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映画「美しい彼〜eternal〜」もやはり美しかった。

ようやく映画「美しい彼〜eternal〜」を見てきたので、簡潔に(あくまで自分基準)感想を綴りたい。

ちなみに、ドラマシーズン2で急に沼落ちし、勢いで初めて書いたnoteがこちら⬇️
(初投稿なのに予想以上のビュー数で驚愕&感謝)



またまた長くなってしまいそうなので、今回は3つのポイントに絞る。
全体に纏わる所感は、ドラマとほぼ同じということで。

①ドラマの延長線上でありながら、ドラマに比べかなり強い幻想感 


当然だが、ストーリーや構成に関しては、ドラマの延長線上にあるといえる。
まさにリバイバルであり、清居と平良が織り成す美しい世界へ、ただいま!と言いたい気分だった。
しかし、ドラマとは一線を画すくらい、差異をもたらす要素もあった気がする。
その一つは、幻想的な世界観がより濃く描かれていることだ。
そもそも映画というものは、ドラマに比べて重厚感が増すというか、作品としての魅せ方が少し異なるものだ。

私、今何を見ているのだろう…?と、空想の世界に吸い込まれそうな、没入感のあるシーンが多くあった。

・オーガンジーに包まれる清居と平良
・桜の花びらや色鮮やかな紙吹雪の中を駆け回る清居と平良
・水に打たれながら狂ったようにカメラに向かって笑うアンナ

特にこれらのシーンが、幻想的過ぎて、魅了された。
もちろんドラマでも幻想的なシーンは多かったが、映画館の閉鎖空間という特性も相まってか、その吸引力がより一層強かった。

幻想感が強くなったとも言えるし、「美しさ」の種類が少し変わったとも言えるだろう。

ドラマも映画も共通して「美しい」というコンセプトを確立させているけれども、ドラマでは「儚さと紙一重な美しさ」であったのに対し、映画では「永遠に続く、強い美しさ」というイメージが描かれていた気がする。
まさに、eternalですね。

そして、ドラマとはかなり異なると思った要素として、主人公の清居と平良以外にもかなりフォーカスされているのが印象的だった。
この要素については次のポイントへ。


②清居と平良だけで世界を完結させるのではなく…


ドラマでは、とにかくこの世界は清居と平良2人だけで出来上がっているのではないか…と思わせるような描き方だったけれども、映画では、想像以上に2人以外の人物たちにもスポットライトが当てられており、100分という限られた時間の中でもシーンの配分が偏っていなかった。

途中、「いやいや、もっと2人のシーンを見たい人も多いのでは…?」と心の中でツッコんでしまった。
(同時に、鑑賞中にこんな事を思ってしまう自分に少し失望した。)

ただ、見終わった後に振り返ってみると、無駄なシーンなんて一つも無かったように感じる。

特に、安奈の恋愛事情。
本作品を通して重要な部分を占めていたと思う。
なにより、清居と平良が、今度は誰かの恋を応援する立場に回っているという構図が、彼らの関係が成長したことを暗示しているようで、感激してしまった。


「普通」の価値観に囚われる、男同士の恋愛

世間からのイメージに囚われる、芸能人同士の恋愛

その愛を認めない人が一定数いて、ぶつかる障壁は並大抵ではなくて…という点では、平良-清居の恋愛と、安奈-桐谷君の恋愛には共通するものがある。

平良と清居は長い時間をかけて必死に恋を実らせてきたからこそ、今度は、誰かの恋を終わらせないよう奮闘する。
平良と清居の生半可なものではない恋が、確実に周りに影響を与えていることを強く実感した。

ドラマでは、誰も立ち入ることのできない、神聖な「2人だけの世界」が完成されている、といった印象。

しかし映画では、2人の関係はとりわけ異質なものではなくて、周りの人間にとってはあくまで世界の一部分として見えており、自然に溶け込んでいたように感じる。
俯瞰的に見ると、2人の関係が、いわゆる普通の恋人同士の関係として当たり前に存在しているかのよう。
しかし、それによって特別感が失われる訳でもなければ、その普遍さが、2人だけで過ごす時間をより一層輝かしいものにしている、というか。
(うまく説明できない…。相応しい語彙が見つからない…。)

つまり、2人の恋愛関係は、2人が良ければそれで良しから、周りの人にも良いとされるものに変わっていったよね、ってことです(雑)

ややこしくなりそうなので、次のポイントへ!


③ただのキュンだけではない、ヒューマンストーリー

この作品を見終わると、恍惚状態になるのは勿論のこと、なぜだか爽快感を味わえる。

この作品には、中途半端に生きている人間がいない。
ただ恋に溺れるだけでなく、自分の夢を持って、芯が強くて。
清居も平良もキャリアを積んでいく過程の途中にいることは確かで。
だからこそ、尊敬し合い、真っ直ぐぶつかることができる。

個人的に、平良の生き様が凄く好きだ。
心の中に自分にとっての星があって、何度も何度もその星を追いかけて、自分に絶望しながらも自分の夢も追いかけて。

そして何より、ブレない人だ。
自己肯定感こそ低いのかもしれないけれど、軸は確立している。

あぁ、こんな風に人生生きたいな。
なんてことを、ふと思わせてくる。

まるで熱血青春映画を見たかのような、爽快な気持ちにさせられる。
とても壮大なものを見せてもらったと思える。

総じて言うと、生きていく活力をもらえた。
それは「素晴らしく尊いものを見せていただき、ありがとうございます!明日からも生きていけます!」という訳ではない。
純粋に、人を想うことや自分の人生を形作っていくことの素晴らしさを教え導いてもらったことに対しての感謝から生まれる気持ちだ。

ただのボーイズラブに留まらない。
もっと大きなスケールで、純愛と人生について考えたくなる。
そんな作品だと思う。



【まとめ】同じ世界で…


改めて、ただひたすらに、
全てが美しかったです。

平良にとっての清居が、キングや神といった超越的な存在から「美しい彼」に降格した、いや、昇格したのでしょうか。
正確には、清居にとっての平良が、同じ世界にやっと昇ってきてくれた、とでも言えば良いのでしょうか。

それは演技にも反映されていたと思う。
萩原利久くんの演技力及び調整が凄い。
八木勇征くんのポテンシャル及び成長が凄い。

シンプルに言うと、映画ではドラマに比べると平良の「キモさ」加減が落ち着いた。
特にドラマseason1において、まだ清居が平良を嫌がっていた段階、いわゆる平良がストーカーであった段階の、平良のキモ過ぎる反応といったら良い意味で衝撃的だった。
目の泳がせ方や、にやつき方、様々なパーツを器用に活かした演技には、度肝を抜かれた。
ドラマの段階では、演技力という点に限っては利久くんの方が圧倒的にインパクトを残していた。
(勇征くんの演技も勿論凄かったのだけれど)

そして、映画では、2人が対等な演技力でぶつかり合っていた。
そう、勇征くんのポテンシャルが全て発揮されていた。
平良にはファンの一人ではなく、唯一の彼氏として自分に接して欲しいのに…という葛藤や、自身の我儘さゆえの感情の起伏を見事に演じ切っていた。

そもそも、映画では、既に平良の手が清居に届いた後の段階を描いているということもあり、平良よりも断然清居の方が苦しんでいる様子が印象的だ。

利久くんは、「彼氏」というポジションを確立させた平良として、「少しキモい」くらいに落ち着いていた。
また、実は隠し持っている俺様な一面を徐々に徐々に小出しにしていく。
その調整力も1つの技術だなと。

本当に細かい所まで凄いよ、この映画は。

同じ世界で、同じ目線で、清居と生きたい、と思うようになる、そんな平良の気持ちの変化が巧妙に描かれていて、終始胸がいっぱいだった。


エターナル!!!!


【余談】 
本作品の監督、酒井麻衣さんは、なにわ男子「初心LOVE」「ダイヤモンドスマイル」のMVの監督も手掛けたとのこと。
今回の映画を見て思ったけれども、ただシンプルに「美しい」「綺麗」と思わせるものを作るセンスに溢れている。
哲学的なアートを見て、美しさとは何かについて思考を凝らすというよりも、絶景や宝石を見て、思わず「綺麗…」という言葉が口から溢れてしまう。後者のような美しさを表現することに長けていると思う。
拘り抜いて作られた世界観ではあるが、ひねりや癖がない。
オーガンジーや紙吹雪など色鮮やかなものを使ったシーン、水を掛け合う透明感あふれるシーンが印象的で、まるでMVのようだなと思っていたので、なにわ男子のキラキラで溢れるMVを作った人だと分かった時、凄く納得。
なにわ男子にしろ、美しい彼にしろ、大前提として素材が良過ぎる。
そこに、彼らそのものの綺麗さが霞むことのないようにしながらも、最大級の恍惚感をもたらしてくる。圧巻です。

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