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漆喰の効能

①同じ自然素材の塗り壁、珪藻土とどこが違うのか
どちらも地球からの贈り物ですが、大きな違いはその原料にあります。そのことにより、空気中の二酸化炭素と反応し自力で硬化できる漆喰と添加物の力を借りなければ硬化できないのが珪藻土です。その添加物が自然素材か、化学物質なのかによって安全性が異なります。

②炭酸カルシウム(石灰石)の特徴
炭酸カルシウム(石灰石)が酸化カルシウムに、そして水酸化カルシウム(消石灰)を経て石灰石に戻るまでの反応式は・・・
CaCO3 → CaO → Ca(OH)2 → CaCO3
石灰石 生石灰 消石灰  石灰石
    ↑     ↑       ↑            ↓
        CO2         H2O          CO2       H2O
塗った状況の水酸化カルシウムは、二酸化炭素と反応して硬化して石灰石になります。それは硬く、強アルカリ性(PH-13以上)であり、無機材で静電気も発生しずらく、汚れを付着さずらい、カビやコケなどの有機物が発生することも少なくしてくれます。更に、外壁が泥水などで汚れても、強アルカリ性による酸化還元作用で漂白し目立たなくしてくれます。その他にも吸放湿性、火に対しても燃えずらく、有害ガスの発生もありません、多孔質の材料となるので断熱性が高いことや、吸音性が有り反射音や反響音も和らげます。

③ホルムアルデヒドも分解する漆喰の力
空気中のホルムアルデヒドと水酸化カルシウムは反応し、蟻酸カルシウムCa(HCOO)2になり壁に固定化します。固定化された蟻酸カルシウムからはホルムアルデヒドが再放出することはありません。

④壁の仕上げ材としての特徴
漆喰は、②でも少しふれたとおり無機物なので、静電気による汚れも、苔、藻、カビなどが付着しづらい性質があり、仮に汚れてしまったとしても強アルカリ性の酸化還元作用により、多少の時間がかかるものの目立ちにくくしてくれます。塗り壁独特の表情も楽しむことができます。塗り壁としての特性ですが、曲面や自由な造形を仕上げ材として形にすることができます。また、曲げて使える材料とは違い目地のようなものが出ることもありません。
その独特な質感は空間の印象も左右することができます。

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