見出し画像

TAーNIングポイント?

大変ご無沙汰です。TANIです。今回は9/16〜9/18実施の自然環境リテラシー学実習 第3回尾鷲回についてお話ししたいと思います。

!自然環境リテラシーについて!

1日目〜急転直下的矢湾へ〜

 最初に伝えておくことがあります。今回は尾鷲の自然を3泊4日で満喫する予定でしたが、急遽変更になり実際には鳥羽の的矢湾で実施されました。なぜ実施場所が変更になったのかというと、台風14号(NANMADOL・ナンマドル(ミクロネシア連邦🇫🇲の遺跡が名前の由来らしいです。ムー大陸、竜宮城、鎮西八郎など様々な伝説があるみたいです。ロマンやねぇ))が太平洋南方で発生し、天候、海況共に荒れる見込みが強かったからです。さらに、配られた予定表を見ても2日目以降は適宜判断とのこと。予報を確認しても波風がどんどん強くなり、雨も降る…本当にカヤックが漕げるのか?沈せずに、無事に帰って来れるのか?そもそも的矢湾ってどこ?どう行けばいいの?尾鷲については下宿先でもある祖母が子供の頃住んでいて、今も縁があるためある程度予習をしていましたが、的矢湾については湾奥に志摩スペイン村があるという情報と、今回拠点にする浅利ヶ浜海浜公園が西向きで東風を避けることが出来るのかなぁといった印象しか持たないまま電車に乗り込み、バスに40分程度揺られて到着しました。

 いざたどり着いてみると、天気は快晴、風は浜にいる分には心地よく、見渡す限りは波も穏やかと、とても台風が来るとは思えない好コンディション!

今日もいい天気☆

 しかし、ミーティングでは改めて台風接近で天候・海況が悪化していくことが伝えられ、早期撤収の可能性が高いことを通達されます。つまり漕げるうちに漕ぐ、ということで(ここまで毎回そんな感じかも)昼食を手短に済ませて、準備をテキパキとこなして、カヤックに乗り込み出艇します。皆さんにとっては余談になるかもしれませんが、今回は山・川・海の3つのコースのメンバーがシャッフルされており、学生スタッフの方を含めて初顔合わせのメンバーでの実施となりました。僕の印象としては実習以外の話題でも盛り上がれるメンバーがいるなという感じで、昼食の時間ですぐに打ち解けることが出来ました。さて、雑談はこれぐらいにして、台風前日の海に漕ぎ出して行きたいと思います。

 海で実際にカヤックを漕いでみてもやっぱり台風前日とは思えない穏やかな海…と思っていつつ、湾口が見える場所まで漕ぎ出して行くと、まず、遠くの岸で波が砕けているのが見えました。そしてさらに漕ぎ進めると、白波が立っている外海の様子や湾内に入ってきたうねりを感じることが出来ました。うねりは波の進む方向に押されると言うよりも上下に揺さぶられる印象で、じっとしてると酔ってきそう!そう、私は乗り物酔いなのです!本当に酔わないか心配しながらうねりを味わっていました。

 そこからは引き返して無人浜で小休止をとりました。なぜかビーチボールを積み込んできていた人がいて、それを膨らませて水中バレーボールが開催されました。

水の抵抗で悪戦苦闘

 休憩を終えると次は入江の奥に向かって進み、川の河口に辿り着きました。河口とはいうものの、岸には森が迫っていてなんだか不思議な感じ。川に入っていく手前のところで柴田さんから中洲に生えている木について話を聞くことができました。木の名前はハマボウという塩生植物で、マングローブではないものの、マングローブに近い生態をしていることから半マングローブと言われているそうです。

柴田さんについて


 さて、そろそろ日も傾いてので浅利ヶ浜へ引き返します。引き返す時は入ってくるうねりを背に受けて漕いでいたのですが、波が来るタイミングで漕いでスピードが波と合うと、波に乗るといいますか、凄い推進力を感じることができました。

TAーNIングポイント!

 浅利ヶ浜までの帰り道のカヤックはTANIにとってターニングポイントだったと言えるかもしれません。(タイトル回収だ!)それというのもカヤックを漕ぐコツのようなものを何か自分で掴んだような気がするからです。そのコツというのを自分なりの言葉で表現してみますとズバリ、「リズムに乗って漕ぐこと」です。今までのTANIはしっかり水を押し除けるイメージを持ちながら漕いでいました。確かに、カヤックはパドルで水を押し除けることで前に進みます。しかし、それを意識し過ぎてしまったことで力んでしまい、腕が疲れて持続して漕ぐことが出来ていませんでした。そこで、リズムに乗せて漕ぐことで心身共に丁度良く脱力できて漕ぎ続けることができるようになったと勝手に考察しています。確かに、手漕ぎ船では船頭に合わせて歌を歌う様子があったり、TANIが体験した中だと遠泳ではみんなで掛け声をかけながら泳ぎました。なるほど、伝統的なことだと思っていたアレにはそういうメリットがあったワケですね。

コツは「リズムで漕ぐ」こと

 ともあれ、鼻歌交じりで漕ぎ続けた結果、最前列で浜に帰ってくることができました。前回の鳥羽ではトップスピードが上がったのに対して今回はスピードを持続することができるようになりました。これで遅れずに余裕をもって漕げるようになれば視野が広がって新たな発見が増えることが期待できるかもしれません。
 余談になりますが、リズムをとるときに使った鼻歌は天理高校野球部のチャンステーマ「ワッショイ」でした。夏の高校野球の中継でメロディーが印象に残っていました。テンポが変えやすく、ペースアップに対応できる曲だったのが良かったのかもしれません(笑)

 さて、カヤックを陸に引き揚げてからはいつものようにテントを張って夕食の準備をしますが、今回は台風が近づいて来てきます。風に飛ばされないような備えが必要です。みんなで石を拾って土嚢につめて重しを作ります。タープ用、テント用、何個拾ったか、何袋つめたか分らねぇ…大学生が一生懸命に石を集める姿はまさに賽の河原…
ただ、夕陽が沈む海岸にテントが並ぶ景色はなかなか趣がありました。台風接近にも関わらず、西日が映える奇跡の一枚。

夕暮れに佇むテント

 最後は暗がりでの作業でしたがテントを立て終えて夕食を食べますが普段は1食ずつ配布される食料が全て配布されて今後の活動が天候次第であることを改めて実感。2人で分割する食材があったので2人で一緒に夕食を食べました。運良くプロ野球を見ている人だったのでお互いの贔屓球団の話や、本来行く予定だった尾鷲出身の阪神タイガース・湯浅京己投手の話題で会話に花が咲きました。

 食事がひと段落したら、1分間スピーチで前述のように今までで一番うまく漕げたことを報告しました。ヘッドランプだけでは灯が物足りないと思ってダイソーで買い足したランタンがバトン代わりになりました(笑)

ランタン・リレー・トーク

 その後は、柴田さんから海の安全についてのお話を体験談を交えて聞かせていただくことができました。台風が沖縄付近と遠くにあってもうねりが本州まで届くことや、柴田さんが主戦場としていた「カヤックの本場」はカナダやノルウェーといった水温の低い北の海なので、1回の沈が命取りになりうること、実際にツアー客を連れて消息不明になってしまった人がいることなどの話や、知識を集めるだけではなく、実際に場数を踏むことで的確な判断をすることができるようになるといった話が個人的には印象に残りました。

 さて、夜も深まってきましたがここまできてようやく明日の中止がほぼ決まったようで、的矢の夜を堪能しましょうとの指令が、3日分の食料を贅沢に料理する人や、高校の話題で盛り上がる人、柴田さんと相撲を取る人…あっ、柴田さんは相撲めちゃくちゃ強いです、見てる限り負けてなかったです。僕はというと、海岸にあったシャワーを浴びてしまったので相撲には参加できず秘密兵器として持ち込んだスポーツドリンクが日光で温まり全然喉が潤わないどころかベタベタになって逆に喉が渇いてしまったこともあり水分補給のため連れ立って自販機へ。帰ってきたら別の友人に置いてかれたと言われたので感謝のもう1往復。戻ってきたら今度は雨が降り始めたので逃げ込むようにテントへ。的矢の夜を満喫してないじゃないかと突っ込まれそうですが、意外と2日目もやれる方に賭けていました。もし奇跡的に2日目があった時に寝不足、疲労困憊で迷惑をかける訳にはいかない。そんな気持ちだったと記憶しています。ポジティブだけど安全を考慮して動けている、凄くない?凄く無い?

2日目〜撤収、ナンマドル襲来へ〜

 朝起きてテントを開けて外を見渡すと、天気こそ持ち堪えていましたが風が吹き、浅利ヶ浜は穏やかだったものの、向こう岸の海岸は白波が立っている状況。鳥羽回のように「沿岸を騙し騙し」があるのか、自分ではまだ判断できなかったものの、起床時間に中止が発表されました。それからは雨が降り出す前にテントとタープを畳んでから朝食をとり解散。丁度解散して帰りのバスを待っている間に雨が本降りになってきて改めて中止で良かったとホッとしました。濡れながら漕ぐのは辛い…

騙し騙しの鳥羽回はコチラ

まとめ

 さて、まとめに入っていきたいと思います。今回は本来、尾鷲を2泊3日でツーリングするという形でしたが、台風の接近により、鳥羽の的矢湾で1泊2日での実施となり、カヤックを漕ぐことができたのは1日目だけという不完全燃焼なものでした。しかし、今までが「技術を学ぶ」実習であったのに対して、今回は「学んだことを活かす」要素が大きく、その分他人との交流に力を入れることが出来たのかなと思います。他愛も無い話でも野外で料理をしながら、星空の下ですれば、楽しい。これが、自然の中で皆んなと過ごす魅力なのか?アウトドア活動を通じた人間関係、の特別さ、面白さが少し分かった、かも。自分にとって自然環境リテラシー学が授業以上のものになりつつある、そんなターニングポイントの2日になった気がします。実際に被害に遭われた方がいるので不謹慎かもしれませんが、台風が与えてくれた9月16日の夜空に感謝を
 以上で今回の報告を終わりたいと思います。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

 最後になりますが、シーズンオフにも関わらず、我々のためにシャワーを利用できるようにしていただくなど、快適な実施環境を準備していただいた、鳥羽市の浅利ヶ浜海浜公園の管理に携わられている方々に感謝の意を伝えたいと思います。たとえ台風が来ても変わらずに美しい海、素晴らしい環境を用意して頂きありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?