見出し画像

おわりに 慈しみの力(6)

こちらのnoteでは、17時30分から15分間、ClubhouseでMBSRトレイニーが読書会を行っている内容の予習として、この場をお借りしております。
気になる方は、「人生が変わる読書会」をご視聴ください。

怒りに対処する
誰かにたいして腹が立ったとき、その相手のある一面だけにしがみついて見ているということがよくあります。
-自分が腹が立っている面だけに注目しているのです-
そんなとき、「その人の髪の毛・肌・歯…等」その人を構成している様々な要素や行為をすべて調べてみると、怒りは自然に和らぐでしょう。

気づきを実践することで、自分だけでなく他人に対しても、より明晰に見られるようになり、慈しみをもって自分と他人と関われるようになります。

でも、もし誰かに傷つけられたり、侮辱されたら…
憎しみは憎しみによって収まらない」と『ダンマパダ』で述べられています。怒りは徐々に消えていくもの。「慈しみによってのみ、怒りが収まる」と続けています。

ブッダに対して敵意を抱いていたデーワダッタという名の者が、ある日、ブッダを殺そうと陰謀を企てました。ゾウに酒を飲ませて怒り狂わせ…でも、ブッダはそのゾウの前に立ち、慈しみと憐れみを注ぐのでした。するとゾウはその場で止まります。さらにブッダが慈しみの波動をゾウに送ると、ゾウは子羊のようにブッダの前でひざまずくのでした。

もうひとつ。
ブッダの生き方から、いかにして侮辱や乱暴な言葉に応じるかということを教える話があります。ブッダが説法中に、彼に敵意を持った男が、女性(売春婦)がブッダの子を妊娠したように仕向けます。
…この女性も、ブッダが真理を説くと、やさしく、親切で、憐れみのある女性へと変わります。

「慈しみで満たされた人は大地のようである」とブッダは言います。

ブッダは、忍耐と智慧と慈しみをもって、怒りという贈り物にどう対応すべきかを「アッコシナ(怒らない)」という名の男とのやりとりの中で教えてくれています。

侮辱や怒りの言葉に対して気づきと慈しみで対応することにより、全体の状況を詳しく観察することができます。

気づきは、悪行為をしないようにする安全綱のようなもの。気づきは時間を与え、時間は選択を与えてくれます。感情に押し流されることはありません。無知ではなく、智慧で反応することができるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?