あの、大きな、丸い虹!

インスタグラムはあまり使っていないけど、自然写真のアカウントで素敵なのがいっぱいあるのでフォローしてる。今朝は丸い大きな虹の写真を見た。

高校時代の懐かしい人の夢を見て目覚めたせいか、ちょっと朝がた気持ちがやや過去にひっぱられてふわふわしてて。もう、20年近く前に亡くなった伯父の、葬儀のことを思い出した。

母の兄であるその伯父は60代後半で亡くなった。大手建設会社の副社長にまでなった人だったけど最後の最後で政争に敗れたときいている。そのストレスが相当あったのか、膵臓がんが発覚して3ヶ月で亡くなってしまった。

その伯父の葬式で、伯父の若いころからの親友だったという男性が、弔辞を読んだ。内容はほとんど覚えていないけど。伯父に語りかけるようにその男性が、若き日に二人で、登山をして、頂上で、虹を見たよな、と話した。

一呼吸置いて「ああ、あの、大きな、丸い虹!」と、まるでそこに虹があるかのようにいった。

長男だった伯父を、すぐ下の妹だった私の母は大好きで、いつもついてまわって。お兄ちゃんが教えてくれる本や音楽を何でも吸収したといってた。私にとってもいつもカッコいいおじさんで。その妻や子どもたちにとっても大事な夫であり、父だった伯父の。

その伯父に、家族の誰も知らない、人生の瞬間がいくつもあったんだなということを、その親友の方の弔辞で、鮮烈に、気がつかされた。若き日の伯父が、親友と二人で見た、大きな丸い虹!

今はコロナもあって、周囲の人の多くが、故人の遺志もあって、小さな家族葬で済ませる例が多いよう。うちの父母もそう言っている。でも、葬儀って残されたものたちのためのものでもあるから。やっぱり少し、残念な気もする。

その親友の方の弔辞で、みんな大泣きしてしまった。素敵な弔辞だったねと帰り道母にいったら、娘時代の母は、兄の親友だったその人にちょっぴり憧れていて、デートしたこともあったんだよと言ってた!

その恋が成就してたら、今ここに私はいないんだなと思うと、それもまたなんだか不思議な気持ち。

大きな丸い虹! わたしもいつか見てみたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?