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ちょっと!お父さん!!④



これまでの父の話をみて、笑っていいのか複雑になる人もいるかもしれない、


遠慮なく存分に笑って頂きたい。


その方が、私は幸せだ。



きっと父もそう思うにに違いない。


父の突拍子のない行動の代表例をご紹介したい。




墓石と父


私は小学3年生くらいだった


家に霊媒師が来て、仏壇の前で父と何やら話をしていた。


どうやら、これから父の周りで不吉な事が起きるらしい。


ご先祖のお墓が崩れかけているから、早く何とかしないと大変な事になると、、、


昭和のミスターポジティブなくせに、妙に信じやすいところがある。


これは私も一緒なので、しっかり受け継いでいるという事になる。


父は慌ててお墓を直したと言っていた。

「危ないところやった。お父さんしっかり直して来たでな!!」


と、ドヤっていたのを覚えている。


 人生楽ありゃ苦もあるわけで、父なりに色々あったとは思うが、


幸いそれから家族が大病するとか、大怪我をするとかは無かった。


とにかく、父が一安心してドヤっていたのを記憶している。



我が家の墓は父の在所で隣県にあり、車で1時間半程🚗💨


正月と盆は必ず父が家族を墓参りに連れて行った。


年に2回必ず墓参りは欠かさなかった。


私や姉も正月やお盆になるとお墓参りに行かなくては!!と思える様になったのは父のおかげだと母は言う。


破天荒な父だったが慣習を大切にする人だった。


年越し蕎麦は大晦日の年を跨ぐ手前に食べないと怒っていた。


年を跨いでしまいそうになると、


「そんなもん、年越し蕎麦やなくて、年またいでしもた蕎麦やないか!!」


などと母に文句を言っていた。



時間が早すぎてもダメだった。除夜の鐘が鳴り始めたらベストなタイミングなのだ。


変なところ律儀なんやから!と母もあきれていた。


そのせいで私も年を越すまでに蕎麦を食べないと何故か落ち着かない。


要らないすり込みだ。





と、蕎麦の話はどうでも良い話だ。



お墓の話に戻すが、


父は71歳で人生の幕を閉じたのだが、


四十九日の法要の時に納骨をする予定となった。



親戚には遠慮いただいて、母と姉と私と甥っ子だけでの法要だ。



それでもちゃんと喪服は着て(当たり前だが)


片道1時間半かけてお墓にたどり着いた


法要を済ませて


いざ納骨


御縁さんがお墓の納骨棺(ご先祖様の骨が納めてある場所)を触りながら、


あれ?おかしいですな、、、と言いながら一生懸命引き出そうとしていた。


私はその様子を初めて見たので、何してるんだろう、、、



と眺めていた。


どうやら開かないらしい、、、


おかしいですな、おかしいですな、、、と悪戦苦闘していたその時、、、



母がハッとした。


そういえば、お父さん!昔、墓直しに行くってセメント買いに行ってた!!




、、、、、



!?!?!?!?



小3の時の見たあのドヤ顔の記憶がフィードバックした。


墓を直したと言っていたのは



崩れかけた墓石をプロに頼まず自らセメントで接合したという事だったのだ!


(※墓石とは積み上げられてるだけとご存知だろうか?)





セメントで納骨棺の部分までセメントが流れてくっついてしまっていたのだ。


結果、納骨棺が開かない、、、



いやいやいやいや、




信仰深いのかバチ当たりなのかどっちかにしてくれ!!


「自分が入れんくなっとるやないかーい!!」


本当に、その日



親戚呼ばなくて良かった。



こんな珍事件、恥ずかしいやら、笑えるやらで、、、


お墓で赤面しながら腹を押さえながら笑いを堪えたのをおぼえている。


その後、母と姉と私の3人でお金を出して新しいお墓を建てた。



お墓も相当古かったし、先祖の供養にもなると思ったので良かったのだが、、、



父は一番綺麗なお墓に入った。



お父さんらしい、、、


父にとっては結果オーライな墓デビューであったに違いない。



つづく、、、














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