「曲がったことが大嫌い」と言うことができた時代

調べてみたら1998年ごろのようなんだけど、ネプチューンの原田泰造さんが「曲がったことが大嫌い、はーらーだたいぞーです」と歌っていたことがあった(今なら「曲がっていてもいいじゃない」だろうか)。

いちおう、ギャグということになっているんだけど、ああいうものは、当時の(おそらくは)六本木・麻布界隈でよく聞かれていた言葉なのだと思う。

バブルが崩壊して、株や土地に、身の丈に合わない投資をして大損をこいた人たちを小ばかにするために、自分たちは実業をやっているんだという自負とともに、けっこう多くの(おそらくは主に)中小の企業者(おそらくは主に社長さん)が(おそらくは)宴席で、盛んに言われていたからこそ、それがギャグとして(つまりはマスコミ人が、中小企業の社長さんがやたらとそのことを言うのを小ばかにして)成立していたんだと思う。

そのことはともかくとして、それでもその時代には「曲がったことが大嫌い」と表明する大人がたくさんいたということは(まあ、その中にも、「曲がったこと」をやりたくてもできなかった人が最初は負け惜しみに近かったのにいつの間にか逆転していたケースや、そんなことを言いながら裏では「曲がったこと」をしていたケースもあるんだろうけど)、おそらく間違いではなくて、なんだか、今からすると隔世の感がする。実際に年月は経っているので、隔世の感がして当たり前なんだけど。

少なくとも、誰になにを言われようとも、自分なりの正義に基づいて生きることができ、そのように生きることを自慢できた時代。

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