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メソッドではなく本質へ~「プレゼンテーション講座」を行って~

2019年11月24日に荒田大学において「来場者の印象に残るプレゼンテーションの作りかた講座」を行った。参加者は11名だったか。

内容としては前に挙げたテキストに、私の体験談を交えて話した。

終わって感じたのは、ものすごい疲れ。体は疲れていはいないものの、頭の奥にぐったりとした疲労感。

もちろん、これはけっして悪いものではなく、たとえば、おそろしく頭の良い人と回転のいい話をした後に起きる「頭使ったなあ」という疲労感。この感覚を久しぶりに味わい、つまり、私が、このところぜんぜん頭を使って仕事をしていなかったことに気がついたのだった。

これは、そこにいる人がどんな人で、どんなことを考え、感じているのかがわからない、緊張感のある状況で、「はたして今私は、この人たちの役に立てているだろうか、どうすればもっと喜んでもらうことができるだろうか」ということを考え続ける2時間を久しぶりに経験したからこその疲労感で、その意味で、この講座をやって良かったなあと思ったのだった。成否はともかく。

ところで、テキストを読んでいただいた方はお分かりだと思うのだが、本講座では「誰でもすぐに効果的なプレゼンテーションができるようになります」とは言わない。まったく言わない。「結局のところ真の自己理解と、相手の分析と、時流を踏まえた演出と、様々な要素がかみ合ってはじめて効果的なプレゼンテーションができるかもしれないですよ」という言ってみれば身もふたもない話を、わざわざ2時間もかけて行う。「それでもいつでもホームランが打てるわけではない」ということまでわざわざ。

それはなにも、講座の内容に自信が無いとか、受けてくださった方々がうまくできなかった時の自己保身とか、そういうものでは一切なく、「メソッドではなく本質を考える練習をしていただくこと」が、最終的にはその人の本当の力になるという、私が、伴走型支援者養成講座や、実際の支援の場で行っていることと一貫しているからだ。

つまり、私は講座の場で、まさにプレゼンテーションをしている、その姿を見せ、ともに考えることでしか本質的な理解は得られないであろうということを、伝えることこそが、プレゼンテーションの講座として理想的なものと考えているということだと思う。

今回の講座開催を通して、これまでとは違った角度で、プレゼンテーションの本質のようなものを考えることができた(もちろんこれからも考えていく)。このような機会をくださった荒田大学、そして受講生のみなさまには本当に感謝している。

また、このような講座を開きたいと思う。誰よりも自分のために。しばらくはいいけど。

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