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母の話

 こんにちは。
 今日は母の日ですね。
 題名にもあるとおり、母について話そうかと。


 世の中には、いろーんなお母さんがいらっしゃいます。習い事をさせる目的も違うし、勉強に関する考え方も違うし、子どもに対する考え方も違う。働いているかどうかも違う。100人のお母さんがいたとして、全く同じ方はいません。
 ただ、「お母さん像」というのはある程度存在しているかもしれません。


 私の母は、その「お母さん像」からかなり離れている人でした。
 私は母から勉強を教わったことはありません。貰ったから。という理由で国語辞典を渡され、
「わからない言葉はそれで調べな。」
という人であり、
「別に勉強なんかしなくてもいい。大学も行きたい理由がないなら行かなくていい。ただ、勉強はできてた方が得ではあるから、自分で考えな。ママは勉強はしてこなかったけど、生きてるし。好きにしな。」
と言って台所で夕食を作る親でした。
 4月に受け取った新しいピカピカの教科書を眺めていると、
「それ、楽しいの?」
と毎回聞いてきて、もらったから読んでるのと答えると決まって、
「ほんとにママの子か?」
と言い始める始末。良くも悪くも、選択権はこちらに委ねてくれてました。そりゃあ、おやつにコーン缶を持ってくるとうもろこし狂人が育つわけだよ。


 そんな母も、すでに50を過ぎ、おばあちゃんへと近付いています。その子どもたちは「先生」と呼ばれる職に就きました。ろくすっぽ勉強を教えられない親から「先生」が生まれたのです。


 きっと、勉強をしろ、と押し付けられていたら、私は勉強なんてしなかったでしょう。
 一般的な「お母さん像」通りの母であったら、私は私ではなかったでしょう。
 母が母になった歳を私はとっくに過ぎてしまいましたが、あの日、私の母になってくれたことを感謝しています。
 胸を張って立派です!と言えるかどうかはわからないけれど、あなたの子どもであることを誇りに思っています。

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