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ヘアメイク担当や技術部の貢献度は「日吉実況」にも匹敵する【Mリーグ】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

ぼくは諸事情があり、
けっこうなブラック度合いの会社に勤めています。
そして事業のひとつとして、半人前の広告屋みたいなものがあります。

ぼくは2年くらい前から広告事業部での会議で、
「Mリーグのメイクさんが間違いなく優秀なので、動画媒体使う場合は声をかけてみるのはどうか」
と社内で提案し続けていたのですが、弊社はブラック企業なので、
「なんで麻雀番組のメイクなんか使わなきゃなんねーんだよww」
という理由だけでこの案は却下され続け、
なじみのヘアメイクさんをずっと起用するみたいなことが続いていました。

しかし先日、とある出来事をきっかけにぼくの社内評価が変わりました。


いままで担当してくれていた、弊社役員お気に入りのアライさん(仮名)というメイクさんがなんだか海外に行くとかで送別会を開きました。

その送別会で、アライさんからこんな話が出ました。

「田ノ倉クンって麻雀好きだったよね、Mリーグ見てる?
アタシ麻雀とかわかんないけど、メイクヤバいって知り合いから聞いて見てみたの、そしたらマジヤバい。
特化系かもしんないから何パターンもあるやつだとどうなのかわかんないけど、超短尺とかシチュ特化ならすげーアリだよ」


要するに、
アライさんのまわりで「Mリーグのメイク担当がすげー」みたいな話がでていて、
実際に見てみたと。

そしたら本当にクオリティが高くて驚きましたと。

この高クオリティは、特定のスタジオで、
特定のアングル、照明が決まっている状態で撮られることを前提に、
そこに特化しているからこそ出せているという可能性もあるけど、
だとしてもいろんなシチュエーションの無いような撮影なら絶対すごいよ!
と。

そういう内容です。

これを聞いた弊社役員たちは、
「アライさんが言うならすごいんだろうね~、次のやつでためしてみようか?田ノ倉くんも見る目あったんだねえ、美的センスだけは無いと思ってたけどw」
とか言ってる。

「試してみる」とかなんでそう常に上から目線なのだろうか。
ハッキリ言って広告屋なんてものは自分たちだけでは何もできない。

あらゆる分野のプロフェッショナルたちの手を借りて、
はじめて生活者との接点を持つことができるわけです。

そんなプロたちに一切リスペクトをしていないような彼らがよくこれまでやってこれたなと。
逆にそれが不思議です。


ちなみにアライさんによると、
とくに瑞原プロ・高宮プロ・二階堂亜樹プロのメイク完成度が異常で、
他の媒体や映像作品等と比較しても、圧倒的だということです。


勘違いしないでいただきたいのが、
「Mリーガーはヘアメイクのおかげで美しく、格好良く見えるだけ」
ということではなくて、
Mリーガーの皆様、そもそも、元が十分良いのです。


それでも映像で美しく映すというのは、
なんか知らないですが相当むずかしいのです。

テレビでは「まあ普通だな」と思っていたタレントさんを偶然ロケ現場で実際に見たら、
めちゃくちゃ美人だった、イケメンだった、みたいなことないですかね?

テレビを見ていて「この人めちゃくちゃスタイル良いな」と感じたモデルさんを生で見ると、
想定の1.5倍くらいさらにスタイルが良いように感じます。
顔なんか想定比60%くらいで、めちゃくちゃ顔ちっさ!となります。

昔つとめていた会社の入口でモデルの冨永愛さんとすれ違ったのですが、
想像していた3倍くらいのスタイルでした。
ぼくの2倍くらい脚が長く、本当に驚愕したことを覚えています。


それくらい、映像放送でひとを綺麗に映すのは相当むずかしく、
(PVとか化粧品のCMみたいにそこに特化したものは別ですが)
なかなか出演者の魅力を100%伝えきれないのです。

なかでも生放送なんて最悪です。

収録と違って段取りがかなり制限されるため、
メイク直しのタイミングもかなり限られるからです。

リハと本番でほんの少しカメラアングルがずれていてそのせいで映りが微妙になってしまったりしていることに気づいても、
段取りが進んでしまっている以上は、つぎの適切なタイミングが来るまで修正ができなかったりします。

収録だったりドラマなんかだったりすると、
不意に出演者が脂汗をかいてしまったりしたらすぐにそれを拭いて直しを入れることもできたりしますが、
生放送だとそういう対応も難しかったりします。


そんな生放送の対局において、
ここまで的確に選手たちを魅力的に映すことができているのは、
相当すごいことです。

特にすごいと感じるのは、
対局中の長考シーンでバストショットだけじゃなく、
クローズアップに近いくらい選手の顔に寄ったりしますが、
それでも画が保つことです。

これは選手本人の魅力を最大限引き出すメイクの力がかなり影響しているのはもちろんのこと、
照明・カメラマン・スイッチャーetc…、技術部の方々の力も大いに関係しています。


Mリーグ2023-24ファイナル最終日、
二階堂亜樹プロが当たり牌である9sを切るか切らないか長考していたシーンがありましたが、
やっぱり見事に“画がもつ”んですよね。

けっこうな長考なんですけど、
こんな寄っても、
画がもつんですよね。

あのシーンをあのクオリティで流されたら、そりゃ他の放送対局はなかなか勝てないよな、とあらためて感じました。
技術部もメイクさんも相当すごい。

こんな画、他の放送対局では絶対見れません。ずるい。


あと、選手たちをパッと見たときに、
すぐに魅了されるような、メイクの切れ味の鋭さも特徴です。

僕が社内で映像媒体の広告撮影時にMリーグのヘアメイク担当されている会社に声をかけたいと提案したのは、
その点がとくに大きな理由になります。

生活者のほとんどは広告なんてチラッとしか見ないので、
その一瞬で生活者を惹きつける切れ味というのが広告には絶対に必要になってくるからです。


僕は技術面には疎いのでなぜ切れ味鋭いメイクが実現しているかというのはわからなかったのですが、
アライさんによると、男女どちらの好みにも振り切っていないこと、
あとは目元のアイラインがどうとか陰影のつけかたがどうとか色々説明されましたが、
全然意味がわかりませんでした。

その中でひとつだけちょっと意味がわかったのは、
スタジオの照明やカメラアングルを相当研究しつくしているのではないかという話。
細かい技術の話はわかりませんが、色々な点でかなり“あの場”に特化しているのではないかとかなんとかいうことでした。

とにかく、色々な何某かの理由で、パッと見でも魅力的に映る切れ味の鋭いメイクになっているということです。


以前書いたなにかのnote記事でも挙げましたが、
いまは麻雀のルールわかんないけどMリーグ見てるって人がそこそこいるようです。

麻雀わかんないのに何に惹かれてMリーグにハマったのか。

実況解説が面白くて、みたいな話けっこう聞きますけど、
個人的に同じくらい聞くのが、特定の選手が対局しているシーンをたまたまユーチューブか何かの切り抜きで見て、
ってやつです。

そのシーンがめちゃくちゃ魅力的で、
そのままハマっていったと。

選手たちがもともと魅力的であるのはもちろんのこと、
それをひと目でわかりやすく確実に視聴者に届けることができるような技術をもったヘアメイクさん、
および技術部の方々の功績は相当なものだと思います。


日吉プロの実況が、Mリーグ視聴者を広げたものとしてフィーチャーされることがありますが、
Mリーグのヘアメイクさんや技術部がそのような形で注目されているところをほとんど見たことがありません。

日吉プロの実況がすごい、となったときに、
「いやいや、そもそも魅力的な闘牌を繰り広げる選手たちがすごいんでしょ」
と野暮なことを言う人はいないのと同様、
ヘアメイクさんや技術部がすごい、というときに
「そもそも選手たちが魅力的だからでしょ」
というのは野暮ってもんです。

そもそも、魅力的なものを魅力的に伝えるというのは相当難しいことです。

日吉プロがそれを伝える際に使うのが「言葉のチョイス」であったり、
「暑苦しいほどのアツさ」だったりするわけですが、
同様にメイクさんや技術部の方々は「映像」を通して伝えているというだけの違いです。

なので個人的には、「日吉実況」と同じくらい、
来季はMリーグのヘアメイク・技術部がフィーチャーされることを願っています。


ちなみに蛇足ですが、弊社は役員たちの不誠実な姿勢が災いしてか、
今では広告物の制作に携わる仕事がほとんどなくなってしまいました。

非常に残念です。

ぼくは、役員たちにとっての絶対神アライさんと同じ意見を前から出していたこともあり、
「なんだかんだ見る目あんな?」と少し社内評価を上げましたが、
それによって給料が増えるわけでもなく、
仕事が増えて残業時間がさらにマシマシになりました。

得られた権限としては社内の空調温度を好きに決められるようになっただけです。
確かに大事ですが釣り合いません。

余計なこと言わなければよかった。

「言わぬが花」
「沈黙は金」

ブラック企業戦士鉄の掟がいかに大事か、あらためて身に沁みました。










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