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【完成版】アニメ『スパイファミリー』ED「トドメの一撃」というスルメ曲考察

10月から2期がはじまった『スパイファミリー』
一目見た瞬間から心奪われて、インパクトのあるOP「クラクラ」が注目されています。
一方ED「トドメの一撃」は、逆になかなか味わいのあるスルメ曲だなと感じました。どうしてそう思ったかの考察記事掲載いたします。

先月記事予告版からお待ちしていた方々はお待たせいたしました。
一部前回と重複する部分もあるのはご了承を。

また長文記事ですので、目次を用意してあるので、気になる方は気になる部分だけでもスルメのようにつまんでいただければ幸いです。

1.タイトルに反してスルメ曲!?作品に寄り添う仕掛けとは!?

タイトル「トドメの一撃」、ゲームで出てきそうなネーミングであり、タイトル名はインパクトがあります。
実際に曲を聴いてみると、オシャレでしっとりした曲に驚きます。
「あれ?名前だけ見てたら激しい曲だと思ってたのに!?」
これが第一印象です。

何回か聴いていると、噛めば噛むほど味わい深いスルメ曲だなと考えるようになりました。

そう考えるきっかけになったVaundy コメント記事を紹介します。

Vaundy、新曲“トドメの一撃 feat. Cory Wong”がTVアニメ「『SPY×FAMILY』Season 2」ED主題歌に決定。楽曲使用したアニメ本予告映像公開 - TOWER RECORDS ONLINE

さらに前述の記事からコメントの一部を抜粋して紹介します。

―曲名や楽曲に込めた想いを教えてください。
この曲はヨルの心の葛藤をテーマに、”家族”の中で存在するヨルを肯定してあげたいと思って作った楽曲です。
失うものがないように見えるほど強い彼女ですが、結局家族を守るためのヨルでもいいんじゃないかなと。

タワーレコードオンライン記事内のコメントより

今回は主要キャラである「ヨル」に焦点をあてた曲です。
歌詞で「今日の夜は」「今夜だけは」と「夜」をイメージさせるのも
洒落がきいた、オシャレさなのかなと考えています。

以下の部分を考察解説し深堀していきます。
〇イントロのギター等による音の効果
〇「ヨル」らしい歌詞の言い回し
〇今回のアニメエピソードらしさを感じさせるフルサイズ歌唱の歌詞
(※TVサイズだけではなく2番目以降の歌詞へも注目)
〇音楽ジャンル考察をした時に持つ二面性

2.イントロのギター等の効果

今作「トドメの一撃」で特に注目される部分は、ギター参加したのはコリー・ウォン(Cory Wong)の存在です。
独創的でタイトなプレイスタイルで知られ、グラミー賞にもノミネートされる現代を代表する世界最高峰のギター・ヒーローと紹介されています。

(1)イントロからはじまるギター

MVを見ると、その前に汽笛が流れるのでイメージしやすいですが、
イントロのギターは船のエンジン音を想像させます。

そして次に流れるフルートと舞踏会のようなゆるやかなメロディー
豪華客船でディナーがはじまるかの予感をさせるイントロです。

(2)相反するテンポ感

全体を通して感じられることは楽器ごとのテンポの違いです。
ギターはテンポに対してタイト(きつめ)に演奏されていることに対して、
反してバイオリンなどの弦楽器(ストリングス)やフルート音はテンポはゆるやかに演奏されているように聞こえます。
音楽専門用語ではタイトな演奏を「インテンポ」、対するテンポ演奏を「ルバート」と呼ぶそうです。

演奏者コリー・ウォンの特長であるプレーを魅せつつ、『スパイファミリー』の特長である一見平穏に見える日常に隠れている緊張感をギターで表現しているのではと考えられます。

ギターだけでも楽曲と作品の親和性への工夫を感じさせてくれます。

3.「ヨル」らしい歌詞の言い回し

TVサイズの歌詞だけでも二重表現がチラホラと見られます。
「♪迷う道をさらに迷わせてく」
「♪今日の夜は~、♪今夜だけは~」
普通は避けたり、くどくなるからと、あまり使わない表現ですが、
天然なヨルさんらしい言い回しに見えるなと私は考えます。

これは筆者の推測にしか過ぎませんが、作中のヨルさんらしさを出しているもっともらしい表現だと考えています

4.今回のアニメエピソードらしさを感じさせるフルサイズ歌詞

さて続いても歌詞の考察です。
全部挙げるとキリがなくなるので代表的ないくつかを挙げます。

まずは、TVサイズの部分から

「♪視界に目前映る深い真紅」
前述した曲のイントロとともに歌詞を見ると、
目の前に広がる深い紅色は、船から見える夕焼けに染まった空と海面なのではとイメージさせます。
「♪この先およそ40000km」
劇中の航行規模とは違いますが、長い旅路をイメージさせます。

イントロと歌詞により、豪華客船の夕方から夜になっていく情景が浮かび、曲のはじまりから劇中のエピソードらしさを予感させます。

続いてTVサイズ以外のフルサイズからラップ部分の一部を

「(ラップ)♪心見透かすちっぽけな魂」
この部分は、人の心を読める娘アーニャのことではと推測できます。

「(ラップ)♪光の矢(読み:ホープ)を放つ、穿つ(うがつ)」
歌う時は、「ホープ」と歌いますが、当て字は「光の矢」です。
少しややこしいですね(笑)
原作を読まれている方はうっすら気付くかもしれませんが、
劇中エピソード終盤でアーニャが起こす行動を示しています。

※詳しくはネタバレになるので、アニメ劇中で楽しんでから
※照らし合わせて楽しむことをオススメいたします。

「♪こういうのとか そういうのとか 偽物じゃできないよね」
偽物家族だけど、本当に家族になっているヨルさん含めたフォージャー家の
姿にニヤニヤしてしまうフレーズです。
本エピソードが終わったらもっとニヤニヤしてしまうことでしょう。

あともう一つだけ最後に
「♪明日の夜も守れますように こっちにきてもっと」
ヨルさんから自発的に発せられたかのように、すごく温かみのあるシメになっています。これもニヤニヤしてしまいますね。

フルサイズ歌詞は、このエピソードが終わる頃にはよりニヤニヤし、
味わい深いものとなっていくことでしょう。
これ以外でもみなさんでもニヤニヤポイントを探したら楽しいかと

5.音楽ジャンル考察をした時に持つ二面性

マニアックな推測でしかないのですが紹介します。

本楽曲は音楽ジャンル区分した場合に、
主なリズムからJ-POPかシティポップと分類されるであろう部分と、
「♪だから」やサビの高音からソウル&ファンクと分類されるであろう部分があります。
ジャンルのごった煮といった方が分かりやすいかと。

ただ、アニメ作品に寄り添って考えた場合、主人公達が「〇〇に見えて、実は〇〇」(ヨルさん:「市役所職員に見えて、実は暗殺者」)という部分が作品のキーなので、
「J-POP(シティポップ)に見えて、実はソウル&ファンク」
もしくは
「ソウル&ファンクに見えて、実はJ-POP(シティポップ)」
といったようにジャンルの二面性を秘めているかもしれないと考えています。

6.おしまいに~遅効性のある毒な曲!?

以上で『スパイファミリー』新ED「トドメの一撃」の解説は終わりです。

フルサイズでEDを聴くと、主役はヨルであり、ストーリーは豪華客船編に焦点を当ててチューンアップ(調整)された楽曲だということがジワジワと感じられました。

それもあって話数が進めば進むほど味わい深いスルメ曲だと言えます。
「トドメの一撃」という曲は、話数が進むごとに遅効性のある毒のように体にジワジワと染み込んでいき、気づいたらエピソードの終わり(MISSON37か38?)には、そのピークでエモさが私たちのハート(心臓)に届き”トドメの一撃”となって刺さるのかもしれません。
参考までにフルサイズ歌唱の公式MVと歌詞をを紹介いたします。


ここまで読んでいただいてありがとうございます。
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【参考紹介】MVおよび歌詞サイト



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