石川悌二著『近代作家の基礎的研究』(8)―谷崎潤一郎の生い立ち(その1) 戸籍毀損事件
谷崎の叔父による戸籍毀損事件
この本では、最後に谷崎潤一郎の生い立ちとして谷崎の死後に発表したものが掲載されています。その一番最初に登場するのが叔父長谷川清三郎による蠣殻町谷崎久右衛門家の戸籍毀損事件の顛末です。
叔父が谷崎家の戸籍閲覧した際に、「清三郎」と記すべき署名を「三郎」と書いているように見え、父である初代久右衛門の印鑑の部分を閲覧の際に誤って破いてしまったとされる事件です。
谷崎の『幼少時代』でも養子に出された叔父たちの不満とともにこの事件についてさらっと触れられて