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出前講座in盛岡スコーレ高校 レポート

盛岡という星でBASE STATIONでは、イベントプログラム「盛岡という星でタンキュー部」をはじめとするBASE STATION内での探究サポートと連携し、高校生の皆さんが地域の魅力を知り、課題を自分ごととして考えることで、自身の活動を盛り上げていただけるように、プログラムを提供しています。
 
今回レポートするのは、盛岡市と盛岡スコーレ高等学校調理クラスの皆さんが連携して取り組むプロジェクト。2025年春ごろに開業予定の、盛岡市初の道の駅「道の駅もりおか渋民」で販売するお土産品、レストランメニューの開発を目指して、プロジェクトを進めていきます。今回はそのキックオフとして、「盛岡・玉山の食の魅力を盛岡市初の道の駅から発信しよう」をテーマに、今度どんなことに取り組んでいけそうかを自由に考えるプログラムを実施しました。

ゲストトーク「玉山地域の食材の魅力について学ぼう」

前半は、生徒へのインプットとして、玉山地域の食を担うゲストの皆さんからそれぞれ違った視点で玉山の「食」、そして道の駅でどんなことができるか、お話しいただきました。今回協力いただいたのは次の3人の方々です。

作り手:合同会社山藤農園 山本早苗さん
活かし手:調理師・パティシエ 瀬川徹さん
発信の場:盛岡市玉山総合事務所道の駅整備推進室 佐藤麻紗美さん


ご自身が農家でいらっしゃる作り手の山本さんからは、盛岡特産6品目のひとつである「黒平豆」を中心に、食材の魅力についてお話しいただきました。「生産者だからこそ、食材をつくることはできるけど、それをアピールすることができるのはまさに皆さんのような方々」という力強い言葉に後押しされて、さっそくどんなメニューに合いそうか考え始める生徒も。



地産地消にこだわって調理をされている瀬川さんのお話しは、普段から食材に触れている生徒たちにとっても共感できる言葉が多かったよう。玉山の食材を使った商品開発の事例についてもお話しいただき、「ただ使えばいいのではなく、その食財を知り、特徴を知り、それを活かした使い方をする」という活かし手ならではのアドバイスをいただきました。



最後に、今回のプロジェクトのフィールド、玉山の「食」を活かすための場となる道の駅について、担当の佐藤さんからご説明いただきました。道の駅に求められているのは「行ったらこういうものが食べられる、こういうことができる、これが買える」といった具体的な体験なのだそう。今後のプロジェクトを進めるうえで、この言葉が鍵になってくるはず…。


アイデアワーク「玉山の食の魅力を道の駅から発信するアイデアを考えよう」

このようなゲストトークを経て後半はアイデアワークに取り組みました。プロジェクトのキックオフにあたる今回は、まずは方法にとらわれずに、自由に玉山の食の魅力を道の駅から発信するアイデアを考えます。
 
実際に生徒のみなさんが考えてくださったアイデアをご紹介します。


●企画名「玉山と言えば!!これ食べて!!」
「玉山と言えばこれが有名!!」という商品を作る。(お土産)
人が興味を持ってくれるインパクトのあるもの。

今回紹介された黒平豆だったら・・・例えば
・団子の上に黒平豆あんのトッピングのせ(クリームでもあり)
・黒平豆プリン ・ジェラート ・おからクッキー

 

●企画名「想いをつむぐ」
・食べ物の値段のところに生産者の一言を書いてみる。
・レシピ紹介の会などをしたりして、生産者もよんで想いを言ってみる。
・おまつりの出店でも出せるようなものを考えて出店に出してみる。
・道の駅で出している食べ物を使ってお料理教室等を開催し、皆でお土産品を作ってみる。

 

●企画名「黒平豆せんべい手作り体験」
黒平豆せんべいをお客本人に体験してもらう。ターゲットは家族づれ。その過程で、黒平豆の良さをアピールし、楽しんでもらう。

 

●企画名「黒平どら」
甘く煮た黒平豆をどら焼きの生地ではさむ。どら焼き→米粉、盛岡のお米。米粉、黒平豆、投入、牛乳、卵。

 

●企画名「玉山といえば黒平豆!!」
レストランメニューに黒平豆を使った料理(デザート)を考える。
おまんじゅう、ジェラート(トッピングに!!)、煮詰めたものを定食として出す(そのままの味を食べれる)
→そのメニューについて詳しく書いたポスターを貼る

黒平豆を使用していますよ~、黒平豆がどうやって作られた?、何が一番おいしい食べ方?など書く
→黒平豆を産直で売ったり、レストランのレジで売ったりする(食べた後に欲しい、もうちょっと食べたいと思う人がでる)

レストランで食べない人もいると思うので、説明を書いたり、試食スペースを作ったりする

 

調理クラスのみなさんならではの食材や味にこだわったアイデアはもちろんですが、中には「黒平豆のアクセサリーをつくる」など、変わりダネのアイデアも。これにはゲストの山本さんからも「いい視点!」との高評価。黒平豆を使ったアクセサリーを手作り体験することで、アイデアのタイトル「玉山で思い出メモリー」の通り、道の駅に訪れたときの玉山らしい思い出が残せそうですね。

アイデアシートには、説明だけでなくイラストやマッピングを用いた詳しい解説が!中には裏面までたくさんのアイデアを書いてくださった方もいらっしゃいました。みなさんの熱意がかんじられる、とても貴重なシートになりました。



さまざまな視点から玉山の食をPRする方法を考えていただいた今回の講座。アンケートの中には「企画を考えるのが楽しかった」「みんなのアイデアをきくのが楽しかった」など“楽しい”という言葉が目立ちました。たしかに、2時間のプログラムのなかで、ゲストトークからアイデアワークまでの長い時間、生徒のみなさんが興味を絶やさずに楽しんで取り組んでいるのが印象的なプログラムでした。普段の生活のなかではなかなか注目することのない「地域」と自分との接点について、自分の興味があることをきっかけに考えてみると、できることがたくさんあり、ここまで面白く広げられるのだと感じる機会になったのではないでしょうか。

今回出たアイデアをベースに、盛岡市道の駅整備推進室と連携したお土産品・レストランメニュー開発プロジェクトは進行していく予定です。


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