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コラム「看板の楽しみ方」

看板を知るとお店がもっと好きになる

某地方紙が立ち上げたWEBサイトで看板を楽しむコラムを連載しておりました。元々、地域ネタを取り扱う地元密着型のWEBサイトに参加させていただいていた際、お店に掲げている看板の文字のフォントやイラスト、デザインなど個性豊かで面白いですね、と会話の中で軽く話していたことが採用されて連載の機会をいただきました。(連載は約4年ほど続きました)携わった取材活動の中で看板を通してのお店の楽しみ方や発見がいくつかあったので皆さんに共有して、お店を訪れる際、買い物以外にも新しい発見があったら素敵だなあと思います。

1.看板が好きになったきっかけ

元々私は本が好きで、幼い頃から様々な本を読んでいました。やがて中学生や高校生になると、みうらじゅんさんが書かれているようなサブカルチャー関連のコラムや、宝島社の「VOW」シリーズにはまりました。特に「VOW」では、くすっと笑える街ネタから、広告、おもしろ看板などが、大好きでおなかが壊れるくらい笑っていました。(「VOW」は現在なんと、復活したような事が書かれておりました、詳しくは右記リンクをご参照ください→ http://vowtv.jp/)変な看板が中心に描かれている事が多かったのですが、特に文字のフォント、看板に描かれているイラストやデザインのレトロさに心惹かれ、癒されていた記憶があります。

上:宝島社の「VOW」シリーズ、写真はシリーズの5

2.看板の探し方

私の看板の探し方は元々純粋に「かわいい」「レトロ」「かっこいい」と思っていたものに交渉してお話を聞いたり、アポなしもありました。大抵のお店の方は、アポなしはあまり積極的ではありませんが段々と話を聞きながら写真を撮り、お店の方の手を煩わせなくても看板について分かるようになってきました。そして、素敵な看板のポイントも分かってきました。探し方としては、直感ですが、まず描かれているイラストやデザインは唯一無二のものなのか、フォントは独特か、などに着目しているとそのうち「かっこいい」看板が探せるようになります。そうすると、自分の中のお気に入り看板が確立されてきます。その時は看板を知るチャンスです。

3.看板を知る

知りたい看板が見つかったら、思い切ってそのお店に入ります。初めては緊張しますが、少しお互いにこころが解けたら、お店の創業のきっかけ、いつから営業しているのか、看板メニューはなにか、掘り下げていきます。そして、最終的に店名、看板の由来や、デザインは誰が決めたか、フォントにこだわりはあるか、素材は何か、何箇所に看板があるのかなど聞いていきます。ビルの入り口、ドア、ガラス窓、ポスト、意外と看板は多く掲げられている場合もあります。注意深く看板を探しお店の方に伺うと楽しいです。

4.お店を知る

看板の話を進めていくと、お店のエピソードを必ず聞くことが出来ます。どんなお店でも、大切にしているポリシーや創業時のエピソード、今後どうしたいかなど、お店としての意向があります。例えば、そのお店のお料理や商品のことだけではなく、さらにその成り立ちや持ち味、個性などに気が付けるのです。それは看板もお店も大好きになるきっかけになります。どのお店にも言える事ですが、素敵な看板を掲げているお店は、自分にとって本当に温かくて心がほっこりするような場所になるものです。

私は、コラムの最後は短歌で締めくくるのがお決まりでした。短歌は季語はほとんど気にせず、言葉のリズムだけで考えていました。フライパンを使うお店なら「パンパンパンフライパン」ソウルバーなら「暑いリズムに心も踊る」など、ラップで韻を踏むような短歌が好きで書いていました。お店をイメージした短歌作りもなかなか良いものです。皆さんも是非、街中をぶらりとお散歩する際には、自分だけのお気に入りの看板を探してみてくださいね。

上:かつて仙台市にあったカフェの看板。こちらのお店は取材は叶いませんでしたが店内も看板もとてもかっこよくて大好きなお店でした

(MacBook)

【宮城看板放浪記】


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