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破壊的イノベーション 人がモノを買うメカニズム

こんにちは。株式会社NTTデータのデザイナー集団「Tangity」の眞下です。

私は以前プロダクトを検証していた時、期待したユーザーフィードバックが得られず悶々としたことがあったのですが。その時に出会った思考法についてご紹介しようと思います。

皆さまはジョブ理論をご存知でしょうか?理論とあるので、難しそう、とか、なにそれ美味しいの?って感じですが、実はかなり実用的かつデザインと親和性が高い「思考法」ですので今回はそのジョブ理論をご紹介したいと思います。

ジョブ理論は、ハーバード・ビジネス・スクール教授 クレイトン・M・クリステンセンさんが提唱するイノベーションを予測可能にする消費のメカニズムです。

ジョブとは

ジョブとは、Jobs to be done で、日本語に訳すと 「片付けたい用事」 「済ませたい仕事」 です。ジョブをそのまま用事と訳すとニュアンスが少し異なるので、ここではジョブという言葉を使います。

ジョブ理論の考え方は、顧客はジョブを解決するために商品やサービスを 「雇う」 と表現します。

ジョブの具体的なイメージを理解するために、1つ象徴的な例をご紹介しましょう。

皆さんは、オフィスからの帰宅中にコンビニに立ち寄ることはありますか?私はつい光に引き寄せられてしまうのですが笑、つい最近もコンビニに引き寄せられてプレモルとハーゲンダッツを購入しました。ではなぜその2つを選んでしまうのかジョブ理論で紐解いていきます。

なぜプレモルとハーゲンダッツは雇用されたのか

そもそもなぜ私はコンビニに吸い寄せられてしまうのか?これは私が虫のように光が好きなわけではなく、ジョブを片付けに行くからです。

では私のジョブは何だったのでしょうか。

その日、私はクライアントとのハードなミーティングに疲れていました。翌日も朝から仕事で、ちょっとした癒しが欲しかったのです。なので私はアルコールを飲んで癒されよう。そう思ってコンビニに立ち寄りました。その時、つい手にとってしまったのがプレモルとハーゲンダッツです。なぜそれらを手にとってしまったのか?

それはジョブ、つまり「片付けたい用事」に着目すると明らかです。

この時の私の「片付けたい用事」は、仕事で高まっている緊張を取り除きたい、でした。なので、ちょっと高級なビールとアイスクリームをつい手に取って(雇用して)、ちょっと贅沢な商品な気持ちになることで、頑張った自分を癒して、明日に向けてリセットすることを願ったのです。

これは一見すると普通ですが、実は非常に驚くべき発見で、プレミアムビールの競合・市場機会がビール以外にあるということです。アイスクリーム以外にも、アロマキャンドル、ホットアイマスクも同様です。

この示唆は統計情報を分析しても出てこないモノです。ちなみに、統計的に見ると、仮に夏の暑い日だったとすると、きっと暑い日にはビールとアイスが売れるという相関が出るでしょう。ただ、私の体験に限って言えば、暑いからではなく癒しが欲しかったからこの2つを買ったのです。

どうでしょうか?これがジョブ理論の凄さです。数値だけでは判断できない本当に顧客が欲しいものをとらえることができる。そして、それこそ破壊的イノベーションを起こす源泉ではないかと思います。

ちょっと思考を変えるだけでも効果があるので試してみてはいかがでしょうか。

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