後天的にモテるようになった人が周りとどう折り合いをつけるか【ブスから美人になると男の態度変わりすぎ問題】

昔はモテなかった人が、本人の努力によって美貌や社会的地位を手に入れ、後天的にモテるようになることがある。

そういう人は、昔がダメでも今が良ければ幸せ、とそう簡単には思えないものだ。後天的にモテるようになった人の多くは、異性の好意を素直に受け取れなくなることで苦しむようになる。


先日、noteである記事を見つけた。

元々モテなかった男性が、社会的地位が高いとされる専門職、役職に就いたことでモテるようになった。しかし、これまで自分に見向きもしなかった女性たちが肩書やスペックを手に入れた途端にすり寄ってくることに嫌悪感を覚えてしまい、婚活が上手くいかないという。

筆者はこの悩みに対して、「後天的にモテるようになった人は、そこに辿り着くまでの内面的成長を過小評価している。100%肩書やスペックだけでモテているわけではなく、その肩書やスペックを手に入れるための努力による内面的成長が外見にも現れることでモテている」と回答していた。


この捉え方は間違ってはいないが、すべての人に適用できるものではない。


まず、後天的なモテの要因には男女差がある。

相談者の男性の後天的なモテの要因は社会的地位の高さだった。しかし女性の場合、学生時代に真面目に勉強して難関大学に入って社会的地位の高い職に就こうと、モテにはつながらない。


女性の後天的なモテの要因として1番に考えられるのは、やはり容姿の変化であろう。

ブスと言われていた女性でも、メイクや整形、ダイエットによって容姿が激変すると、これまで誰にも見向きもされなかったのに急にモテ始めることがある。



しかし、容姿を変える過程に必ずしも内面的成長が伴うとは限らない。

運動と食事制限で数十キロ痩せたというような、時間をかけて努力してきた人には内面的成長もあるのかもしれないが、数万円で目を二重にする整形手術を受けただけでそこまで内面的に成長するとは到底思えない。

それでも、目を一重から二重にするだけで別人のように印象が変わる。私は天然パーマだが、縮毛矯正で髪をストレートにするとやはりガラリと印象が変わった。たったの2万円でここまで人は変わるものなのか、と思ったものだ。


男性も容姿を改善することで後天的にモテることはよくあるが、それ以上に経済力や社会的地位も重視される。

一方、女性のモテに重要な要素はまず容姿と若さである。経済力や社会的地位はモテにはつながらない上、その過程で身に着けた知性や強さは、モテにおいてはむしろマイナスにすらなりうる。


「女は楽でいいよな」と言う男性は多い。

確かに女性は、股を開くだけで楽に社会的成功を掴めるチャンスがあるのは事実だ。

しかし逆に言えば、「学生時代に真面目に勉強していい大学に行っていい会社に就職する」というような、まっとうな努力の積み重ねが評価されにくいという面もある。


男性は、学生時代に真面目に勉強していい大学に行っていい会社に就職すれば、女性にもモテるようになる。まっとうな努力が、いいお嫁さんと結婚して家庭を持つという社会的成功にも直結する。

一方女性は、勉強や仕事に打ち込む時間が長いほど結婚からは遠ざかる。地道な努力を積み重ねて内面的に成長している間に、男性が最も重視する若さは刻々と失われ、容姿も衰える。いくら社会的地位の高い職に就いてたくさん稼ごうと、独身というだけで負け組呼ばわりされてしまう。

高卒で条件の良い男性を捕まえて若いうちに子供を産んで専業主婦をしている女性の方が、世間ではよっぽど勝ち組扱いされているだろう。




ここで話を戻そう。

これまであまりモテてこなかった男性が、社会的地位の高い職に就いた途端に、これまで自分に見向きもしなかった女性にすり寄られることに嫌悪感を覚えてしまうという話だった。

その嫌悪感は、女性は自分の地位や肩書だけを好きになったのだと思い込むことから来るものだ。しかし実際には、今の社会的地位を手に入れるために努力した過程で内面的にも大いに成長しているのだから、その自信が外見にも表れてモテにつながっている部分もある。だから女性が地位や肩書だけに惹かれていると思い込まずに、もっと自分の内面的成長に自信を持とうよ、ということだった。


容姿の劇的な変化によって後天的にモテるようになった女性にも、この男性と同じような思考に陥ってしまう人は多いだろう。

この思考も、自分がモテるようになった要因を100%容姿に起因させていることから起こる。これまで自分を邪険に扱ってきた男性に急にチヤホヤされるようになれば、「男なんて顔しか見てないじゃん」と思ってしまうのも無理はない。

ただ前述した通り、容姿の変化に内面的な成長が伴うとは限らないため、後天的なモテの要因を内面的成長に起因させるのは難しい場合も多い。むしろたったの数万円、数時間で、周りの態度があまりにも変わってしまうことで驚いてしまうのもよくあることだ。

ではここで、容姿の激変によって引き寄せた男性の好意をどのように捉えるべきなのか。


私の最適解は「内面を好きになってもらうための第一関門を突破した」と捉えることだ。

男性がいくら若くて可愛い女性が好きだとは言っても、あまりにも性格が悪かったり、価値観が合わなかったりすれば、長く関係を続けることはないだろう。

女性もいくら経済力のある男性が好きだと言っても、一緒にいて楽しくなければやはり続かないと思う。


容姿は学歴フィルターのようなもので、通らなければ見向きもされないが、通りさえすればその後はそこまで大きな影響を与えなかったりもする。

容姿は入りには重要な要素だが、その後は内面を重視するフェーズに移行する段階も来るはずだ。

顔が可愛いからと好意をもらえたからといって、あくまでも第一関門を突破したに過ぎない。その第一関門に通りやすくなってラッキー、と捉えるくらいがいいと思う。



そもそも人を好きになるという感情に対して、理想を抱きすぎてはいないだろうか。

可愛い子を見れば誰でも仲良くなりたいと思うだろう。可愛い女の子が可愛いのは明らかだし、女性だってブサイクよりもイケメンと付き合いたいのは当然だ。

冴えない印象だった男性でも、弁護士免許や医師免許を持っていると知った途端、見え方が変わってくるのもよくあることだろう。

自分を省みれば、思い当たる節があるのではないだろうか。人は誰だって現金なものだ。

「男なんて顔しか見てないじゃん」と思いたくなる気持ちはものすごく分かる。バチェラージャパンを見ていると、やはり容姿が下位の女性から落ちているし、1番美人な女性は大して話が弾んでいるようにも見えないのに終盤まで残っている。


それでも、容姿だけで選ばれたと思い込んで、せっかく手に入れた第一関門通過の切符を切り捨てるのはあまりにももったいないと思う。簡単に内面を見透かせるほど、人間は賢くない。


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