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祭りのものではないたこ焼き

不調により、昨日行き損ねた祭り。今日も開催されている。やや復調し、軽く繰り出すことができた。

いわゆる厄除け祭り的な祭りで、こじんまりとしているが、たくさんの人が訪れている。私も厄はぜひ除けたい。除けれなかったとしてもなんとか自力で解決できる厄だけで勘弁いただきたい。

「静かな心で3回叩くと良い」と書かれている鐘を私の前に並んでいたじいさんが、杖を置いてまで体をしならせて叩いていた。振りかぶりのキレがすごい。それだけキレがあれば杖は要らないのではと思ったが、瞬発力と持久力は違う。少し無理をすれば一時的にキレを出すことはできるのだ。

私はじいさんが翌日2杖に増えていないことを祈り、静かに鐘を3つ叩いた。

ひと通り参拝を終え、出店エリアに向かう。しかし、昨日空想したりんご飴や箸巻きは魅力的だったのに、現物には心ときめかなかった。まぁ仕方ない。心も移ろうし、人混みで疲れてしまってもいたから。

やや残念に思いながら帰路に着く。昨日思い描いたりんご飴を舐めながらご機嫌で歩く私はおらず、ダウンのポッケに無理矢理折り畳み傘を入れて手ぶらの私が歩いている。

国道まで出て、遠くを眺めると回転灯が光っていた。今日はあそこのたこ焼き屋もやっているようだ。

たこ焼きは10個で300円がうれしい。おいしすぎないってことがわかるから。銀だこみたいにおいしすぎるたこ焼きじゃないたこ焼きを食べたいときもあるのだ。角刈り風おばちゃんのこのたこ焼きには鰹節もマヨものっていない。クラシカルなルックスが無性にグッとくる。

祭りの日に祭りのものではないたこ焼きとたい焼きを買って帰る。でも、踏切待ちで匂いを嗅いでみたら、祭りみたいな匂いがした。

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