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90年代のChatGPT:エモいifの世界

もしも1990年代に、ChatGPTのような対話型AIサービスが存在していたら、どのようなデザインやユーザー体験になっていたのでしょうか?90年代の技術的背景やWebデザインのトレンドを考慮しつつ、ChatGPT自身とClaude自身に、この仮想的な「90年代のChatGPT」を考えてもらいます。


90年代のインターネット技術背景

1990年代、インターネット接続といえば、ダイヤルアップモデムによる接続が主流でした。電話回線を使い、ピーピーガーガーと音を立てながらゆっくりとインターネットに接続していたそうです。速度は33.6kbpsや56kbpsが一般的で、ページを読み込むには時間がかかりました。

もしもこの時代にChatGPTが存在していたとしたら、ページが完全に読み込まれるまでに数十秒、場合によっては1分以上かかっていたかもしれません。AIの応答を待つ時間もかなり長く、今では瞬時に返ってくる会話も当時は「画期的」と言えるものだったでしょう。そうであれば、これはまさにオーパーツ(時代を超えた技術)だったと言えます。

余談ですが、自分の中の、90年代初期のPCのイメージが以下動画です。参考までに、自宅にPC設置と回線がひかれたのが中学生くらいの時で、Windows XPと光回線でした。それ以前は小学校にWindows 95か98が何十台か設置されており、その辺で遊んでいました。

90年代Webデザインのトレンド

90年代のウェブデザインはシンプルかつ大胆で、今では懐かしさを感じるデザインが多く見られました。例えば、テーブルレイアウトが主に使用され、背景にはビビッドな色やアニメーションGIFが施されることが多かったようです。文字にはドロップシャドウや点滅(blink)効果が使われ、訪問者に視覚的なインパクトを与えることが重視されていました。

特に人気があったのは、スクロールするテキストです。右から左へ文字が流れる「<marquee>」タグや、点滅する「<blink>」タグを使用することで、ウェブページに動きとエモーションが加わり、訪問者を引きつけました。

またしても余談ですが、個人的には1990年代後半から2000年代にかけての、Flashを活用したWEBサイトが印象に残っています。2010年代もまだFlashは盛んで、例えばニコニコ動画等はFlashの技術により、動画プレイヤーが構築されていました。また、Flash対応のスマホは当時Androidの選択肢しかなく、そのためAndroidを購入した記憶があります。(docomoはこの当時iPhoneを取り扱っていなかった、というのも背景にありますが。)

さらに超余談ですが、初めて見たFlashが「楽しい国語」でした。小学校の授業で見せられましたね🙄当時はあまり明確なカリキュラムも存在せず、教師が手探りでやっていたためでしょうか。今思い返しても謎です。(おそらく、普通に国語の教材と勘違いしていた説も?そんなことはないか。)

ChatGPTが90年代に存在していたら…

さてでは、もし90年代にChatGPTが存在していたらどうでしょう?ChatGPT自身に、そのデザインを考えてもらいました。

ChatGPTの場合

ChatGPTは、非常にシンプルなデザインを選びました。背景は白、テキストは黒という基本的な配色で、あまり装飾がありません。ただし、ロゴの画像を表示しようとしているため、90年代のモデム通信ではかなり重いページになるかもしれません。画像が表示されるまで、じっと待つことになるでしょう。

現状、表示されきるまでにおおよそ12msかかり、ファイルサイズは1k程度です。これは、90年代では比較的軽めのページですが、ダイヤルアップ接続では待機時間が発生します。

かえってこれは、1週まわってモダンなデザイン

Claudeの場合

一方、Claudeは90年代のデザインを活かした少し派手なページを提案しています。点滅するテキストや、右から左へ流れるスクロールは、当時の「インタラクティブなデザイン」の代表例であり、今では「エモい」と感じさせるでしょう。

Claudeのページは、表示されるまで約8msかかり、ファイルサイズは2k程度です。環境にもよりますが、当時のSafariやNetscape Navigatorのブラウザで、このページは非常に優勢だったかもしれません。

点滅がいい味を出している

90年代のユーザー体験

現代のAIサービスでは、瞬時に応答が返ってくるのが当たり前ですが、90年代にこれを体験していたらどうでしょうか?応答がサーバーから届くまでの待ち時間があり、ChatGPTに質問を送ってから数十秒から数分のタイムラグが発生していたかもしれません。

また、当時の技術ではサーバー負荷や帯域幅の制限も厳しく、AIの処理能力も今ほど高くはならないでしょう。このようなことも考慮すると、応答まで1週間、1ヶ月を待ってから、となっていたかもしれません。そうなると「郵送で答えを発送します」といったサービスになっていたかもしれませんね。(そっちの方が早いかも)

BBSを想像してみる

当時はシンプルな個人サイトと、掲示板(BBS)やパソコン通信のチャットルームがコミュニケーションの主流でした。今のようにteamsも、slackも、LINEも、インスタも、TikTokもありませんので。そのようなコミュニティでどのような会話がなされていたか、仮にChatGPTやClaudeが存在したとして、想像してみます。

以下、Claude 3.5で考えてもらったものです。
いやぁ、この配色たまらない。大好き。

当たり障りのない会話です。
左下の文字化けが好き。

日本語圏は以下。

しれっとAIが会話に紛れてそうな。
(笑)がいい味を出しています。※wの元とされています。

今、私たちは5Gの高速通信やAIの深層学習による対話技術を手にしていますが、90年代からその未来が始まっていたと考えると、感慨深いものがあります。今あるAIの技術の源泉は、確かに90年代から存在していました。(紹介した"もしも"もお話ではなく、論文的なもの。)

もっとも、今ある高性能AIはマシンパワーありきなので、流石に90年代に今と相違ない思想が確立していたとしても、実現は極めて難しかったでしょう。そのため、2022年11月にChatGPTが公開された、そのタイミングがどう考えてもあり得るシナリオだった気がします。これより早くもならないし、遅くもならないでしょう。(語弊はありますが、品質を優先する組織であれば、ChatGPTの発表はもっと後ろだった可能性もあります。)

今回は90年代の技術とデザインを振り返りつつ、もしもその時代にChatGPTやClaudeのようなAIが存在していたら……という仮想のシナリオを楽しんでみました。AIとインターネットがもっと早く出会っていたなら、私たちの生活はどう変わっていたのでしょう?こうした「もしも」の世界に思いを馳せるのも、時には面白いものです。

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