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盛岡という星でタンキュー部「探究活動のススメ」レポート#探究#高校生

探究に取り組む高校生が集まり、活動をより楽しくするためのプログラム、「盛岡という星でタンキュー部」が今年もスタートしました。第1回目のプログラムは、7月9日(土)に盛岡という星でBASE STATIONのイベントスペースで開催。盛岡第一高校、盛岡第四高校、盛岡商業高校、不来方高校、岩手女子高校といったさまざまな高等学校の1年生から3年生まで幅広く参加し、地域の課題をジブンゴトにするワークショップにチャレンジしました。

今回のサポーター】
SoRaStars株式会社 代表取締役 山崎智樹さん
学習塾「個別指導・集団授業SoRa」代表、カフェ「SoRacafe」オーナー。
「ドリーム・シード・プロジェクト」代表として、高校生主体で取り組むプロジェクト「高校生×まちなか百貨店」や「注文をまちがえるカフェ」などさまざまな活動をバックアップしています。
 
ここからはさっそくプログラムの内容をレポート!
 

まずは「地域課題をジブンゴト」を実体験

ワークショップの前半は、山崎さんが地域課題をテーマとしてプロジェクトに取り組むポイントについてレクチャー。参加者自身も山崎さんから出題される質問について考え、自分なりの考えをアウトプットしていくことで、実際に地域課題をジブンゴトにするプロセスを体験しました。

レクチャーの様子


「地域」と聞いて浮かぶ言葉は?
さっそく、冒頭で飛び出した質問には、“自分たちでつくるもの” “思い出” “つながり”・・・さまざまなキーワードが挙がりました。実はここが、地域をジブンゴトにするための最初のポイントなのだそう。思い浮かぶ言葉は人それぞれでOKですが、その言葉に「自分」がいなくては、地域に関心を持つのは難しいそうなのです。“自分のため” “自分が知りたい”という視点で地域を眺めてみることで、地域との距離感がぐっと縮まるかもしれません。自分の関心があることを地域に繋げられたら最高ですよね。
 

「違和感・疑問・もやもや」を「気づき・発見・ひらめき」に
地域に関心を持てたら、次のポイントは「違和感・疑問・もやもや」を書き留めてみること!小さな「違和感・疑問・もやもや」は、「気づき・発見・ひらめき」につながります。岩手にも「違和感・疑問・もやもや」から生まれたプロジェクトはたくさんあります。
事例を一つご紹介します。認知症への理解を深めるため認知症のホールスタッフが注文を間違えてもそれを楽しむ「注文をまちがえるカフェ」。今回のサポーター、山崎さんもサポートに加わり、高校生主体で定期開催している企画です。
自分の考えたプロジェクトを、周りのみんなを巻き込むような「気づき・発見・ひらめき」に発展させることは、普段からなんとなく感じている「違和感・疑問・もやもや」からのスタートなんですね。
 
 
ビジネスは掛け算で生まれる
今回のワークショップ、最後のポイントは、掛け算をすること。
実際のビジネスも◇◇と○○の掛け算で生まれています。有名なのが、近年多方面から注目を浴びている岩手県の企業、株式会社ヘラルボニー。まさに「福祉」×「アート」の掛け算で、これまでにない新たな視点から、福祉を起点とした文化創造に取り組んでいる企業です。
地域からプロジェクトを生み出すうえでは、「地域」との掛けあわせを考えてみることが重要なポイント。山崎さんによると、「地域」×「○○」にはプラスの掛け算とマイナスの掛け算という2つの種類があるのだそう。プラスの掛け算は、「無料でWi-Fiを使える勉強スペースが欲しい」のような、あったらいいなを実現することから生まれ、マイナスの掛け算は「いらないな」「自分なら使わないかもな」からの発想で生まれます。ここで「違和感・疑問・もやもや」と「気づき・発見・ひらめき」がヒントになりますね。


アイデアワークスタート!

ここからは、アイデアワークのスタートです。地域との掛け合わせよって新しいビジネスモデルを考えます。参加者で3人1組を3グループ作り、15分の制限時間でビジネスモデルを考えました。ワークの最後にはもちろん発表があります!「盛岡にどんなところがあったら行きたいかな?」「自分たちは使わない○○の別の使い道はないかな?」など、今日初めてのメンバーと意見を出し合いながら、ホワイトボードにアイデアをまとめました。

アイデアワークの様子

 
ビジネスアイデア① 使わない場所×中古リサイクル品
まちなかの空き物件で、中古品やリサイクル品、忘れ物などを使ってなんでも貸し借りできるスペースを作るというアイデアは、まちなかに若者が来るように、傘やモバイルバッテリー、自転車など、高校生ならではの目線で日常生活に必要なものがリサイクルできるビジネスモデル。貸し借りできるもののなかには他にも、雨の日に濡れた衣服を乾かせるドライヤーという意見もありました!


ビジネスアイデア② 地域の空きスペース×食品ロス

シャッター街の「空き店舗や空きスペース」で、「食べられるのに、廃棄されそうな食品」を配り、食品ロスを解決しようというアイデア。同じスペースでキャンドルや入浴剤、アクセサリーの製作体験も楽しめます。「体験」というキーワードも加えたことで、老若男女問わず活用できるアイデアを考えました。


ビジネスアイデア③ 居酒屋×つながり 
昼間は店を閉めている居酒屋を使って、毎月イベントをするカフェのオープンを構想しました。休憩スペースに使えるだけでなく、本があったり、手芸ができたりと、さまざまな仕掛けからつながりを創出することができます。どこでするか、どんなイベントをするかなど、実現にあたっての具体的なアクションも考えました。


地域と自分の興味の掛け合わせを考えよう

「地域」×「自分の興味」で、実際にビジネスモデルの構想にチャレンジした今回のプログラム。プロジェクトをスタートさせるきっかけは、普段からなにげなく感じている興味関心から生まれることを実感することができる内容でした。参加者からの感想を一部ご紹介します。
 

●「自分ごと」で考えていなかったということに気づきました。学校では「社会のために」「世界のために」と言われがちで、(それも確かに大切ではありますが)自分が関わっているのかを深く考えていなかったと思いました。
●マイナス×マイナスでもよいということがとても頭に残っていて、これから新しいことをする時や、今のプロジェクトを進展させる際にもぜひ活用したいと思いました。新しい視点から物事を考えられるようになってとても良い経験でした。ありがとうございました。
●何かをやるにあたってそれが誰向けなのか.どういった利益があるのか.場所はどうするのかといったことが必要となることに改めて気づいた。自分でやりたいことがある人が多くて驚いた。
 

参加者の皆さんは今回のプログラムで、チームで考えることの充実感やアウトプットの楽しさ、そしてなにより「地域課題をジブンゴトにする」ポイントについてしっかり学ぶことができたようです。それぞれの探究活動においても、自分の考えを表現することを恐れずに、楽しんで取り組むことで、活動をより豊かにできるはずです。
 
盛岡という星でBASE STATIONでは、そんな高校生の皆さんの探究活動を応援しています。


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