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【Mリーグ】放送対局は麻雀の大きな醍醐味を一つ毀損していると思う話

こんばんは。
場末雀荘出身の田ノ倉です。

Mリーグが相変わらずアツい

相変わらずの勢いそのままに、Mリーグ旋風がとどまることを知らない麻雀業界。
先日の醍醐プロの初トップや魚谷プロがそれに続いての連勝、
そして裏ドラが乗らなかったときの萩原プロの表情なんかは、
エンタメとしても最高でした。
この日は東京ドームでセガサミーフェニックスのPVやってたみたいなので、
フェニックスサポーターにはたまらない一日だったのではないでしょうか。

チームのサポーターという新たなファン層

さて、ひとつのチームのサポーターを集めるだけでPVの興行が成立してしまうというところに見られるように、
Mリーグはチーム戦を採用していることにより、今までの麻雀業界ではなかった形でのファン層獲得に成功しています。

同じチームのサポーターという共通項があることで、
ファン同士の繋がりも生まれやすくなり、
それによりさらに熱狂が広がっていくという好循環になっています。

今までの形式のリーグ戦で魚谷プロと東城りおプロが出ていたとして、
その二人のそれぞれのファンが交わることってたぶんあまり無いんですよね。雀風も活動内容もかなり違う二人ですから、なんかファン層があまりかぶらなそうじゃないですか。

ただチーム戦というのを採用したことで、
ここのファン層が交わってくると。
これは大きな風を巻き起こす上では相当でかいことです。

一般的な「放送対局」について

話は変わりますが、Mリーグをはじめ、麻雀の放送対局というのは一般的に、
・全員の手牌が視聴者にも実況解説席にも公開される
というのを基本として放送されています。
捨て牌は常に映しているものもあれば、そうでないものもあって、
その対局次第という感じです。

とにかく全員の手牌や捨て牌を見ながら、
各プロの選択やリーチ後のめくり合いを実況解説とともに楽しむ、
というのが一般的な放送対局となっています。

「放銃するかも?」のドキドキ感がゼロである

自分で麻雀を打っているときのことを考えてください。
例えば自分が親のときに第一打に南を切る。
通常99.9%くらいは大丈夫ですが、
ごくまれに子の人和七対子南待ち、みたいなのに放銃する可能性もあるわけです。
完全安牌を切る場合を除き、常に放銃の可能性がある。
それが本来の麻雀です。

わかりやすく二軒リーチでめくり合いをしていることを考えましょう。

このとき、簡単にすると
・当たり
・無印
・ハズレ
の3種類が入ったくじを引いている感覚
です。

当たりは自分の和了牌、
無印は誰にも放銃しない牌、
ハズレは他家に放銃となる牌
となります。

麻雀の面白いところは、当たりは自分でわかってますが、
当たり以外の牌が、無印なのかハズレなのか、
切ってみないとわからない
ということです。

これ大事。
この要素が本当に大事なの。

リーチしたら親に追っかけられて、
ドラで赤の5pを一発で掴まされた。
現物ではない。
「頼む、通れ!」と思いながら切る。
これがロンされたり、通ったりする。
これって麻雀の面白さの大きな要素のひとつでしょう。

ただこれが放送対局だとどうでしょう。

放送対局だと、無印のくじとハズレのくじが、
視聴者にはすでに明確にわかって
います。

当たり以外の牌を切ったときに、
それが無印かハズレかがわかる、
という麻雀ならではの楽しみが消えてしまっています。

何なら、当たりが入っていない場合なんかも、
それがわかってしまったりします。
リーチ者は当たりを引くことを願って、
まだ当たりが残っていることを信じてリーチを打っているわけで、
ファンなら一緒にそれを信じて最後まで「ツモれ!」って応援したくないですか?

逆もまた然りで、
ハズレが一切無い場合もあるわけです。
それでも、実際打っている方は当たり以外を引くと背筋を凍らせながらそれを切っていくわけですが、
視聴者からすると「何切っても当たんないから安心」となっているので、
いまいち盛り上がりに欠けますよね。

「サポーター」が増えたからこそ成立しうる楽しみ方

もちろん、全体が見えた状態で、応援しているプロがハズレの牌を持ってこないことを願うこと、一発で当たりを持ってくることを祈ること、
そういう形での視聴も十分楽しいことはわかっています。

ただ、Mリーグはチーム戦を採用したことで、
ファンの層が相当厚くなってきています。

「推しチームのプロと同じ目線で一喜一憂したい」
という需要が出てきてもおかしくないでしょう。
また、その希望を実現する方法も、仕組みとしてはそんなに難しいものではありません。
仕組みとしては可能であるものの、他の要素によって実現が簡単かと言われるとそうでもないのですが・・・・

推しチームの手牌しか見えない放送対局

要は、放送対局でありながら、
推しチームの選手の手牌しか見えないような放送にすればいいのです。

例えば、フェニックスサポーター用の放送であれば、
魚谷プロの手牌と、他家含めた全体の捨て牌しか見られないようにする。
また、当然実況解説は本放送とは別枠で用意する必要があります。

こうすると、フェニックスサポーターは魚谷プロ目線で一緒になってなにを切るべきか悩み、
めくり合いに一喜一憂、危険牌をつかめば戦々恐々、和了牌を一発でツモれば喜びもひとしお、という体験ができます

下家でマンズのホンイツ仕掛けの人が3副露、
すでに一枚マンズを手出ししている。
そして魚谷プロは赤五萬を一枚切ればテンパイ、
ツモれば跳満の両面待ち。
実際は赤五萬は当たり。

そんな状況で、普通の対局だと正しい答えがわかっているので、
「切ったらダメ、切るな・・・・お願い切らないで・・・」
と、そういう方向でサポーターたちは楽しみます。

魚谷プロの手牌しか見えない状況だと、同じ目線で、
一緒にその葛藤を楽しむことができ、
一緒に思考を巡らせ様々な読みを展開させることでしょう。
このあとに本人による牌譜検討配信などがあれば、
さらに満足度は高いものになりそうです。

まあでもやっぱりこの形式で放送するとき、
最もアツくなれるのはリーチ後のめくり合いですよね。

まず和了牌をツモれるかの抽選でドキドキできる。
そして和了牌でなく現物ではないド危険牌をツモってきたときのスリル。
「頼む、通してくれ・・・!」
と願いながら切る。
このときが一番サポーターが一体となる場面なんじゃないでしょうか。
想像しただけでアツい。

ド危険牌を通したときの安堵・思わず漏れる歓声、
そして直後に相手から和了牌が出ての打ち取り。
これでもうスタンディングオベーションですよ。

二軒リーチひとつでこの盛り上がり。

ちなみにこの方式は問題があるとすれば、
まず推しチームのツモ番がまわってくるまでにそれなりの時間があること。
なので、実況解説はその間、他家の捨て牌からわかることや、
今の自チームの手牌から想定しうる方向性の話など、
かなり色々なことを素早く判断して話をしながら時間を繋がなければいけません。
これには相当なスキルが必要で、たとえば、フェニックスでいうと、
(もうここまできたら全部フェニックスでいきます)
おそらく魚谷プロや醍醐プロは大丈夫ですが、
茅森プロや東城プロは厳しそうです。

茅森プロや東城プロの麻雀の実力がどうこう、という話ではなく、
思考を言語化する能力の話です。
これが優れていないと、長丁場でこのスタイルでの解説は厳しそうです。

実況はいまの公式実況の方ならどなたでも大丈夫そうです。

あとは麻雀でたびたび発生する、
まったく手が入らないとき。
和了も放銃もない、そもそもずっとバラバラすぎて戦えない。
ずっとそんな局ばかりの半荘だと、相当厳しいものになります。

チームごとのPVのときだけでもどうでしょうか?

先程すこしシミュレーションしたさい、
たった一回のリーチめくり合いだけでもサポーターが複数いる場なら大盛り上がりですよ。

性質上、おそらく一人で家で見るよりも、
サポーターが複数いるところで視聴すると、
たぶん何倍もアガります。盛り上がります。
指数関数的にアガっていきます。

なのでどうでしょう。

チームごとのPVのときだけでも、
この放送方式、いかがでしょうか。

それかどっかのチームのオフィシャルサポーターになれば特別にその方式の放送を見れるようにしてください。毎回じゃなくていいので、気が向いたときだけでも。


なんか色々グダグダと偉そうに宣いましたが、
結局はこの形式での放送対局を僕自身が見たいだけです。
ぜひご検討の程宜しくお願いします。

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