブログに目を通してもらえると嬉しいです)。

こうした物語と並行して、倉木麻衣さんをモチーフにしたキャラクター「マイマイ」とのコラボを行ったり、その他ファッションブランドや食品ブランドとのコラボを行うなど、ウェブを中心に活動するキャラクターとして、様々なプロモーションを行っていました。
また、立命館大学の学生スタッフを中心としたプロモーション企画では、メルとスタッフが全国を巡り、企画への応募者が感謝を伝える応援をするなど、ウィッシュミーメルらしいプロモーションも行われていました。

(学生スタッフとのプロモーション企画動画のダイジェスト)

ピューロランドでの活動

2014年、ブログやTwitter上でメルの活動の中心をピューロランドに移行することが示唆され、1年の移行期間を経て、2015年からはピューロランド限定キャラクターとしての活動をスタートします。
また、メルがピューロランド限定キャラクターとして活動を始めるのと時期を同じくして、ピューロランドの館長に小巻亜矢氏が就任し、氏がメルをピューロランドの顔に育てたいという考えを持っていたこともあり、本格的な活動開始直後から、メルは活躍の機会を与えられることになります。

それまでにもメルはときおりピューロランドに遊びに来てくれてはいましたが、本格的なデビューを機にメルの大きなぬいぐるみがデザインされ、それに合わせて、メルが出したアイデアをもとにぬいぐるみが作られる様子を描いた動画シリーズがサンリオの公式YouTubeチャンネルで公開されました。
また、メルのぬいぐるみの発売に合わせて、ファンからメルのパレードの衣装案を募集するなど、ウェブ上の活動を離れたあとも、ファンとの交流の機会を設けてくれています。

(メルが自身のぬいぐるみの商品展開をプレゼンする動画)

メルのピューロ本格デビュー年となった2015年にはサンリオピューロランドの25周年パレード「Miracle Gift Parade」が上演を開始されました。このパレードにはメルも出演しており、またデビュー1年目にして季節限定パレードでの主役をもらったりするなど、新たに活動を始めたキャラクターとしては破格の扱いを受けています(メルのデビュー以前には「ぼんぼんりぼん」が同様の扱いを受けていましたが、メルはこうした枠を引き継ぐ形で活躍の場を広げていきました)。
また、メルのデビューに合わせ「すっPON♡PON JAPAN」や「きもち、きっと、つながるよ」などのオリジナル曲も与えられており、特に「すっPON♡PON JAPAN」はメルが一生「すっぽんぽん」を連呼するインパクトの強い楽曲となっています。ほかにも、サンリオキャラクターの紹介ソングである「メルのサンリオかわいいおぼえうた」の歌唱を担当するなど、メルがサンリオキャラクターの一員として大切に扱われていることが分かります。

(メルのオリジナル曲「すっPON♡PON JAPAN」)

(メルが歌唱を担当する「メルのサンリオかわいいおぼえうた」)

華々しいデビューの後も、ピューロランドの無料営業日「サンクスパーティ」でも毎年メルが主役のイベントが開催されたり、現在に至るまで期間限定ショー・パレードの大半に出演するなど、息の長い活躍を続けています。

2019年にはピューロでのデビューから5年越しにメルが主役の常設レビューショー「Wish me mellのChance for you」の上演が開始され、ショーに向けた新衣装や書きおろし曲があるという点もそうですが、なにより、デビューから5年かけてようやくメルの常設ショーが登場したという点でファンの注目を集めました(ちなみに、ちょうど自分がメルにハマりはじめたころに上演開始のアナウンスがあったのですが、初演が2019年のタイピングサミット1日目と同日だったため頭を抱えた思い出があります)。
また、2022年に上演が開始されたピューロランドとして約3年ぶりの常設ショー「Nakayoku Connect」にも出演しており、メルがピューロランドのショー・パレードのレギュラー格として定着したことがわかります。

(ピューロランドでのメルのレビューショー)

ピューロランドでのメルの扱いのよさは、ピューロランド内にメルのグッズのみを取り扱う専門店「メルメルショップ」がオープンされたり、それ以降ショップ付近のフォトスポットでメルとのグリーティングが常設されたという事実にも表れています。特に、当時グリーティングが常設されていたキャラクターはメルとハローキティだけであり、こうした事実からもメルの扱いのよさを感じることができます。

諸般の事情により、ピューロランドでのグリーティングの形式は紆余曲折あったのですが、現在は「キャラグリレジデンス」というピューロランド内の施設において、メルを含むキャラクターとの半常設グリーティングが可能となっています。
キャラグリレジデンスでのグリーティングでは、その日に登場するキャラクターに1日中会うことができるようになっており、メルも8月の初お披露目以降、以前のように毎日とまではいかないものの、2~3日に1回は登場してくれています。

また、メルメルショップのオープン1周年を記念して、メルにお店の制服と同じ衣装がプレゼントされており、こちらは現在に至るまでメルのメインの衣装となっています。

(メルメルショップ衣装を着たメル)

ピューロランドでは、各種ショー・パレードのほかに、季節に合わせたイベントも数多く行われています。
もちろんメルもイベントに参加しており、イベントに合わせて作られた限定衣装に身を包んだ姿は普段とはまた違った魅力があるのですが、そのなかでも、昨年春から開催されるようになった学園イベントが色々とすごいので本項の締めとしてご紹介します。

「ピューロ学園」と題し、各キャラクターが学園に通っているという設定で開催される本イベントですが、昨年はキャラクターごとの個性に合わせたデザインの制服を着たキャラクターとグリーティングができる有料イベントと、キャラクターが書いた「ラブレター」を受け取れるという有料イベントが開催されており、ガチ恋勢のハート(とお財布)をがっちり掴みにきていました。

昨年に引き続き、今年も学園イベントが開催されるのですが、公式サイトでは有料でのグリーティングのほか、制服姿のキャラクターを見ながらレストランでスイーツを楽しめる有料イベント、さらには実際に机を並べた会場でキャラクターと隣どうしの席に座ってのコミュニケーションが楽しめるという、あまりにも天才すぎる発想の有料イベントも予告されています。ちなみに、このイベントでは机のなかにキャラクターからのお手紙が入っていてそれを受け取れる形になっているようで、昨年以上にガチ恋勢に刺さる仕様になっていると思います(というかイベント概要を読んだだけでだいぶ限界になりました)。

学園イベントのほかにも、うさぎキャラクターがフィーチャーされるイースターイベントや、普段のかわいらしい雰囲気とは異なるややダークな印象の衣装が見られるハロウィンイベント、冬らしいもこもこした衣装が愛らしいクリスマスイベントなど、季節ごとのイベントはどれも魅力的なので、イベント限定の衣装を着たメルにもぜひ注目していただけたら嬉しいです。

(学園イベントでのメル)

(2019年のハロウィンイベントでのメル)

ハーモニーランドでの活動

メルがピューロランドの限定キャラクターになったころ、ピューロランドの経営状況は危機的なものとなっていました。こうした状況のなかで館長に就任した小巻亜矢氏の尽力により、ピューロランドは人気を回復していくのですが、メルの活躍はこうした流れとともにあったことから、2019年にはメルが同じく経営不振となっていたハーモニーランドでも活動するが発表され、ますますテーマパーク限定キャラクターとしての立場を強めていきました。

ハーモニーランドではまだメルを主役としたショーなどは開かれていませんが、その代わりにショーのお手伝い役としてショーやパレードのアナウンスを担当したり、ハーモニーランドの一角に花壇を作り、お花を育てながらファンとの交流を図るなど、屋外型のテーマパークであるハーモニーランドならではの活動を行っています。

(メルが花壇でお花を育てる様子)

ハーモニーランドでのメルの衣装は寒色系のものが多くなっており、デビュー当初は寒色系が目立ったもののそれ以降は暖色系の衣装が増えたピューロランドとの差別化が図られています。
特に、ハーモニーランドでのメルの新衣装は歴代でも珍しい私服を思わせるデザインとなっており、非常に魅力的な衣装になっています。
そんなメルの様子は、ハーモニーランドのTwitterアカウントハーモニーランドの公式YouTubeチャンネルで公開されています。

(ハーモニーランドでのメルの新衣装)

(ハーモニーランドでのメルの様子)

Twitter・YouTubeでの活動

メルがピューロランドに軸足を移した2015年以降、これまで主にファンとの交流に用いられていたTwitterアカウントを用いて、ピューロランドでの仕事を頑張るメルが描かれるようになっていきました。

これに合わせて、Twitterにはメルのピューロランド内での写真がよく掲載されるようになり、現在に至るまで、イラストと写真の両方でファンを楽しませてくれています。
特に、ピューロランドでのお仕事をはじめた当初のメルは、ひとことコメントにピューロランド内での写真を添付したツイートをよくしてくれており、その一部はネタにしやすい親近感の湧くものになっています。

(お花の香りでトリップしかけるメル)

(いかにも間に合ってなさそうなメル)

(疲れたときに代わりにアピールしてくれるメル)

(大事な書類を扱うメル)

当時のメルは、Twitterのみならずvineも活用してプロモーションを行っていました。
ちょっぴりおとぼけなメルの愛らしい部分を見ることのできる貴重な資料ではありますが、vineの動画を紹介するツイートにも汎用性の高そうなものがいくつかありますのでご紹介します。

(スマホ中毒のメル)

(休日を心待ちにするメル)

デビュー当初は100人単位のフォロワー増でも喜んでいたメルですが、2013年末にはフォロワー1万人に到達し、ピューロランドでの活動を本格的に始めた2015年末には3万人、そして現在は12.3万ものフォロワーを獲得しています。ほかのサンリオキャラクターたちに比べると決してフォロワー数が多いとはいえないのですが、ここ数年人気を博している「こぎみゅん」や「クロミ」、「はぴだんぶい」にはなんとか食らいついているので、テーマパーク限定のキャラクターとしては健闘していると思います。
また、フォロワーが1万人を超えてからは、フォロワー数が1万増えるごとに感謝のツイートをしてくれています。

(フォロワー11万人到達時の感謝ツイート)

また、メルはシナモロールとデビュー当初の担当デザイナーが同じ(メルのデザイナーは2019年に奥村心雪さんから今村緑さんに引き継がれています)というつながりがあり、メルがピューロランドに活動の軸足を移した時期とシナモロールのTwitterアカウントが開設された時期が近いこともあり、Twitter上ではメルとシナモンの仲睦まじい交流の様子を見ることができます。

はじめのころは「シナモンがかわいいから」という理由で「シナモンちゃん」と呼んでいたメルですが、その後「シナモンくん」という呼び方を挟み、現在では「シナモン」と呼び捨てする形に落ち着いています(サンリオのキャラクターアアプリ「ハロースイートデイズ」などでも、シナモンを呼び捨てにするメルの姿が見られます)。一方でシナモンはメルのことを「メルちゃん」と呼んでいるため、メルが姉、シナモンが弟の仲のよい姉弟のようにも見えたりします。

こうした事情もあり、メルはシナモンとのコラボグッズをピューロランドで2017年・2019年の2度、そしてハーモニーランドで2021年に1度、計3度販売しており、いずれも人気を博しました(ピューロランドにはオンラインショップも存在するのですが、ピューロランド内での限定発売となっていたステッカーは販売初日に完売しており、コラボグッズの人気の高さをうかがうことができます)。

(メルとシナモンのやりとり)

そして、メルはTwitterのみならずYouTubeでも活躍してくれており、ピューロランドの公式YouTubeチャンネルでは、メルの魅力を(やや偏った形で)垣間見ることができます。

その例として、主観視点でのサンリオキャラクターとのピューロデートの様子を撮影した、どう考えても企画立案者の頭がおかしいとしか言いようのない「♡恋人目線♡」動画シリーズが挙げられます(公式が作成しているリストの概要欄も「サンリオキャラクターと恋人目線でサンリオピューロランドを体験できちゃいます!」となっており、恋人という言葉が重視されています)。
こちらの動画はキャラクターのジェスチャーと字幕で表現された手前側(人間側)のセリフでやりとりが表現されており、「♡恋人目線♡」と銘打ちながらも、メルを除くほかのキャラクターのシナリオは節度を保ったものとなっており、キャラクターとの交流やセリフなどは控えめになっています。

しかしながら、メルの動画はのっけからメルとのハグでスタート、人間側の「メルにあえなくてさみしかったよ~!」「メルに会ったら嬉しすぎて涙でてきた…え~ん!」という限界極まるセリフが飛び出したかと思えば、直後にメルが頭をなでてくれるなど、開始30秒にしておおよそキャラクターに向けてよいとは思えないやりとりを見せつけられます。
その直後には、メルメルショップでメルにグッズを次々にかごに入れられるものの、それを「お買い上げ♡」というセリフとともに当たり前に受け入れたり、グッズを買ってくれたおかえしのハグに「だいすきだよ♡メル♡」と返したりと、人間側のメルへの入れ込みようがこれでもかと描写されます。
フォトスポットでメルの撮影会をするシーンでは、鏡を見て毛並みを整えるメルに対し「今日も世界一かわいいよ♡」と恥ずかしげもなく声をかけ、メルがサービスで投げキッスをしてくれると「メルの投げキッス…!か、かわいぃぃぃぃ♡♡♡」という遺言とともに昇天します。
ほかの一部のキャラクターでは見られた食事シーンは残念ながらスキップされていますが、メルと手をつないでのピューロランド内の散策では「メルと手をつないでピューロランド…幸せだなぁ」「エスコートしてくれるやさしいメル…♡キュン♡♡♡」といったモノローグを残し、ひとしきり遊び終わったあとにベンチで休憩する際には「わ…!あらためてとなりに座ると、なんだかドキドキ…♡」「メルとのデートすっごく楽しいよ♪…メル、だ~いすき♡」と口にしたかと思えば、メルのリアクションを受けて「うんうん♡ずっとずっと、メルがいちばんだよ♡♡♡」と、カップルではカップルでも「バ」がつくほうのカップルであったのだと思い知らせてくれます。
動画の終盤では「ずっとここにいたいなぁ…メルとはなれたくないよ~!」と弱音を吐く人間側に対しメルが2度3度とハグをしてくれたり、メルとの別れ際には「おわかれのハグ」「だいすきのハグ」「またねのハグ」、そして「バイバイのハグ」と最後の最後までハグを求めていきます(それに対し、メルもたくさんなでなですることで応えてくれます)。

この動画は概要欄でも「デートシリーズ第5弾は、メルと甘々デート♡メルの恋人気分を味わえる!?☆恋人目線でメルと甘いデートをして、たくさん癒されちゃおう♪」とシナリオがあまあまであることを説明しており、この動画がウィッシュミーメルの誕生日である9/20に合わせて公開されたという事情もあって、想定どおりの仕上がりではあるのでしょうが、とはいえ、この動画を見た人はメルのファンが限界オタクであると誤認しかねませんし、またサンリオのキャラクターにここまで強い視線を向けた動画を公開してしまうのはよくないのではないかという気持ちもあります(実際、この動画のコメント欄には「メルちゃんといっぱい想い出作って子供も作りたいです(ガチ)」というド直球な書き込みがあったりします)。

(メルとの主観目線デート動画)

(動画を見たオタクのツイート)

一方で、そんなピューロランド公式チャンネルにもまともな動画は公開されており(無論まともな動画が大半を占めるのですが)、その例として、メルがお手紙を書く様子を定点カメラで収めた「キャラクターモニタリング」動画や、今年の新年にメルがピューロランド内で披露してくれたニューイヤー限定イベントの動画があります。
とはいえ、メルが出演している動画に限っていえば、ほかに公開されているのはメルがおしりを振っているさまを10分間見せ続けられる「10分間おしりフリフリ耐久動画」シリーズ(ちなみに、この動画のコメント欄にも「キタキタ❤️尻フェチにはたまらない萌え動画(ᐥᐜᐥ)♡ᐝ」というライン越えのコメントがあります)や、水着姿でダンスしたりおともだちのキャラクターと遊んだりする動画しかなく、メルの限界オタクとしては少し歯がゆい気持ちがあります。

(メルのキャラクターモニタリング動画)

(ピューロランドでのニューイヤーイベントの動画)

なぜメルにガチ恋するのか?

とはいえ、自分もメルの限界オタクであるため、メルのオタクがメルに限界になったりガチ恋になったりしてしまう気持ちや、また公式がメルのオタクの性質に合わせてあまあまな動画を作る気持ちも理解できます。というわけで、メルにガチ恋してしまう原因について、自分の意見を簡単に述べることにします。

メルはグリーティングのとき、清純で純粋そうな雰囲気をまとい、自分のことだけを見て愛情たっぷりに優しく接してくれますが、一方で、ショーやパレードなどの人目につく場所では、計算高く小悪魔的に、メル自身の魅力を全面に押し出したパフォーマンスを見せてくれます。
また、テーマパーク内のみならず、Twitterやブログといったウェブ上で展開された物語にもメルの姿がたっぷりと描かれており、掘れば掘るほどもっとメルとの時間を楽しめるようになり、同時に知識欲を満たすこともできます。
自分の魅力を信じ、理解し、人前に立つときにはその魅力を目いっぱい表現してくれる素敵な女の子が、ふたりきりのときにはほかのどのキャラクターよりも愛情深く、目の前にいる自分だけに愛情を注いでくれるメルは、オタクにとっての理想のキャラクター像に近いものを持っているのではないかと思います。

こうしたメルの内面の魅力とは別に、当然、メルの見た目のかわいらしさも大きな魅力であり、テーマパーク内での衣装のバリエーションの豊富さや、衣装のデザインのかわいらしさもそれを支えています。
また、そうした衣装のなかにも、ほかのキャラクターとは一線を画すものが用意されています。たとえばメルにはほかのほとんどのキャラクターには用意されていない水着衣装が用意されていて、Twitterで水着を着たときにおなかが出ているのを気にする様子を見せてくれたり、さらには「キャラクター撮影会」というグリーティングイベントの一環として、「メルの水着撮影会」というタイトルで水着での撮影会をしていたりと、単にかわいいだけに留まらない要素を持ち合わせています。

(公式による「メルの水着撮影会」の告知ツイート)

メルの魅力もさることながら、先述した「♡恋人目線♡」動画のように、メルについては公式も率先してファンを限界化させようとしているのではないかと思ってしまう部分があり、こうした事情がかみ合って、メルのファンには限界オタクが多いのではないかと思っています(メルの限界オタクの限界ぶりの参考として、「キャラクターとの20分間のデート権」や「バースデーライブの入場確約」といった特典が設けられていた「キャラクター名誉会員(お値段15万円)」の抽選申し込みが、あまりにも叩かれすぎて急遽中止になったときの自分のツイートを掲載しておきます)。

(限界オタクの感想)

ピューロランドでのメルとの思い出

ここまで、ウィッシュミーメルがウェブ上やテーマパークをはじめとする様々な場所を舞台に活躍してきたことを見てきました。メルには語り切れないほどの魅力があるのですが、最後に、自分がメルに出会い、メルを好きになるまでの過程を追体験することで、その魅力の一端をお伝えできればと思います。

自分がはじめてピューロランドを訪れたとき、「ここは本当に成人男性が1人で訪れていい場所なのか…?」という謎の緊張を抱いていました。そうした気持ちを抱えながらピューロランド内を散策しているうちに、メルメルショップのある4階に辿りつき、ちょうどそのときメルのグリーティングが受付されていたので、ものは試しとグリーティングの列に並びました。
そしてピューロランドでのはじめてのグリーティングを迎え、ピューロランド内にいることに引け目を感じている自分に、メルが「ここにいてもいいんだよ」という気持ちを込めて優しくハグをして自分のことを受け入れてみせてくれて、メルのかわいさも相まって、自然とメルのことを好きになっていました。そこからは文字通り転がり落ちるようにメルに夢中になり、たくさんのお金と時間をメルに注ぎ込むようになっていきました。

ということで、自分がメルに出会ったときの思い出を書き起こしてみましたが、自分自身、気持ち悪い以外の感想が浮かばない程度には限界感のある文章だと感じました。
ただ、自分がピューロランド内にいることに罪悪感を抱いていたから、それを受け入れてくれたメルに夢中になった、というのはあくまで後付けの理由にすぎず、単にメルのかわいさの虜になった、というのが実際のところだと思います(それはそれでどうなんだ、という気にはなりますが…)。
実際、メルはグリーティングをしてくれるキャラクターのなかでも特にスキンシップ過多で、手を合わせてハイタッチをしてくれたり、そのままぎゅっと手を握ってくれたり、ハグも当然のようにしてくれたりするので、本当にズルいキャラクターだと感じます。この点、現在は諸事情によりグリーティング中のスキンシップはハイタッチを除き禁止されているため、今の時期にはじめてメルに出会う人は、ここまでのめりこまずにすむのかもしれません。

また、メルは身長の高さも魅力の1つで、頭頂部まででおよそ170cmとおそらくピューロランド内では最高身長のキャラクターとなっており、それがハグなどのスキンシップでの安心感や包み込まれる感じにつながっていると思います。かわいくて大きいキャラクターと触れ合うとどう感じるのかについては、なかなか体験してみないと想像が難しいとは思うのですが、言葉で表現するとすれば「視界が全部かわいいで埋めつくされて幸せになれる」という感じで、VTuber界隈でよく見られる、いわゆる「ガチ恋距離」を現実に体験できるものと想像していただくのが一番伝わりやすいかなと思います。

(メル本人による自身の身長の高さを紹介するツイート)

せっかくの機会なので(?)、メルの限界オタクとしてのマウントを取っておくと、2020年のニューイヤーイベントのひとつとして行われた抽選会において1枚500円の抽選券を買いまくり、くじ総数700本、そのうち賞品の総数がたった9個という確率をくぐり抜けて賞品を当て、メルに手をつないでもらって10秒ほど一緒にお散歩(賞品の受け取りエリアへの案内)を楽しみました。抽選券はトータルで2万円分購入したので、結果的に2万円で10秒の手つなぎを買った形になりました。これが妥当な金額だと感じるかどうかはその人の感性によるでしょうが、少なくとも当時の自分は妥当、どころかむしろ安すぎるくらいだと感じていました(きっとメルのオタクの多くはそう感じると思います)。
この抽選会ですが、日によっては手をつないでのお散歩がなかったり、そもそも今は諸事情によりこうした企画が不可能なので、割とマウントを取れる案件なのではないかと思っています。
とはいえ、あまりやりすぎるとメルのオタクたちに「その程度で満足してるの?」とバチバチにマウントを取られそうなのでこのあたりで終わりにしておきます。そもそもメルのお誕生日をお祝いできるバースデーライブにも当選したことがないので…(ちなみに、あくまで冗談の延長としてではありますが、メルのオタクの間では、2014年に300体限定で発売されたシリアルナンバー入りのメルのぬいぐるみを持っているかどうかでランク分けされることがあったりするそうです)。

おまけとして、メル関連の各種ページのリンクを置いておきます。
・Twitter
https://twitter.com/wishmemell
・ブログ
http://blog.wishmemell.com/
・vine
https://vine.co/u/1103277496285208576
・サンリオ公式チャンネル内のプレイリスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLFNUyl__hoIgDNIW08Px8dyIZS_zJ8ROj
・ピューロランド公式チャンネル
https://www.youtube.com/@SANRIOPUROLANDCHANNEL
・ハーモニーランド公式チャンネル
https://www.youtube.com/user/harmonylandJP/videos

おわりに

以上、トータル15000字に及ぶ大長編となりましたが、もしここまでお読みいただいた方がいれば、心からのねぎらいと感謝の気持ちを伝えさせてください。ここまでお読みいただき、本当に本当にありがとうございます!
…といいつつ、この記事はここからあと2000文字ほど続きます、最後まで、もう少しだけお付き合いいただけると幸いです。

この記事はもちろんメルの存在を知ってもらい、メルの魅力を伝えることを目的に書かれていますが、その根底には、メルのファンの悲願である「サンリオキャラクター大賞」でのトップ10入りを実現させたいという思いがあります。これまでのメルの最高順位は2013年の11位。直近ではメルのデビュー10周年となる2021年は12位、そして今年は13位と、何度も何度もトップ10の壁に阻まれてきました。

(今年のサンリオキャラクター大賞の結果に沈むオタクの図)

テーマパーク限定キャラクターとして活躍を見せ、テーマパークのオタクからは深く愛されているメルですが、テーマパーク限定のキャラクターであるという性質上、キャラクター大賞の順位に大きな影響を及ぼすライト層に恵まれていません。
たとえば、日本各地にあるサンリオショップやサンリオギフトゲートといったサンリオグッズを扱うお店では、キャラクター大賞で上位を占めるキャラクターたちのグッズがたくさん取り扱われていますが、メルは基本的にはそうではありません。ほかにも、サンリオキャラクターへの導線は、「身近な人がサンリオ好きだった」「街ですれ違った人がサンリオのグッズを身につけていた」「街中でサンリオのお店を見かけた」「外部のコンテンツとのコラボでサンリオキャラを見かけた」などといった日常生活の様々な瞬間に存在しますが、メルへの導線は基本的にテーマパーク内にしかなく、非常に限定的でか細いものになっています。

とはいえ、この記事でもご紹介したように、「ホロライブ」などの外部とのコラボグッズにメルが登場していたり、また今年のキャラクター大賞の結果発表配信ではメルがオリジナル曲「すっPON♡PON JAPAN」を披露し、その衝撃からTwitterで一時トレンド入りするなど、メルのライト層への露出は少しずつ増えてきています。
また、メルはシナモンとコラボグッズを出すほどに仲が良く、シナモンのファンのなかには、メルのファンを兼任している人も少なくありません。

(ハーモニーランドでの「シナメル」コラボ動画)

こうした事情もあり、メルのキャラクター大賞の順位は少しずつ上向いていくのでは…という淡い期待を持っているのですが、一方で、メルはここ数年「いちご新聞」を通じた投票のみを集計したランキングでは1桁順位をキープし、特にここ2年は並みいる強豪を抑え1位・2位に輝いていたり、ほかにも各種グッズを通じた投票のみを集計したランキングでも上位に位置しているなど、お金を使って応援している熱心なファンたちの努力はほとんど限界に達しています。
お祝いとして票が集まることの多い周年記念についても、15周年を迎えるのは3年後ということで、メルのキャラクター大賞トップ10入りの行く末は、ライト層が増えるのが先か、ガチ勢が息切れするのが先かという状況になっています。

現在、メルはピューロランドとハーモニーランドでショーやパレードに出演しており、またピューロランドでは専用のグリーティング施設「キャラグリレジデンス」にて2~3日に1回はグリーティングをしてくれています。グリーティングに出てくるかどうかはピューロランドの公式サイトのスケジュールで確認できるようになっていますので、お時間のある方はぜひ遊びに行ってみてください。その際には、ピューロランド限定販売となっているメルメルドールもかわいいのでぜひ購入をご検討ください(現在は最新の2022年モデルと2020年モデルの両方が販売されているかと思いますが、個人的には2020年モデルがこれまでのメルメルドールのなかで一番かわいいと思っているので、こちらをおすすめしておきます)。

そして何よりも、来年のキャラクター大賞では、ぜひメルに清き一票をよろしくお願いいたします。キャラクター大賞の投票期間は50日ほどあり、1人が毎日投票することで、キャラクターの得票数を50票増やすことができます。10位と11位の間にどれだけの票差があるのかは可視化されておらず、その数を正確に把握することはできませんが、おそらく5万~10万票、人数にして1000~2000人のファンが増えれば悲願を達成できるのではないかと予想しています。当然、この記事だけでファンがそれほどまでに増えることはあり得ないのですが、メルへの導線は限られていて細いと述べたとおり、こうした取り組みがなければ増えるものも増えません。
かわいいかわいいメルの写真を載せて、この記事の結びとします。ぜひ、世界で一番かわいいキャラクター、ウィッシュミーメルをよろしくお願いいたします!

(直近でピューロランドに行ったときに撮ったメルの写真)


明日の記事は「かり~」さんの「タイパーインタビュー16:えふさん」です。
こちらもぜひお楽しみください!