2020年サンリオキャラクター大賞を振り返る
6月9日、2020年のキャラクター大賞の結果発表があった。発表会は、ひる12時からTwitterやInstagram、SHOWROOMでピューロランドからライブ配信された。
キャラクター大賞、通称「キャラ大」はランキングを争うサンリオキャラキターによる競争だ。
それなのに、発表会にあふれていたのは各キャラクターとファンたちの応援し合う、いたわり合うような気持ち。
みんなの「好き」がいろんな方向に交差しているステージで、「あぁ、こういうのを平和って呼ぶんだろうな」と思った。そこは、暗い感情が入り込む余地のない空間だった。
緊急事態宣言の翌日、動き出したキャラ大
今年のキャラ大が動き出したのは、4月8日。緊急事態宣言が発令された翌日、キャラクター大賞公式Twitterが約1年ぶりにツイートした。
学校が突然の休校。外出自粛の要請が一段と強くなり、世の中が先行きの見えない不安でいっぱいのなか、毎年恒例のイベントが「中止」されることなく開催されることが、なんだか一つの希望みたいで心が慰められた人も多いと思う。
投票は10日にスタート。今年のキービジュアルは、新緑がまぶしいさわやかな初夏のイメージ。
生命力を感じさせる緑と、ラブレターを模した手紙がやさしい。
大好きだから今は会わない。
大切な人のために家で過ごす。
これまでの感染症対策には希薄だった、「自分の身を守るためだけじゃなく誰かのために自制する」という意識が急速に広がった4月。
そういう世の中にさり気なく寄り添ったビジュアルが、いかにもサンリオの世界を映し出していてた気がする。
元気付けようと奮闘するキャラクター
ピューロランドやお店での投票ができない中、それぞれのキャラクターがYouTubeやTwitterで、いつも以上に和ませてくれた。
そこにあったのは、選挙活動どうこうじゃない、私たちを和ませようとする姿。「投票よろしくね」はあくまでも建前だ。
キャラクターを通して発信されるサンリオのメッセージは、いつもいつも柔らかくてやさしいけれど、キャラ大を一つの柱に集結させたメッセージは、しっかりとこちらに届いていたよ。
「好き」だけじゃなかった2020年のキャラ大
キャラクターは、フィクションだ。
でも、だからこそ実在するものにはないパワーがある。
架空の存在に、人が言葉や性格を与えていく。
サンリオが魂を宿らせるキャラクターを、これからも見ていきたいと思った。
もちろんこれまでも、キャラ大後にはポジティブな「好き」という気持ちを膨らませてきた。
でも今年はそれだけじゃない。
好き、というよりも愛おしい。キャラクターの向こう側にいる誰かや人の温かさで胸がいっぱいになるような、繊細で敏感なやわらかな気持ち。
きっと、こんな気持ちになるキャラ大はもうないんじゃないかな。
あと、キティを応援していたけれどチャムくんとミミィ、フレッシュパンチにも投票してたのごめんね!キティちゃん。
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