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能登から認知症の父がやってきた(19)

水が出た!
うちの町も水が出た!

地震から2ヶ月。やっと水が出たので、家の配管を確認しにひとり実家に帰った。今年に入って北陸新幹線に3度も乗るはめになった。ANAは「能登復旧支援割」なるものがあるのだが、新幹線はない。JREポイントがたまるたまる。

「ひとりで色々と大変だね」と同僚。「久しぶりにひとりになれて開放〜」と私。「何か手伝えることがあれば言ってね」「じゃあ、父ちゃんのうんちを拭いて」と、言えるわけがない。地震になってたくさんの人から「大丈夫?」と心配してもらったが、「何か手伝えることがあれば言ってね」と、ありがたいお言葉ももらったのだが、何も頼めない。やることは山ほどあったが、頼めることがないのである。

災害ゴミは3月末までなので、軽トラをレンタルし、違うけど「赤いトラクタ〜それがおまえ〜だぜ〜」よろしく海沿いを走り実家に到着。近所の方が閉めてくれていた水道の元栓を開け、漏水確認の蓋を開ける。「あちゃ〜(泣)」パイロット(漏れていると回るらしい)が激しく回っている!
やはり40年以上経った家だし、だめか。。。とりあえず、どこが漏れているか確かめよう。外の水道、キッチンの水、「おお!出る出る」と!洗面所の水が勢い良く出ていた。「誰だ?開けっぱなしにしたのは!」漏水ではなく洗面所の水が出ていただけであった。ほっ、よかった〜。トイレも無事だだし。屋根はブルーシートだが、雨漏りもしていない、無事住めそうだ。

翌日は正月からぶら下がっていたと思われる、お飾りを納めに近所の神社に行った。古い神社だが、周りの石の柵は壊れていたが、石の鳥居も倒れることなく、中までは見れなかったが、本堂も大きな被害はなさそうだった。誰もいない神社でお参りをして、おみくじを引いて、2ヶ月遅れの初詣をすませた。雪は降っていなかったが、朝晩は底冷えの寒さだ。

能登の春はまだ遠い。

ちゃんと咲くんだね


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