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【災害支援】ニーズ管理 最新事例紹介

サイボウズ災害支援チームは、9月16日(金)に、社会福祉協議会向けのkintone(キントーン)活用セミナーをオンラインで開催しました。

本イベントは、発災後大混乱する災害ボランティアセンターでの業務をICT(kintone)を活用することで、混乱を減らし、災害復旧の加速へとつなげてもらおうと、昨年から年に数回行っているものです。

社会福祉協議会向けのkintone活用セミナー

今回は、令和4年8月豪雨で被災した新潟県関川村災害ボランティアセンターでのIT支援の様子を元に「災害時のニーズ管理 最新事例紹介」と題し、全国の社協関係者など241人が参加して行われました。

それでは、セミナーの様子をレポートします!

イベント内容

まずは、新潟県関川村の災害ボランティアセンター(以下、災害VC)の立ち上げから現場の最前線で活動している関川村社会福祉協議会の平田 達哉さんをゲストに迎え、サイボウズ災害支援チームリーダーの柴田哲史と対談トークからスタート。

関川村社協 平田さんとの対談トーク

柴田)ノウハウがない状態で始めた 災害VCで大変だったことは?

平田さん)
災害VC運営はもちろん、災害VCの立ち上げの準備段階が1番大変でした。

ゲスト:関川村社会福祉協議会の平田 達哉さん

災害VC立ち上げが初めてで、何を準備して、どういう段取りで災害VC設置を進めていくのかというハード面/ソフト面両方で立ち上げのイメージがつかなかったことが1番苦しかったです。

柴田)ニーズ管理にkintoneを 使って役に立ったことは?

サイボウズ災害支援チーム 柴田哲史リーダー

平田さん)
1.バラバラだった情報を統合化できたこと

フェーズごとにニーズが変わるので「未着手・完了」などがkintoneで1つにまとめられたこと。

2.どこの現場にいてもニーズの管理・進捗が確認できたこと

kintoneで管理をすることにより、タブレット端末を持って、自治会や技術団体、行政とその場で情報共有できた。
どこでも、誰でも、どんなデバイスからも、kintoneにアクセスできることが役に立った。

3.データを可視化することで、イメージの共有が進んだこと

ニーズの進捗をグラフ化したり、数字や文字だけではイメージしにくいものを立体的に可視化することで、ボランティアの配置、過不足、災害VCのクロージングに向けた計画を立てることに役立った。

平田さんは最後に「kintoneは今回非常にかかせないものであり、操作も現場に関わった職員でもすぐに扱えるとても分かりやすい素晴らしいシステムでした」と締めくくってくださいました。

今回の関川村豪雨被害での現地IT支援に関しての詳細は、約2分のショート動画にまとめてあります。

続いて、柴田からは、関川村におけるkintone導入の流れ実際にkintoneがどのように現場で使われたのかを、関川村で使用したニーズ管理アプリを操作しながらお話ししました。

関川村で使用したニーズ管理アプリ「進捗確認グラフ」の紹介
住所→緯度経度変換し「マップ」を作成した活用事例の紹介

参加者の声

今回参加された皆さまからは、多くの感想やご意見をいただきました。
参加者の声を一部、お届けします。

キントーンを真ん中に置いて、被災現場でどのような動きがあったのかがよくわかりました。また、全国各地の災害ボラセンの実情の一端が垣間見られた思いです。

災害ボラセンの運営にICTがどのように機能されているのかイメージがつきにくかったが、受講してよく理解できた。

ニーズ情報を管理、共有することの必要性を改めて認識できました。そのためにはシステムを活用することが有効な手段だと実感しました。

災害時だけでなく、通常業務でも活用できるシステムだと感じました。

この他、数多くのご感想やご意見をいただきました。今後の運営に役立たせていただき、減災のためにサイボウズができることにひとつひとつ真摯に取り組んでいきます。
ご参加、ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

今回のセミナーの様子は、こちらからご覧いただけます。

サイボウズ災害支援について

サイボウズ災害支援についての詳細は、こちらからご覧ください

お問い合わせ


サイボウズ災害支援については、下記よりお気軽にお問い合わせください。

Q&A

最後に、今回、ご参加の皆様より数多くの質問も寄せられました。
本セミナーで、お答えできなかった項目についてのお答えは、こちらからご確認ください。

また、引き続きのご質問等は、上記のお問い合わせ窓口よりお気軽にどうぞ。

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[Q]ニーズ調査の際の現場写真などは、キントーンのニーズ票に添付して管理できますか?
[A]はい、できます。

[Q]ニーズの入力は、社協職員が行っていたのですか?ボランティアさんが行っていたのですか?
[A]社協職員です。

[Q]アプリを入れれば、個人のスマホからも入力は可能なのでしょうか?
[A]アプリを入れなくてもスマホからの入力が可能です。

[Q]キントーンの操作性について、エクセルに慣れている職員が多いですが、簡単に使うことはできますか?
[A]はい、エクセルのデータを取り込んで使うことも多いので、すぐに慣れると思います。

[Q]だれがどの現場に行っているかがリアルタイムで分かるようなボランティアの派遣管理もできますか?
[A]やろうと思えばできますが、目的を明確にして実施するかどうかの判断をするとよいかと思います。

[Q]サイボウズさんが社協とつながる経緯を知りたいです。災害前からキントーンを利用されている社協ですか。
[A]平時の研修会でつながることが多いです。研修会をきっかけにキントーン活用を検討していただくことが多いです。

[Q]キントーンを導入した場合、タブレットも用意されているんでしょうか。
[A]タブレットは通信キャリアから災害時にお借りしています。

[Q]音声入力は別料金がかかりますか?
[A]音声入力は、各OSに付属していますので、別料金はかかりません。

[Q]災害ではないかもしれませんが、今回のコロナ対応などで使われた例などはありますか。
[A]神奈川県、東京都、大阪府他多くの自治体で、コロナ対応にキントーンを活用していただきました。

[Q]無料期間後の導入コストはいくらですか?
[A]都道府県社協の場合、連携サービスをすべて含めると月10万円のランニングコストとなっています。市町村社協は、その環境を無料で使用できるようにしているというのが典型的なパターンです。ただし、毎月の料金はどの連携サービスを使うかによって大きく変わってきます。

[Q]ニーズ管理や活動報告は、社協職員だけでなく、ボランティアも入力が可能ですか?
[A]活動報告はボランティアリーダーに入力してもらうことが多いですが、ニーズに関しては個人情報の扱いに注意する必要があるため、社協職員+限られたメンバーでの管理がよいかと思います。

[Q]今回は、キントーンの外部連携サービスは使用しなかったのですか?
[A]関川村では、カンタンマップのみ使用しています。

[Q]作業内容での(残ニーズなど)集計等はできますか?
[A]はい、できます。

[Q]ニーズ票は関川村で初めて作成したのですか?
[A]エクセルに入力されたデータを取り込んでいますので、関川村の様式に沿ったニーズ票となっています。

[Q]サイボウズの災害時の支援チームは、柴田さん以外に以外に何名おられますか?被災地への支援を柴田さんが全面に出ておられるので、行けるところだけサポートになってしまいますか?
[A]社内の災害支援チームは40名強ですが、被災地に入って効果的に活動ができるのは柴田のみです。現地に入らなくても遠隔でサポートできるように、日ごろから全国の都道府県社協とは活用に向けての準備をしています。現在36地域の都道府県社協と研修会や相談会を実施しています。

[Q]入力内容を多言語変換表示できますか?
[A]はい、Google翻訳等のツールを使って簡単に多言語に変換ができます。

[Q]同じ住所で複数の被災者が居た場合の地図上の判別や件数のカウントはどうなりますか?
[A]地図上で重なっていることがわかるようなアイコンになっています。件数のカウントは別々にされます。

[Q]ボランティアさんに活動してもらう場所の情報を各ボランティアのスマホで閲覧できますか?
[A]はい、可能です。ニーズ票を印刷する際に活動場所の地図を表示するためのQRコードを印刷できます。

[Q]タブレットはサイボウズさんからの御提供なのでしょうか?
[A]いえ、通信キャリアからお借りすることになります。

[Q]無料期間終了後、課金導入に至らなかった場合、入力済みのデータは回収可能でしょうか?
[A]はい、入力済のデータをCSVに書き出すことが可能です。

[Q]ニーズ情報を入力すればマップに自動で反映されますか?
[A]住所データを緯度経度に変換する作業が必要になりますが、ワンクリックで変換する機能を提供しています。

[Q]アプリの内容(項目)はある程度決まったものなのですか?
[A]以前の災害で使用したアプリをベースにするか、エクセルデータから取り込んで様式に沿った項目にするかは、目的や状況に応じて柔軟に判断しています。

[Q]このシステムを活用した災害ボランティアセンター運営訓練の事例はありますか?
[A]静岡県社協、徳島県社協、広島県社協、長野県社協などサイボウズと協定を締結している県での活用訓練が参考になるかと思います。

[Q]関川村災害ボランティアセンターのスタッフは、今回の災害で何人くらいで対応にあたっていたのか?
[A]地元社協職員だけでなく、関連団体含めて約20名くらいです。

[Q]ボランティアさんは1日何人くらい活動されていましたか?
[A]平日50~100名、土日祝日200~300名となります。

[Q]関川村では災害ボランティアの養成講座などしていましたか?それらの方々がニーズ管理など入力をしていたのですか?
[A]関川村では養成講座などしていませんでした。ニーズ管理の入力は、地元社協職員や応援社協の皆さんになります。

[Q]行政との情報共有はどうしていましたか?
[A]行政との情報共有会議に参加していましたが、今思うとキントーンを活用して共有するようにすればよかった。(関川村社協 平田さん)

[Q]いろいろな社協から応援に来る場合、引継ぎなどどのようにしていたのか?
[A]熱海の場合ですが、予習用の動画を作成したり、マニュアルを整備していました。また、キントーンのコメント欄を活用して共有したり、Facebookグループやメッセンジャー等でいつでも質問できる体制にしていました。

[Q]普段からボランティア登録をしている社協はありますか?
[A]広島県社協や茨城県社協では普段からボランティア登録をしています。

[Q]Googleフォームでボランティア登録したデータを災害が起きてからキントーンに取り込むことは可能ですか?
[A]可能か不可能でいえば、可能です。ただ、ボランティアさんと効率的にやり取りができる職員さんを普段から養成しておくことでスピーディーに初期対応ができますので、事前にキントーンの操作に慣れておくことをおススメします。

[Q]災害時にキントーンにたずさわる人数は何人くらい必要ですか?また、共有できますか?
[A]被災の規模によりますが、関川村のように250件のニーズ件数の場合だと、ピーク時でニーズ班(キントーンを更新する職員)は2-3人いればOK。落ち着いた段階では、1人いれば大丈夫。さらに、県社協や外郭団体の関係者にはアカウントを付与して遠隔からもチェックや閲覧をできるようにしています。(関川村社協 平田さん)

[Q]実際の被災状況をキントーンのマップに重ね合わせることは可能か?
[A]はい、可能です。

[Q]送迎バスの運行状況をキントーンのマップに反映させることはできますか?
[A]はい、新しい機能として開発していますので可能です。