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小田急電鉄(鉄道)×サイボウズ(IT)「フリースクール」事業を通して子どもの未来を考える(前編)

今回は異業種からフリースクール事業への参入に取組み中の当事者3名が意見交換した模様の一部をご紹介します。

参加者
 小田急電鉄(株) 別所 尭俊(べっしょ たかとし)さん
 (海老名乗務所 運転士 兼 デジタル事業創造部 事務員)
 サイボウズ(株)前田小百合さん
 司会進行:サイボウズ(株)中村龍太
 (執行役員ソーシャルデザインラボ所長)


前田:私たちと一緒にフリースクール運営に携わっている3rdスクールさんもAOiスクールさんとつながりがあると聞いていたので、お話伺えるのを楽しみにしていました。今日はよろしくお願いします。
AOiスクールさんはどんな経緯で事業をスタートしたのでしょうか?

Aoiスクール誕生のきっかけ(二人の運転士が立ち上げた)

別所:私たちは2023年9月から小田急電鉄の新規事業としてスタートしました。社内の位置づけとしては、実証実験段階という感じです。スクール開校する前に今の不登校の状況を知るためにいろいろなところにインタビューを実施し、2023年5月にクラウドファンディングした際にお手伝いいただいた経緯があります。

鉄道事業に携わりながら社会課題の解決に取り組みたい想いが芽生える(小田急電鉄)

中村:別所さんはどうしてこの事業を立ち上げたいと考えられたのでしょうか?

別所:中学時代に不登校になったことがあり、そのときに鉄道に携わりたいという希望を持ち続けたことが今につながっています。同じく不登校経験をもつ同僚と一緒に鉄道事業を通じて不登校という社会課題を解決したいという想いが芽生え、Climbersという社内新規事業募集へ応募して始めました。

中村:AOiスクールはどんなフリースクールですか?

別所:AOiスクールは小田急電鉄(株)がキャリア支援事業という位置づけで主に小中学生(現在は高校生含む)を対象に行っているオルタナティブスクールです。私たちは子どもたちの将来の自律的キャリアをみつけていけるところにつなげていきたいと考えています。

中村:やはり通われているお子さんは鉄道好きなお子さんが多いのでしょうか?

別所:通っている子どもたちの99%の子は鉄道への関心を高く持っています。その中でも信号機に関心がある子、プラレールに関心を持つ子などそれぞれ関心軸が異なっています。子供たちの関心ある所から一緒に学ぶスタンスを大切に考えています。
サイボウズさんはどんなきっかけでフリースクールを始められたのでしょうか?

子どもたちが自分らしさを大切にしながら、楽しく学べる新しい学びの場を創りたい(サイボウズ)

前田:私たちは2023年12月から吉祥寺にてフリースクール事業をプレ開校し、4月から「サイボウズの楽校」として本格開校しました。主に小学生向けのオルタナティブスクールとして運営しています。もともとは経済産業省主導の学校の働き方改革プロジェクトに一緒に参加していた中村さんから、複業で携わっていたフリースクール運営のノウハウを生かしながら、サイボウズでフリースクール事業を作らないかとお誘いを受け、個人的にもコロナ禍で学校にいけなくなっていた子どもたちの戸惑う様子から、不登校問題に関心があったので、一緒に始めることになりました。子供たちが自分らしさを大切にできる新しい学びの場をつくりたいそんな想いからスタートしました。

近所のお兄さんのように気軽に相談できる関係性から未来を考えるきっかけづくりへ(小田急電鉄)

中村:私たちのフリースクールの魅力についてまだ言語化の途中なので、参考までに伺いたいのですが、AOiスクールさんの特徴ってどんな点でしょうか?
 
別所:私たちの場合は、運営母体、スタッフ、鉄道を中心に据えてやっていくという形が外からも中からもわかりやすくなっているところが一つでしょうか。保護者の方からは、とにかく鉄道が大好きなので、子どもの鉄道への想いをわかちあえる仲間や場所になってくれればという期待の声をいただくことが多いです。また、私たちは教育のプロではなく、現役の鉄道運転士が携わるフリースクールという点、子どもたちと年齢が近いのでまず一緒に遊ぶ仲間になっていくところから関係づくりをはじめます。そうすると学校の先生や親が言うよりも一緒に遊ぶお兄さんのいうことのほうが聞けるという反応が起こったりします。さらに中学時代には進路の課題が大きく横たわっているため、高校受験どうするのかという話題になることがでてきます。そんなときに高校に進学した先輩が遊びに来てくれて、どんな進路があるのか、リアルな高校生活や通信制高校ってどんな場所なのかなどを話してくれることが将来をイメージすることに役立つ点が特徴かなと思っています。

前田:私たちは中村さんがお話したとおり特徴をどう表現していくか考え中ではありますが、1つめに、最大15名までの少人数での学びを大切にしていきたいと考えています。カリキュラム作成は元小学校教員の方が関わってくれているので、子どもが自分で目標を定めながら一緒に伴走し、自ら学んでいくことを大切に考えています。2つめに運営面では、私たちの得意なITツールを活用した効率的な運営方法を探求中です。主にコミュニケーション部分(スタッフ間、保護者)はすべてわが社のITツールを活用した運営を行っているためペーパーレスでの運用となっています。
運営面で効率的にできる利点を活かしながら、より子どもの変化をしっかり受け止めながら丁寧に伴走していくことを大切にしています。

次回は実際のITツールをどんな場面で活用しているのか、ご紹介させていただきます。

◾︎児童募集中! サイボウズの楽校からのお知らせ

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