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How To Cook A Husband(夫を料理する方法)【ステラおばさんのクッキー(アントステラ)の包装に書いてあることとは?】

ステラおばさんのクッキー、Twitterのフォロワーが激推ししてたので初めて買ってみた。田舎民だからハリセンボン近藤春菜さんのネタでしか見たことなかったし、馴染みが無さ過ぎてクレアおばさんとの違いがあまりよく分かっていない。
めっちゃ美味し~~~。色々買ってきたけど結局シンプルなチョコチップがおすすめです。十数枚買ってきたけど一瞬で食べてしまったので写真はありませんが…。
フォロワー曰く、お土産用に個包装されているものより量り売りされてるものの方が美味しいらしい(その分だけ期限は短いので注意)。

何気なく新聞風の包装を眺めていたら、『How To Cook A Husband(夫の料理法)』とかいう見出しが目に飛び込んできて、すわカニバリズムか?とビックリしてしまったが、読んでみるとどうやらそうではなさそうだったので書き出してご紹介。
比喩表現を多用している上におそらく古い英語が多いため、妙訳や良い解釈があればご教示ください。。。

『How To Cook A Husband』 夫を料理する方法

A good many husbands are utterly spoiled by mismanagement. 
世の中には、間違った扱い方によって台無しにされている夫が多い。
Some women keep them constantly in hot water; others let them freeze by their carelessness and in-difference. 
彼らを常に熱湯の中に入れ続けてしまう女性もいれば、不注意と無関心によって彼らを凍らせてしまう女性もいます。
Some keep them in a stew by irritating ways and words.
イライラするような言動で夫たちをシチューで煮込んだままにする女性もいます。

stewは日本でもお馴染み、シチューのことです。動詞として使うと「トロトロに煮込む」なんていう意味もありますが、in a stewで「クヨクヨする」という意味があって、She's stewing about her son.(彼女は息子のことで思い悩んでいる)なんていう使い方もします。日本語でも、考えに対して「煮詰まる」という慣用句を使いますが、それとほぼ同じですね。
ここでは食べ物を使った慣用句を用いながら、「妻が苛立っていると、夫もそれについて思い悩んじゃう(から止めなさい)よ」と説いているわけですね。
このように、夫のことを食材に例えてその扱い方を教えてくれるレシピが続いていきます。

Others roast them; some keep them in a pickle all their lives. また夫たちを直火焼きにする女性もいれば、夫たちを生涯ずっと漬物にしておく女性もいます。
It cannot be supposed that any husband will be tender and good managed in this way, but they are really delicious when properly treated.
こんな方法ではどんな夫も優しくしっかり者になるとは思えませんが、正しく取り扱えば彼らは本当に美味しくなるのです。
In selecting your husband you should not be guided by the silvery appearance, as buying mackerel, nor by the golden tint, as if you wanted salmon. あなたの夫を選ぶときには、鯖を買うときのように銀色に輝いていたり、鮭を買うときのように金色に輝いていたりするのを参考にすべきではありません。

何故か急に夫の扱い方ではなく、それ以前の選び方の話になった。おそらくだが、「金銀煌めく装飾品をたくさん身に着けた男に騙されるな」という意味の例え話をしている?

Be sure and select him yourself, as tastes differ. 好みは誰しも違うものなので、必ず自分自身で彼を選ぶことを肝に銘じなさい。
Don't go to the market for him, as the best are always brought to your door.
彼のために市場まで出掛けるのは止めなさい。一番良いのは、いつもあなたの家の前まで持ってきてくれることです。

これよく分かんない。食材(=男)が宅配されてくる例え話をしてるので、たぶん「いつも家まで迎えに来てくれる優しい男を選びなさいね」ってこと?

It is far better to have none unless you know how to cook him. 彼を調理する方法を知らないうちは、誰も手にしない方が遥かに良い。
A preserving kettle of finest porcelain is best, but if you have nothing but an earthenware pipkin, it will do, with care.
最高級の磁器製の保存瓶があればベストですが、もし土製の小瓶しか持っていない場合は、注意しながらであればそれでもいいでしょう。

ここもよく分からず。夫を入れるための容器について話しているので、比喩的に自宅やその建築のことかな?とも思ったけど、磁器でできた家なんかあまり想像つかないので…。きめ細やかさについての話?

See that the linen in which you wrap him is nicely washed and mended, with the required number of buttons and strings nicely sewed on. 彼を包む麻布はしっかりと洗い、必要な数のボタンと糸をよく縫い付けて繕っておきなさい。
Tie him in the kettle by a strong silk cord called comfort, as the one called duty is apt to be weak and they are apt to fly out of the kettle and be burned and crusty on the edges, since like crads and lobsters, you have to cook them alive.
彼のことはカニやロブスターのように生きたまま調理しなければならず、釜から飛び出して焼けてしまったり端の方が硬くなってしまったりしがちなので、「義務」と呼ばれる弱くなりがちな糸よりも、「快適さ」と呼ばれる強い絹糸で縛り付けておきなさい。

crustyは食べ物に対して「表面(皮)が硬い」という形容詞にもなりますが、比喩的に人間に対して「気難しい、無愛想な」という意味でも使われるので、ここでも調理法にかけて夫の扱い方について説いています。
ここを見ても、kettle(やかん、釜)は夫を収めておくものとして描かれているので、たぶん何か比喩的に家とかそれに類するものなんだろうなと思って別の意味があるかどうか探したけれど見つからず。日本語でも「箱入り娘」と言ったりするけれど、似たような言葉が英語圏でもあるんだろうか。
原文ママで書いたが、lobstersと併記されていることからもたぶんcradsではなくcrabs(カニ)では?と考えて訳してます。原文が書き間違えているのか、包装に書く際に誤植したのかは分からないけれども。

Make a clear, steady file out of love, neatness and cheerfulness. 愛情、端正さ、快活さから抜け出した、透明でしっかりとしたファイルを作りなさい。
Set him as near this as seems to agree with him.
そして彼が納得するまでこの近くに置いておきなさい。
If he sputters and fizzles, do not be anxious; some husbands do this till they are quite done.
もし彼が燻ぶったり、空気が抜けたようになってしまったりしても、心配することはありません。完全にやり遂げるまで、そういう風になってしまう夫もいます。

急に出て来た「file」、何??? 出てくる名詞や形容詞もあまり見ないものが多くて難しい。たぶんだけど、夫の仕事場はちゃんと分けてあげて理解を示してあげなね、という話をしている?

Add a little sugar in the form of what confectioners call kisses, but no vinegar or pepper on any account; a liitle spi- ????? them, but it must b- ????? judgement. Do no- ????? sharp instruments see if he is becom- ????? Stir him gently; ????? while, lest he lie t- ????? too close to the ke- ????? become useless. Y- ????? fail to know when ????? If thus treated yo- ????? him very digestibl- ????? nicely with you ar- ????? dren, and he will k- ????? as you want, u- ????? become careless an- ????? too cold a place. Quoted from the ????? Cook Book" pu- ????? 1910 by the Hom- ????? Society of the ????? Church, Lancaste- ????? the kind permissi- ????? Reverend Vernon C- ????? PENNA. DUTCH ????? PRINTS - COPYR- ????? JACOB AND JAN- ?????

この辺から締めの言葉があって文章は終わっているはずだけど、包装の印字が途切れてしまっていて全貌が分からず。
見える単語だけで類推すると、今度は調味料を加える例え話をしながら「飴と鞭を使い分けて、夫を孤立させることなく上手にやっていきましょうね」という言葉で結んでいるらしい。
また引用元は1910年のようなので、100年以上も前から受け継がれている文章なんですね。

以上になります。

「ステラおばさん」ことAunt Stellaは、株式会社アントステラの創業者であるJoseph Lee Dunkleの大叔母にあたる人物で、アメリカ・ペンシルバニア州で幼稚園の先生をしていたそうです。

彼女の人柄は「Warm Heart Communication」という企業理念として現在の会社経営にも受け継がれています。
上記の『How To Cook A Husband』も、彼女が子供たちによく話していた文章だと思うと納得できますし、そんなステラおばさんの人柄について考えながら食べるチョコチップクッキーもまた面白いかもしれないですね。

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