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三年ぶりかな?母と昼寝の春うらら

  きれいな穏やかな顔。
  静かな人になって母は家に帰ってきました。
  
  一日はさんで自宅で簡素なお葬式。
  つりお君と私で母を見送りました。
  お経をあげた僧侶はつりお君のお兄さん。
  計三名。

  帰宅して二晩、母は自宅のおふとんで横になっていましたから
  ゆっくりとゆっくり、 母と娘の時間を過ごすことができました。
  私は母の横でお昼寝もできました。
  お別れの精進料理を作る時間もたっぷりありました。 
  おままごとみたいな漆の器のお膳に盛ると
  ちょっと晴れがましい気分。

  近所のお花屋さんで二対の枕花を頼みました。
  阿弥陀様の両脇に置いたアレンジフラワーを見て
  つりお君は「え?これ?白菊は入ってないの?」と心外そう。
  色がピンクにオレンジ、黄色!!
  「まあ 極楽浄土に行くんだから 
    趣味悪いけどいいか~~」と思ったみたい。

  スイトピーなどのピンク系と紫系の花々を基調に
  オレンジ色のグラデーションのチューリップ
  黄色のオンシジウム。
  白い花も少し入れて、可愛くちょっぴり華やかに。

  棺に入った時、母の顔の周りを
  その花々で明るく飾ってあげたかった。
  何より 私が元気な気分でいたかったから
  選んだ 花の色でした。

家に帰りたかった母


  母は家が大好きでした。私の身体がガタガタになってしまった時、寝たきりの母に近所の介護施設の入所パンフを見せたら両手でそっと押し返されました。体を動かすのも困難になり、ほとんど発語できなくなっていた母にとってそれは最大限の拒否の表現でした。

  「一週間後に入所できますけれどご本人に十分説明してください。認知症がひどくても、家を離れて施設に入所することはご本人にはわかるのですよ。何も知らされずに入所された利用者さんはても苦しみますから。」と施設のスタッフから私は説明を受けていました。
   母の反応は私にとっては辛いことでしたが、母が話の内容を「理解してくれている」ことがうれしく感じられました。

  寝たきりの状態で脳梗塞を起こしてしまった母の身体を動かすのはとても大変で、私は関節という関節が傷みテーピングとサポーターをしても日に日に母のケアをすることが困難になってきました。もちろんできる限りヘルパーさんたちに母のケアをしていただいていましたけれど、家族のすることは多いです。

  つりお君に手伝ってもらって、二人でベッドの下方にずりおちてしまった母の体の位置を変えることから一日のケアが始まります。その後おむつ交換→清拭→着替え→朝ごはん。その後私たちが仕事に出かけて帰宅するまで、ヘルパーさんや訪問看護師さんが2~3回入ります。週に二回はデイケアでお風呂にも入ることができます。たまにお泊りも出来ます。それでも母が寝たきりになって以降の私の体の負担は限界を超えていたようです。「母を家で看取る」 というのが私の在宅介護の目標でしたが それは諦めざるを得ませんでした。

   一週間たって母は入所を受け入れてくれました。諦めに近い気持ちだったのでは?と思います。

  私たちの家から施設までは歩いて5分の距離。毎日母の食事介助に行きました。ほとんどの介護はスタッフの方がやってくださるので私は「いいとこどり」の介護参加でしたが、母が私を待っていてくれるのがとてもうれしかったです。他の利用者さんとも親しくなりました。そんな平和で充実した気持ちの日々が続いていくように思われました。

  そんなときコロナ禍で突然母との交流が絶たれてしまいました。一か月に一回の直接面会ができるようになるまではZoom面会が多かったです。しかしずっと会わないと心は離れていくものですね。私も母を忘れている時間の方が多かったし、母も施設の職員さんを頼りにしている様子が見て取られました。それは自然の成り行きなのでしょう。罪悪感を持つ必要もないし、母が施設を自分の場所と思っていることは嬉しいことでもありました。

  先月も変わりないような穏やかな母の顔を面会で見ることが出来ました。亡くなる前日もいつものように三食をぺろりと完食した母。「誰よりもおいしそうに毎日よく食べてくれます(^▽^)/」とスタッフの方が言います。

  しかし亡くなった日には朝も昼も食べず、どんどん弱っていったようです。母の様子の急変にスタッフの皆さんもビックリされた様子。主治医の先生も「様子を見ましょう」と・・・。
  私は母に会いに行き、まだ目をぱちぱちさせている母に会うことができました。不思議と穏やかな気持でした。母への感謝の気持ち、楽しかった思い出を話しました。それから数時間後、施設のみなさんに見守られて母は穏やかにこの世を去っていきました。自然な最期でした。。私は充分に母に気持を伝えることが出来たと思います。

**今日の朝日浴味噌汁**
車ふ
カボチャ

 久々にカボチャを食べたくなり、高価なニュージーランド産を購入。
 ニュージーランドは大洪水に見舞われ、カボチャ出荷量が激減。
 また輸入カボチャの主な産地であるトンガが海底火山噴火と
 地震被害を受けたため、 カボチャ価格が高騰したと 
 近所の八百屋さんで聞きました。輸入食材に頼っている
 私たちの食の危うさを感じました。
わかめ
小ねぎ
昆布と干し椎茸の出汁
友達の米味噌と八丁味噌

  

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