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笑顔でやれば自己注射も楽しくなるのか?

私には持病が有ります。SLE(全身性エリテマトーデス)という、難病です。

色んな説明はここでは省くけれど、とりあえず治る見込みが有りません。ただし、すぐにどうにかなりそうというわけでもないんですね。難病なりに安定している状態で、それは本当にありがたい。

週百錠越えの薬を飲むのも仕方ないと思います。日光に当たってはいけないのも、仕方ない。しかし我慢がならないことが一つだけあります。

週一回の、自己注射がホンマに嫌!!!!

と、いうことで。自己注射が楽しくなる方法は無いのか? という実験をしたという話。


打っている注射について ホンマに必要なのか?


私が使用している注射の名前はベンリスタ。週一回、自己注射をするものです。

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(こいつは使用後の姿)


病院から初めて頂く時には、注射の練習もしてもらえましたし、詳しい説明の書かれた冊子も頂きました。

注射するのは太腿かお腹。経験上、お腹のほうが圧倒的に痛くないのですが、一回やったらめちゃくちゃ胃が痛くなったので私は太腿ばっかりに刺しています。地味に痛い時と、むちゃくちゃ痛い時と、びっくりするぐらい痛くない時の3パターン別れるイメージ。打ち始めて4年近く、まだコツは掴めてません(笑)

たまに皮膚が赤くなりますが、どうやらそういうのが出ることもあるみたい。私はあんまり気にしてません。

基本冷蔵保存なので、一人暮らしだと冷蔵庫が圧迫されて大変。個人的に、徒歩だと診察して注射をもらう頃には持って行っていた保冷バッグの保冷剤も溶け始めていて、持ち運びが大変でした。特に夏。

で、この注射が役に立ってるかと言われたら、たぶん立ってます。

たぶんていうのは、まあ私が極端に病状悪化してないから。とりあえず服用していたステロイドは5mgっていうだいぶ少ないところまで減らせました(元々は8mg)

ただ免疫抑制剤は他にも2種類飲んでいるので、正直何がどう効いて今元気なのか、よくわかりませんね! だからって勝手にやめるわけにもいかないわけで……。


ストレスを受け続けると慣れるのか


これ何度でも言うんですが、以前勤めていた会社の上司が「今は辛いかもしれない、でもそのストレスも受け続けてると慣れて大したことじゃなくなるから」とおっしゃっていたんです。私もなるほどねと思っていたのですが。

慣れる事にも限度がある。

最初から自己注射なんて怖いし痛いし嫌だったんです。やってるうちに慣れてだんだんどうでもよくなるのかなーと思っていたんですが。

どんどん嫌になってく。

なんというか、この注射こんな形になっていて

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(中にバネが入ってて、見えないけど針が潜んでます)

皮膚に押し付けると勝手に針がブスっと刺さって、薬液を注入、終わるとロックされて針が露出しなくなるって、優れものではあるんです。針見なくていいし。

でもねー、嫌なものは嫌。

次第に注射を太腿に乗せて、ためらってる時間が長くなる。うーん、やだなあ。痛いもんなあ。あーやだなあ……。って、ためらい時間がどんどん伸びて、最終的に2分ぐらいためらったりして。

このままじゃ、打つの自体コソコソとやめかねないな、と危惧したわけです。自分のこと信用してないので。あ~~~今週打つの忘れちゃったな~~~しょうがないな~~~明日打とうかなあ~~~、とか白々しい言い訳しながら打たなくなりそうなので。

なんとかせにゃならんと思い至った時、思い出したわけですよ。

楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ。


笑顔になっているから楽しい、つまり……


心理学の実験で、同じ本を普通に読んでもらった場合と、口を横に開いて笑顔に似た表情を浮かべて読んでもらった場合では、後者のほうがより面白いと感じるという話を見たことがありました。

人間は感情が肉体に作用するのではなく、肉体の動きが感情に作用する。衝撃的な話だったので、覚えていたんでしょう。そして私は考えました。

笑顔で打ったら、自己注射も楽しくなるんじゃないか?

私は早速、次の注射から試してみることにしました。

自分の太腿に注射を押し付けニッコニコしている私。冷静に考えて若干気持ち悪いのですが、もしこれで苦痛が軽減されるならしめたもんです。ダメ押しに「あーもー注射楽しいなあーー!」みたいなことを考えながら、注射を試みます。

ヤダ。

正直、嫌。だって痛いのわかってるもん。ぶええ……と思いながら注射第一回目はいつものように、ためらいまくって終えました。

ところがですね。不思議とそんなに痛くなかったのですね。

効果有るのかしら? と思いながら、その後も笑顔で打ち続けるのですが……日に日にためらい時間が短くなっていくじゃありませんか!

更にいえば、痛みも以前よりはマシなように思えるのです。これは完全に気のせいかもしれませんが、ここに至っては気のせいほど大事なこともないでしょう。

これは意外と、そうした環境を整えることがカギのような気がしまして、私は注射を特別なことではなく、日常に組み込む作戦も取りました。


・好きな音楽を聞きながら注射する。

これは正直、人によると思います。注射が嫌な時に好きな音楽を聞くことで、好きな音楽が注射用BGMとなり嫌な曲に変わる可能性が有るのです。
私は以前クーロンズゲートというゲームを「怖い怖い怖い!!」と怯えながらやっていたのですが、自分を励ますため大好きなGACKTさんのアルバムを聞きながらやったら、GACKTさんのアルバムが流れると怖くなるという本末転倒の事態になりました。覚悟を決めてやってください。

・オンラインゲーム中に注射する。

ボイスチャットでお喋りしながらさりげなく打つ作戦です。これは結構いいです、人の笑い話に耳を傾けながら打つとリラックスしているのか痛くない確率が高い。問題が有るとすれば、ボイスチャット中にも関わらず太腿に注射するため私はパンツ1枚になっているということ。オンラインならではの解決策ですね。

・動画視聴中に注射する。

もうね、お菓子つまむ感覚で注射しちゃう。片手間でブスッと。これはお手軽。問題が有るとすればそんなもんでは誤魔化されない程度には普通に痛いこと。


色々工夫をすれば、多少は苦痛の軽減にはなるようです。今ではためらい時間も10秒程度に減りました。あと個人的には、チクってちょっと刺さるところまで入れて、「あっこのままだと永遠に痛い!!」と思わせることで一気に終わらせさせる方法が一番効果的です。もちろん顔はニコニコしています。サイコパスか?


結論


ま、楽しくはないです。おわり。

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