見出し画像

バンドのライブもお笑いライブみたいにすればいいのに

初めてのライブハウスで、相方が怒られた話

ざ・えんどが初めてライブハウスに出た日。
この日は3組のバンドが順に出る対バン形式だった。

リハが終わって、注意事項の説明などを受けた後。
相方の中馬がスタッフさんに質問をして怒られていた。

中馬「今日、エンディングはどういう流れで集まるんですか?」
スタッフさん「は?」
中馬「え?エンディングで出演者がステージに集合して、トークしないんですか?
スタッフさん「やらねぇよそんなこと!初心者かお前ら!」
中馬「お笑いのライブと違うんだ・・・」

僕は横で「恥ずかしい質問しないで~~~~!!!!!!」と思っていたけど、
確かにお笑いとバンドのライブって違うなと思ったので、それぞれの流れを比較してみようと思います。

お笑いライブとバンドのライブの違い

<お笑いライブ>
①開演時間になるとMCが登場してライブの概要を説明する
②1組ずつ、ほぼ間隔なしでネタをやる
③全部のネタが終わったらMCが出てきて、芸人を呼ぶ
④出演者がステージにどちゃっと集まり、トークをして終了

中馬が言ってたのはこの④のことです。

お笑いのライブってほぼ必ず、エンディングで芸人が全員ステージに登場して、
軽いトークをしたり、次回のライブの告知をしたり、ギャグ対決をやったりするんですよ。

そこが楽しすぎて、ネタは1組3分なのにエンディングで15分やってたりするケースも結構多い。


<バンドのライブ>
①開演時間になると1組目のバンドが出てくる
②1組終わると15分程度の転換時間
③最後のバンドが終わったら、流れ解散

MCがライブ内容からバンドの名前までを懇切丁寧に説明するお笑いライブに比べて、
バンドのライブ、非常にシンプル。

MCもなければトークもない。
でもその分、突然目の前から音楽が聞こえてきて、何の説明もなく1曲目が始まるのとか超カッコいい。

お笑いライブの方が初心者に優しい

こんなことを見出しで言ったらブチ切れられるかもしれないですが、
初めてのお客さんは絶対にお笑いライブの方が楽しめると思います。

なぜなら、エンタメには、パフォーマンスと予備情報の両方が大事だ(と思う)からです。
予備情報というのは2つあって、1つは「パフォーマンスをより楽しむための情報」です。

例えばなんですが、対バンで
1組目:0人集客
2組目:5人集客
3組目:10人集客 だったとき、

1組目の時はマジでお客さんが誰も来ない。
2組目が始まる前に5人来て、
じゃあ3組目はトリだし15人居るかなと思ったら、
その5人が帰っちゃって結局10人しか見てくれない。

みたいな。極端な例ですがこういうことがあり得ます。

つまりお客さん的には、
もともと興味のあったバンド以外、見てても楽しくないんです。

だから、Mステでタモリがバンドにインタビューしてからパフォーマンスしてもらうのと同じで、

MCが「この人たちはこういう曲をやるバンドで、こういうところを楽しんでください。僕は〇〇っていう曲が好きです。それでは聴いてください、どうぞ!」

みたいに予備情報を喋ってくれると、
知らないバンドでも楽しみやすいと思うんですよね。

別の例え話ですが、
レストランでどの料理を食べるか迷っているときに、
スタッフさんから
「このサンマは〇〇産で、脂がのってるから大根おろしとの相性が良いんですよね。あんまり知られてない産地なんですけど、こだわって作ってるので有名になるかもしれませんよ!」
と言われたら、「えぇ、それなら試してみようかな」ってなりませんか。

まぁ実際のところお笑いライブは「笑えるか、笑えないか」の2択なので、そこまで1組1組を丁寧に紹介する必要はなく、
オープニングでMCが「今からお笑いを見るぞ!」っていう空気感を作って会場をあたためてくれれば十分だったりします。
(※ライブのタイトルを叫んだり、トークでボケたり、拍手の練習やコールアンドレスポンスをしたりする。)

ただ音楽の場合はバンドによって「盛り上がる」「かっこいい」「しっとり系」とか、楽しみ方の選択肢が無数にあるので、
事前にバンドの予備情報を教えてもらって、
期待値をコントロールしてもらったほうが楽しみやすいのになぁと思います。

もう1つの予備情報というのは「ルール」的な予備情報で、

お笑いライブは
・座席あり
・特殊なルールはそんなになし
・当日パンフレットやアンケート用紙あり
・開演5分前の注意事項説明あり
なので、割と分かりやすいんです。

でも僕が行ったことのあるバンドのライブは
・座席なし
・ワンドリンク制
・パンフなし
・5分前アナウンスなし

会場のどこに立っているのが正解かもわからず、
ドリンクの頼み方も分からず、
「初めてなんですけど、だれか助けて~!」って感じになっちゃう。
(僕はそういう経験あります。)

なので、「ルール」的な意味での予備情報「より楽しむため」の予備情報の両方をしっかり教えてくれるライブが、初心者には優しいなと思います。

対バンライブでもMCとエンディングトークをすればいいのに

そんなわけで、僕は色々な面でバンドのライブもお笑いのスタンダードに近づけてみても良いんじゃないかと思います。

受付で、各バンドのアー写と軽い説明が載ったペラ1のパンフレットとアンケート用紙を配る。
裏面にはライブハウスのルールやドリンクの注文方法が載っている。

開演5分前にはMCが会場の注意事項やドリンクの頼み方を説明する。
開演したらMCが今日の出演バンドを紹介して会場をあたためる。

各バンドの転換時間(15分)にはMCが次のバンドの紹介をする。または物販の案内、ドリンクの案内、フリートークで場をつなぐ。

終演後は、バンドメンバー全員(または各バンドの代表)がステージに上がり、MCと一緒にトークをする。

こうすれば初めてライブハウスに来るお客さんも安心して楽しめるんじゃないでしょうか。

お客さんを飽きさせない効果

パンフやMCは予備情報の提供以外に、お客さんを飽きさせないという大きな効果があります。

対バンだと転換時間15分は完全にスキマ時間です。
そこにMCが入って「ライブ全体が1つの大きなコンテンツなんですよ~」
っていう風に演出すれば、お客さんにとっての空白時間が減ることになります。

そうすると、さっきの例えで出した
2組目だけを見て帰っちゃうお客さんが減る可能性があります。

エンディングトークもあれば、目当てのバンドがもう1回見られるし。

これってたぶんバンド・ライブハウス・お客さん全員にとって得で、

①バンドは基本的に集客に困っているので、共演バンドのお客さんに自分たちの演奏も見てほしい。
②ライブハウスはお客さんを増やしたい。お客さんを多く連れてこれるバンドが増えてもいいし、ライブハウスやイベント自体へのファンが増えたら最高。
③お客さんはチケット代2000円とか、そこそこの料金を払ってるので、1組30分だけ見るよりは最初から最後まで見たほうがお得。

てなわけで、お客さんを最初から最後まで飽きさせず、その日のイベントに大満足してもらい、
ひいてはバンドやライブハウスのファンになってもらうために、
MC入れませんか?

誰がやるかという問題は大いにありますが。
やっぱりブッカーさんですかね。

それか、僕もMCの経験はあるので声かけて頂ければ全然やります。

天の声「いや結局仕事依頼なんかい!」

でも受付、PA、ドリンクを3人で回しているとすると・・・ライブが始まったらPAさんは抜けられないし受付もお金を管理してるし、ドリンクも注文が・・・ブツブツ・・・
店長が毎回出勤になると残業が・・・ブツブツ・・・


ライブハウスの皆さん、ぜひご検討ください。

いつもきれいにお使い頂きありがとうございます。 素晴らしい音楽を作るための費用に使います。