ネットリテラシーワークショップに行く

(wordpressで掲載していた記事をnoteに移行しました)

ベルリン図書館で行われていた、Crypto Partyという団体のネットリテラシーワークショップに参加しました!

ベルリンに来て3日目。
早速、NHKの番組にでていた団体Cryptopartyが行なっているネットリテラシーやプライバシーのワークショップに行ってきました。
その番組は、私が出発するまさに前の週にNHKで「個人情報が世界を変える」

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/3115653/index.html

という番組で、IAMAS同期の竹村君(彼とは大学も同期である笑)から教えてもらい見た番組ですが、もう内容がまさに私の大学院で研究していたテーマとはまり、しかもそれを一つ一つ丁寧に解説していたので自身としてもとても勉強になりました。


特に、トランプ大統領の選挙陣営がfacebookの個人情報を利用し、facebook広告を打つことで情報操作を行ったのではないかという話ではその告発者の方のインタビューもあったり、インターネットによって分断が起こっているのではないかということに対しても、ヨーロッパの議会で座席を増やしている、いわゆる右翼勢力の政治家にもインタビューをしていて、さすがNHKの力…と思いました。


その中でCryptopartyという団体のワークショップについても紹介してて、この団体のことを知りました。そして、調べるとたまたまそのワークショップが行われるのが明日ということを知り、行くことにしたのですが、ベルリンに着いたばかりで自分も土地勘が無い状況だったのでとても緊張しながらの参加。

ワークショップ自体はドイツ語に加えて英語でも行われるとサイトには記載されていたので参加できるかも!と思ったのですが、会場のベルリン図書館まで行く間に5回ぐらいチキって今日はやめとこうかな、とか思ったのですが(笑)気引き締めて無事到着。


団体の方は3名ほど参加者は20ー60歳ぐらいまで幅広い年齢層の方々が8名ほどのアットホームな感じで、私にドイツの方がほとんどだったのにも関わらず、私のために英語で会話してくれました。
それぞれ、聞きたいことがあってワークショップに参加した人が多く、特に年齢層が高い方々はemailの設定方法や、今自分が使っているインターネットは安全なのか、など質問も様々。団体の方が質問の内容に回答することからワークショップが始まります。


次に、自分のPCからwebサイトまでの情報の経路をみんなで考えるワークショップをしmしました。(無線通信、有線通信の場合それぞれ)ここでカードに書かれている名前(DSPとかルーター)は何かお互い話しながら行うことで知識を共有することも目的にしているようです。
案外難しい。

そして、次のテーマはトラッキングから守る方法を伝授してもらいます。

最初に、今どのような情報が取られているのかを確認していきます。私はPCを持ってきていなかったのでその場ではできなかったのですが、


PANOPTICLICK

https://panopticlick.eff.org/


というサイトから今、PCのプライバシーはどれくらい守れているのかテストします。私のPCはクッキーを取られないようにするフリーソフトを入れてますがそれでも、まだ弱いみたい。。。

今の状況を確認した後にトラッキングを防ぐアドオン(拡張機能)を紹介してもらいます。


・privacy badger

https://www.eff.org/privacybadger


・ublack origin

https://chrome.google.com/webstore/detail/ublock-origin/cjpalhdlnbpafiamejdnhcphjbkeiagm?hl=ja
・cookie auto-delete(firefox向け)

https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/cookie-autodelete/


次に使うべき検索エンジン。ここでびっくりしたのが、私以外参加者全員、firefoxを使っていたこと。日本だとfirefox使っている人、ほとんど見なかったし、yahooという人が多かったので、(私はgoogle)国によって使う検索エンジン違うのね!というのが驚き。

・startpage.com

これはgoogleの検索エンジンを使うけれど、一旦このサイトを経由することで誰が検索しているのかわからなくすることができるので、トラッキングされないもの。個人的には一番良いな〜と思ったサービスです。
・searx

https://search.fuckoffgoogle.net/Fuckoffgoogle

という名前が強め。笑
そして、団体の方に一番おすすめだと言われたのがこれ。TOR Browser オニオンのように何層にも情報が包まれて送信されるサービス説明するのが難しいですが、情報が何層にも包まれて運ばれるので、それぞれのサーバーにもどこから来て、中にどんな情報が入っているか分からず、一番安全な検索エンジンだそうです。(その分、読み込み速度が遅くなる)

最後に、プライバシーに関するオススメのサイトを紹介してもらいました。これは、ワークショップを運営しているcryptoparyのページ

https://www.cryptoparty.in/learn/tools


世界至る所で、活動をしているそうですが日本では一回も行われていないようで、日本でやってみたいな〜と思いました。

・privacy toolsこのサイトもプライバシーを守るためのツールの紹介サイトです。

https://www.privacytools.io/


myshadowっていうサイトは、個人情報の危険性について紹介しています。

https://myshadow.org/

このワークショップに行って思ったのが、圧倒的にgoogle嫌いということです。笑私が、大学院でこの研究を進めているにあたり、googleやfacebookなどが個人に関する情報をたくさん収集しているとはいえ、便利なところは便利(googlemapとかメッセンジャーとか)で、もしかしたらそれも最初からそのインターネットにおける資本主義に組み込まれていてその中で順応してしまったからかもしれないけれど、ここまでgoogleは使わない方が良いと団体の方が断言してワークショップを進めていくことに対して、おおお、と圧倒されました。
で、改めて考えた時に最初から個人に関する情報を取っていくという流れが、誰にも止められず(もはや気づかれないように)組み込まれている今がおかしいのであって、またきちんと再整備することが必要なのではないか、っていうことです。


圧倒的に何か便利!というものがあってその新しいサービスに移行するか、もしくは私たちユーザーがプライバシーって重要だ、という危機感を持って上記に紹介したようなサービスに移行するか、どちらかしかないな〜と思います。
とはいえ、やはり「便利」っていうのがとても強くて、私の修士作品もプライバシーに対する懸念を高めること(啓蒙活動)ではなく、最終的にはプライバシー設定を一発で変えられるということが「便利」というところを重点的において制作した背景があります。
だからこそ、このワークショップの本質的に重要なところは紹介してもらったサービスを使うということよりも、参加者一人一人がどういうことに不安を持っているのか、ということを共有し、プライバシーに対する懸念?知識をあげることかもしれません。
その上で、日本でこのワークショップをやったらどんな人が来て、どんなことに皆不安を感じているのか聞いてみたいな〜と思います。

そして、私ももっと勉強しなきゃな、、、と知らないことだらけだったので紹介してもらったサイトを見て勉強しようと思います。