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能登から認知症の父がやってきた(22)

実家で無事住めることを確認して、ご褒美に金沢でまいもんをたっぷり食べ、英気を養って東京に戻ったとたん、父の便の介助が待っていた。便秘気味だったくせに、なにも帰ったその日にしなくてもいいのに。介護は待ったなしだ。シャワーでお尻を洗い、おむつをはかせて寝かせると、どっと疲れが出た。

もう能登に帰ってもいいのだが、母が東京で鼠径ヘルニアの手術をすることになったので、1ヶ月くらい延ばすことになった。以前から症状があったのだが、能登の病院では血糖値を下げなければ手術できないとずっと言われていたらしい。鼠径ヘルニアは手術するしか治せない。何ヶ月も放置していたら取り返しがつかなくなる。そんなことあるのか?実際に立ち会ったわけではないので、なんとも言えないが、予後も大事なので、何度言っても血糖コントロールできない母に医者も愛想をつかしたのかもしれない。

ともあれ、痛みが増していたのか、最初は病院に行きたがらなかった母もすんなり東京で手術することに同意した。血糖値の教育入院も兼ねて、手術前後1週間、計2週間ほどの入院になる。さて、父をどうしようか。デイサービスの日はともかく、家に居ると目が離せない。さすがに仕事にならないし、自分の体の不調は後回しにしていたので、病院にも行きたい。「空いていたら、ショートステイに入れていい?」迷わず母に伝えた。
運良く空いていたのか、うちの地域は施設が多いのか分からないが、急なお願いにもかかわらず、ショートステイに入れることになった。本当にありがたい。退院した後も母が無理をしないよう、はじめて長期のショートステイを使ってみることにした。父ちゃん、大丈夫かな?





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