船に乗り遅れるよ!

高校を卒業した年の12月、念願の地球一周の船旅に乗ることが出来た。

私が乗ったのは、第36回のピースボートで、

2022年現在は、第113回とかだった!

時の流れを感じる〜!

ピースボートに乗船するにあたり、

予防接種や、オプショナルツアーの手続きとか、

乗船前に必要な準備や手続きは、

ピースボートスタッフの方から、案内があるので、

ベルトコンベアー式というか、流れに沿って準備をしていれば大丈夫。

そう、乗船前の手続きに関しては・・・大丈夫。

当時、私は大阪に在住、船は神戸の港から出港予定だった。

出港時間は確か、夕方の17:00とかだった。

お父さんと、

当時の彼氏が見送りしてくれる予定だったので、

当日、午前中にはパッキングも終えて、

お昼頃、ゆったりと3人で電車で向かった。

「神戸といえば中華街があるし、出港まで時間もあるし、
 中華街でご飯でも食べてから、行こう!」

確か、言い出したのは私。

3ヶ月の船旅で、しばしのお別れだし、

中華街で食べ歩きとか楽しそう、いいねいいねと。

「出港は17:00だから、16:30位に着けば充分だよね。」

と言いながら、のんびりゆったり、神戸の中華街で

豚まんとか、ごま団子とか、堪能した。

「もう旅が始まってるみたいで、楽しい〜♪」

なんて、南京中華街を楽しんで、

予定通り、16:30頃に神戸港へ到着。

3ヶ月の船旅、荷物はスーツケース1個と、段ボール1箱程を持参していた。

記憶では、段ボールにはラジカセを入れていた。

3ヶ月の船旅に、音楽は欠かせないでしょう!なんて考えたのかなぁ。

20年後の今となっては謎に大きい荷物。

到着した神戸港は、何故か人の気配が少ないのです・・

「あれ?乗船する人でもっと混雑してると思ってたけど、なんで?」

なんて思いながらも、出港は確かにここで合ってるはず・・

と、案内を見直したりしていると、見送りに来ていた、

友達を発見!

場所を間違えたのかと思って、
不安になってた私はホッとしたのも束の間、

友達:「タニ子(私)!やっと来たん!?もう船、出発するで!!」

の一言で、するすると青ざめる。。

私:「え!なんで、、出港17:00じゃないの!?」

友達:「そうやで!でも参加者の乗船時間は2時間前までよ!
    とっくに乗船締切ってるよ!今来たん!?」

私:「え、、2時間前、、」

2時間前と言えば、15:00、
私は呑気に、中華街で豚まん食べてた頃。

私がボーゼンとしていると、

私を見つけたスタッフさんが、走って来てくれた。

スタッフ:「乗船予定の方ですか?もう乗船は締め切っているので、
      ここからは乗れません。最初の寄港地のシンガポールから、
      合流してください。」

私、ボーゼンから、現実味を帯びた、言葉をかけられ、
更に青ざめる。

「今日、もう乗れないの、、?
 シンガポール、、
 そこまでの飛行機代がいる、、」

そんなことが、頭の中でぐるぐるしながら、

大きなスーツケースと、段ボールと、

お父さんと、彼氏と、立ち尽くす。

あと、友達も、かける言葉がなさそうで、同情と、
「あほやな・・」が入り混じった表情で、一緒に立ち尽くす。

出港する船は確かにそこに見える。

でも、船へのタラップは、もう片付けられている。

ガーン!!マジか!!

私:「なんとかなりませんか!?」

乗りたい一心で、スタッフさんに掛け合って、

スタッフさんも、アホな19歳に同情してくれたのか、

こういう参加者はやはり、たまに出現するのに慣れているのか、

スタッフ:「ダメ元だけど、聞いて見ますね。」

と、無線で船内のスタッフさんに確認を取ってくれた。

手に汗握り、待つこと数分、、ついでに涙を流しながら(笑)。

スタッフ:「タラップをもう一度下げてもらいますから、
      急いで乗船口に来てください!」

私:「ありがとうございます〜涙!!」

スーツケースを持って、全力で走る。

段ボールは彼氏が持ってくれて、全力で走る。

お父さんは、見送りの友達と共に、その場でバイバイ。

なんとバタバタなラスト。

あんなに中華街でのんびりしたのに!

再び降ろしてくれた、タラップを無事渡り、
何とか船に乗ることが出来た。
ありがとうございます、、、スタッフ様。

出港間近で、船のデッキは、参加者でいっぱいで、
紙テープも港へ向けて、沢山投げられているところだった。

涙と汗でグシャグシャになりながら、
大荷物を抱えて乗船してきた私も、
そこへ加わった。

こういう、旅の始まりになるとはね。
今でも、苦い思い出です。


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