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醍醐プロの「待ち合わせ」に河野高志をみた話【Mリーグ】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

まずはじめに、
僕は超絶ブラック企業戦士なので、
Mリーグのリアタイ視聴は夢のまた夢です。

たまにリアタイ視聴勢がCMについて、
「◯◯プロは演技もうまい」
やら何やら言っているのを羨ましく思っています。
Mリーグの途中で流れるCMを見れたことがありません。


「noteでくだらないこと書いてるヒマがあったらMリーグ見れるだろ」
と思われるかもしれませんが、
それは無理です。

このnoteは仕事中に書いています。
真面目な顔して仕事している感じでnoteを書いています。

さすがにMリーグは見れません。実況聞きたいし。
さすがに音声ありでは無理ですね。

ちなみに自分の仕事はすべて終えています。

「じゃあさっさと帰れば?」
と思われる方。

きっと恵まれた環境にいらっしゃるのでしょう。
自分の仕事が終わったらさっさと帰れるなら、
それじゃただの普通の企業です。
こちとら超絶ブラック企業にいるのです。
超絶です。


「仕事してるふりして残業代もらってたら違法だろ」
と思われる方。

残業代はもちろん支払われています。
ただし、「みなし残業」という悪魔の制度により、
各月最初の一週間をすぎるとあとは実質残業代無しの状態です。

というわけで、
いまぼくは実質無給です。

なので仕事をしてなくてもいいのです。
というか勤務実態が記録されているかどうかすらあやしいです。
されてない日が過半数な気がしますが、
気のせいだと思ってます。


というわけなので、Mリーグの情報に関してはぼくの中でナウでヤングな情報をもとにお送りいたします。


さて、当方最新情報によりますと、
セガサミーフェニックスは今日も8位を爆走中です。

特段どこのチーム推しとかいうのは無いのですが、
なんとなくフェニックスにはがんばってほしい感じがあります。
今年もレギュラー敗退っていうのは悲しい。
代わりにどこが落ちてほしいとかいう話になるとまた困りますけど。

そんな中、1月8日第1試合。
セガサミーフェニックスからは醍醐プロが出場。
ほかには風林火山の勝又プロ、
麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人プロ、
ABEMASの日向プロ。


醍醐プロは東二局からいきなりチームの不調を象徴するような不ヅキぶりを発揮します。

勝又プロの先制3-6ソウ待ちに対して、
浮いてしまっていた3ソウをもう一枚持ってきて重ねて雀頭にするという、
見方によってはミラクルだが、
別の見方をすると「また掴まされてる」ような牌姿となり、
まあともかく2-5萬待ちで追いかけリーチ。

当たり牌の3ソウを重ねて(掴まされて)リーチ!

ただやはりというべきか、
無常にもリーチ後にまたまた3ソウを持ってくるという掴まされぶりを発揮し、
勝又プロに放銃。

リーチ後、速攻でまた3ソウを掴んで放銃。
実況の松嶋プロ「なんでですか!もう!」

この日だけではなく、ここまでひたすら続く掴まされぶりに、
さすがの醍醐プロもこの表情。
「なんなん?」なんてまるで生ぬるい。

にじみ出る「やれやれだぜ…」感。
「なんなん?」を超える不ヅキに醍醐プロの目の奥が怪しく光る


この表情については、
「ここまで来るとさすがに苦笑するしかない」
的な見解が多かったようですが、
ぼくはこの瞬間に醍醐プロの目に光が宿ったのを見逃しませんでした。

あれは自嘲気味の苦笑などではありません。


このときの目の光が一体何だったのか、
氷解したのは南二局にまで進んだときです。

5巡目という早い段階で佐々木寿人プロのドラ暗刻内蔵のカン5p待ちリーチがかかります。

音速でリーチ。ドラ3枚内蔵。醍醐プロに危機が迫る。

ドラ暗刻とはいえ、
東ラスに親倍を放銃し失速気味の寿人プロのリーチ。
しかもカンチャン待ち。

当然反撃のチャンスなのですが、
そんな寿人プロの当たり牌である5pを当然のように掴んでしまう醍醐プロ。

5p「やあ」

しかし東二局の再来とばかりに、
当たり牌の5pをもう一枚ツモり、
5pと3pのシャンポン待ちでテンパイ。

5p「また来たよ❤️」

寿人プロからはとっくにリーチが入っている。
両面変化を待つ余裕はない。
というかいつの間にか赤3ある。

当然の追いかけリーチです。


ただこれは完全に東二局と同じ流れ。

リーチ後にさらにもう一枚当たり牌を掴む醍醐プロの未来が我々視聴者の脳内にも鮮明に描けていました。


・・・・ん?


もう一枚当たり牌を掴む?


それは醍醐プロのツモ和了なのでは・・・・??


醍醐プロのリーチからまもなく、
多くの視聴者が
「この流れ、あるぞ・・・・!!」
とほぼ確信に近い予感をおぼえていたはずである。

日吉プロの言う「風」とはまた違う、
歪だが確かな流れ、
言いようのない期待感が、
フェニックスサポーター以外の視聴者からもきっと溢れていたに違いない。


そしてほどなく、
醍醐プロの手元には寿人プロの当たり牌でもあり、
自分の和了牌でもある5pが。

5p「逃がさないぜ!」

それにしても掴みすぎ。

「相手の当たり牌を掴んじまう流れなら、待ちを合わせりゃいいーーー」


醍醐プロ執念の「待ち」合わせによる和了に、
ヤツを重ね合わせた視聴者も少なくないはずである。



そう、麻雀打ちのバイブルである『天牌』の河野高志である。



麻雀打ちなら誰でも知っているだろうが、念のため紹介しておく。
こいつのことである。


相手の当たり牌を掴むがそれでアガり切る河野高志 『天牌』/来賀友志・ 嶺岸信明


学生の麻雀大会で自分の仲間を優勝させるために主人公の友人の指を折り、
後日報復で主人公に指を折られ苦痛に意識が飛んでしまいそうになるも、
別の指を折ることで正気を保つというクレイジーなやつである。

「もう一本指を折れば痛みで正気に戻れるはず!」 『天牌』/来賀友志・ 嶺岸信明


河野高志が率いる白虎隊と主人公の沖本瞬くん・影村遼ペアの死闘の際には、
主人公ペアの飲み物に睡眠薬を混入するという非道な手も使ってくる。
最終的に武力行使に出るも、主人公らの麻雀に魅入られた仲間たちに裏切られてしまい、完全敗北した。

なお、いつからかすっかり好青年となってしまった主人公である沖本瞬くんも、
当時は報復とはいえ平気で人の指を折るクレイジーなやつだったのだ。
タバコもスパスパ吸ってたし、いつから禁煙したんだろう?



ちなみに去年Mトーナメントにも出場されていた麻雀プロである河野高志プロとはまったく関係がない

同姓同名だがルックスが似ているわけでもなく、
雀風が酷似しているわけでもない。
別に何の意図もなくたまたま同姓同名なのかもしれない。
真相はわからない。



ともかく、そんな河野高志の必殺技が、
「自分が相手の和了り牌を掴む流れなら、待ちを同じにすれば俺が和了れるっしょ」
というものである。

この表情でのたまう戦術とは思えないほど地味すぎる 『天牌』/来賀友志・ 嶺岸信明

これまで紹介したクレイジーさと非道さに反して、
非常に地味かつなんとなく理屈の通った感じのする必殺技ではあるものの、
爆運青年である主人公との運量の差を逆に利用していることや、
劣悪な対局環境などから、当時の読者に絶望感を与えるには十分な力を持った必殺技であった。



そもそも、今シーズンのフェニックスは、

とにかくツモれない。
とにかく掴まされる。

という、かなり偏った状況になっていると思う。


醍醐プロは守備的すぎてMリーグルールにアジャストできていないとか、
茅森プロ・東城プロは他のMリーガーと比較してそもそも雀力が足りていないとか、
そういう指摘も目にするが、
それを加味してもフェニックスは
ツモれない・掴まされる
という不運の流れが強すぎる気がする。


そんな中、掴まされる流れを利用して、
東二局と同じ流れで、
今度は掴み芸を利用して和了をもぎ取った醍醐プロ。


ここに河野高志をみた、
というのは、クレイジーさや非道さということではない。

「待ちを合わせる」
という内容もさることながら、
その勝ちへの執念である。


一見温厚そうに見える醍醐プロだが、
勝負の世界でここまで登りつめた人物である。

勝ちへの執念は人一倍大きいに違いない。

そしてしかも、
あの近藤誠一プロから後釜として指名され、
チームの大黒柱として闘っている舞台である。

そこで結果を残せていない。


醍醐プロの勝ちへの執念は、
筆舌に尽くしがたいものであるに違いない。



そんなとき、偶然かはわからないが、
光明ともいえる和了を手にすることができた。



今後、醍醐プロの代名詞は「先切り十段」ではない。


今シーズンのセガサミーフェニックスの掴む流れを利用した、
「待ち合わせ」

となるだろう。

そしてきっとこれは流行らない。
それほど雀荘でのオジサマたちにとって
「先切り十段」
の汎用性は高い。

それでもきっと次回からの醍醐プロは、
その人気コンテンツ「先切り十段」をかなぐり捨て、
必殺「待ち合わせ」を武器に、
連勝街道を爆走することとなると信じてやまない。


・・・・


ちなみにオーラスのドラ4萬止めは、
きっと放銃を恐れたからとか、
そういうことではありません。

まだ秘技である「待ち合わせ」を隠しておきたい醍醐プロは違う説明をされているようですが、
あれは4萬を当たりと見ての「待ち合わせ」狙いです。

4萬が当たりなら、あと二枚くらい余裕で引けるので、
ドラ3になります。
なので結局ホンイツにこだわる必要ってないんですよね。

ホンイツを見切ったのもそれで合点がいきます。
ドラ3あればホンイツ分の打点をまるまるカバーできる。

今回はうまくハマりませんでしたが、
もうすでにこのオーラスを捨ててでも秘技の刃を研ぐという段階に入っているようです。

「待ち合わせ」が使える場況や流れを把握しつつ、
細かい調整をする段階に入っている。

この刃を研ききったとき、
バッサバッサと上位陣を斬り伏せていく醍醐プロの姿が目に浮かぶようです。

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