
出鼻をくじかれる
2021年4月現在、木造住宅業界はかつてない重大な局面に立たされています。
住宅用の輸入材木がとんでもなく値上がりしているのです。
その原因を作ったのはコロナ。またしてもコロナ。
コロナは「風が吹いたら桶屋が儲かる」的な連鎖攻撃で、日本の材木の超高騰を引き起こしました。
アメリカでは新築住宅ブーム
住宅ローン金利が今までにないぐらい下がったり、
テレワークが推奨されたりで、
郊外の安い土地に家を建てて、都会の生活から卒業する人が増える
新築を買う人が増えたので住宅価格は上昇
(日本でも同じようなことが起きています)
中国ではコロナをいち早く抑え込み経済活動再開
→輸入材木を爆買い
もともと中国は天然林(自然にできた森林)を多く保有しており
自国の森林を伐採しまくっていたのですが、
過去にその影響で大洪水が起き現在では天然林の伐採は禁止、
現在、木材は輸入に頼っています。
今、景気の良い中国ではインドネシアやマレーシアなどの東南アジアや
ロシアなどから林産物(材木)を爆買い
その結果、輸入元の材木の価格が上昇しました。
そこで日本に目を向けてみると、国産材も不足の状況
日本の製材所はコロナの影響で稼働率が減少
国内での情報格差も思い知らされました。
こういう事態では情報の早い関東の企業が国産材を全国から買占め
例外はありますが西に拠点を置く企業はさらに痛い目を見ています。
日本の新築木造住宅への影響
高く買うところに物が集まるのは自然な流れです。
日本より高く買ってくれる中国に売った方がいいから中国に材木が集まり、
日本では材木不足が起きています。
私が付き合いのあるプレカット会社(材木を加工するところ)からの情報では
「今年の6月からは大幅に値上がりする。」とのこと。
「値上がりする可能性が、、」などという生ぬるいものではなく断言されました。
(具体的な値も聞きましたがここでは伏せておきます)
しかも価格がいつ元に戻るかもわからないし、まだ上がる可能性も十分あるそうです。
材木不足はこれから新築を検討している人にとっては悪いニュースですが、建築費が急上昇するのかといえば、そこは安心してください。
新築の木造住宅で木材が占める割合は多くても2割程度。
戸建て1棟がとんでもなく値上がりするわけではなさそうです。
ただ、年間に何千棟分も材木の加工を請け負っている先のプレカット会社や大手ビルダーにとっては大打撃だと思います。
過去に一度も起きたことが無い今回の事態は大げさではなく、
日本の木造住宅の根幹を揺るがしかねない大事件です。
これからも、動向を見ていきたいと思います。
本題
やっと冒頭の「出鼻をくじかれる」についてですが、
このたび私たちは 「tano-sumu」(タノスム)というサイト運営をスタートました。建売の新しい形を提案しているのですが、木造住宅業界で新しいサービスをスタートした最中での出来事が「材木のかつてない高騰」です。
正直、震えあがっていますが乗り切るしかありません。
これから、私たちが何をやっていくのか、この note でご報告していきますので是非楽しみにしていてください。
(サイト自体もまだまだブラッシュアップが必要で未完成なものです。こちらも完成までお付き合いください。)
自己紹介
「tano-sumu」は戸建のイノベーションサービスを展開するために結成された技術集団です。建設会社・住宅コンサル会社・不動産会社・工務店・住宅資材商社・職人(大工等)を一つのチームにまとめ、これまでの建売業界にはない新しい目線でお客様に「家を買う楽しさ」をご提案します。
https://tano-sumu.com/
運営 株式会社Emon
代表 岩木栄暁
沿革
2009年1月
Packs co.(株式会社パックスコーポレーション)を立ち上げ不動産仲介
事業を開始
2012年
株式会社Emonを新たに立ち上げ、住宅のリノベーション事業・店舗
工事事業を開始。
2014年
大型開発用地・ホテル売買の仲介事業を開始
2017年
戸建住宅の開発事業を開始。