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飛び立つ彼女と、割り切れない想い(小桜店子)

この記事は推しを語るアドベントっぽいカレンダー4日目の記事になります。執筆者は小桜店子です。

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 22/7の帆風千春さんを推していました、小桜店子です。
 なぜ過去形かというと、2021年2月28日をもって帆風さんがグループを卒業されたからです。

 卒業から数ヶ月が経った現在、私が抱いている割り切れない想いについて書いていこうと思います。

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 グループ結成4周年を記念して行われた生配信の終盤にて帆風さんの口から卒業が告げられたとき、とっさに私が抱いたのは寂しいという感情でした。

 なぜならば帆風さんは22/7のリーダーである以上に、メンバーやファンにとって精神的支えのような存在だったからです。

 帆風さんはグループでは最年長で、歌唱力も高く、またバラエティ番組『22/7 計算中』でもよく発言をして場を盛り上げていた印象があります。
 その他にもラジオのアシスタントや、SHOWROOMでアクティブにファンとも交流し、リズムゲームアプリ『22/7 音楽の時間』のプレイ動画をSNSに投稿するなど、グループのリーダーとして積極的に活動をされていました。

 そうした先頭を走る姿に魅せられて、メンバーやファンも心惹かれていたと思います。

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 帆風さんは以前から声優としてもっと活躍したいと語っていました。

 22/7はデジタル声優アイドルとして「声優」と「アイドル」二つの領域をカバーしてますが、帆風さんはどちらかというと「声優」に寄ったメンバーだったのです(そういったメンバーは他にもいますし、逆にアイドルや女優志向のメンバーもいます)。

 一方、ロケーション撮影が難しい昨今において、スタジオでのモーションキャプチャを使った演出が多くなり、それが負担になっていたのか舞台裏のことは分かりませんが、『計算中 シーズン2』は2020年12月をもって終了となります。

 また、6thシングル『風は吹いてるか?』ではリアルメンバーによるダンスビデオが制作されたり、『音楽の時間』にもリアルメンバーのブロマイドが実装されたりするなどして、今後の22/7はアイドルやリアルメンバーの要素を前面に押し出す活動に移行するのかと思われました(……が、2021年4月には『計算中』がシーズン3として復活するなど一概にはいえない状況です)。

 推測の域を出ませんが、帆風さんは22/7として活動するうちは声優の方面で活躍することが難しかったのではないでしょうか。
 しかし、佐藤麗華役をはじめとした声の仕事を通じて、以前から抱いていた想いがより強くなったのでしょう。年齢的なこともあいまって「声優」という割り切れない夢に挑戦するべく、今回の卒業という決断に至ったのだと思います。

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——ここからは個人的な話になります——
 22/7が結成された2016年12月、私はやる事なす事すべてが上手くいかず、大袈裟かもしれませんが、人生のどん底にいると、当時は感じていました。22/7が結成されたというプレスリリースを当時の私は目にしていたのですが、日常生活もままならない状況だったため関心を抱くことができなかったのです。

 そういった状況から1年半が過ぎ、少しずつかつての生活を取り戻しつつも、低調なことには変わらない日々を過ごしていたときにたまたま見たのがバラエティ番組『22/7 計算中』でした。

 もともと22/7のメインキャラクターデザインを手がける堀口悠紀子さんのファンであったこと、2018年はVtuberブームが訪れていて3DCG表現に関心があったことから、私は『計算中』の視聴をはじめました。

 最初は軽い気持ちで番組を見ていましたが、視聴を重ねるごとにキャラの名前や性格を覚えていき、少しずつ確実に22/7へハマっていきました。放送が終わった後も繰り返し番組を見たいため、録画機器を新たに購入するほどの熱量です。

 いつしか毎週『計算中』を視聴することが生き甲斐といっても過言でなくなりました。シーズン1は2019年12月でいったん終了しますが、約1年半の間、毎週バラエティ番組を見るという経験は久しぶりのことです。

『アニメ版22/7』を経てはじまった『計算中 シーズン2』にも、やはり夢中になります。経済的な事情から熱心なファンに比べればささやかだとは思いますが、毎週推しを見られるというのは、とても幸せなオタク生活でした。

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 私は基本的には箱推しの傾向があるのですが、メンバーの中で一人推しを決めるとするなら誰にするか、その答えはやはり帆風千春さんです。
 前述の通り、『計算中』に限らず様々な媒体で積極的に活動する姿に魅了されました。そして、自身の夢を語るその姿が、とても眩しくて。

(2021年4月に復活するものの)やはり2020年12月にシーズン2が終了し、リアルメンバーを前面に押し出す動きが見られたとき、『計算中』から22/7にハマった私としては正直、残念に感じました(始まってしまえばメンバーの新たな一面を見られる『検算中』にもハマりましたが(笑))。
 それに加えて帆風さんの卒業が発表。これまで考えなかったわけではありませんが、前に述べた通り、いざ現実になると寂しいという感情を抑えられなかったです。

 しかし、当時の動きや帆風さんが前から語っていた夢のこと、そして彼女のことをふまえれば、声優として新たな一歩を踏み出す決断をしたのは当然のことだと思います。

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 上手くいかないことが一度でもあると他のことも連鎖的に不調になることが、私の場合はよくあります。「同じ思いはしたくない」という考えから、調子を取り戻しつつあったとしても、かつてのように挑戦することに対し、とても臆病になってしまいました。
 ささやかでも22/7を応援する生活はとても幸せだし、わざわざまた辛い思いをする必要はないじゃないか、そう考えてしまうんです。

 しかし、——外部の者の感覚ですが—— 22/7という安定した場所から離れてでも自身の夢のために一歩踏み出す帆風さんの勇気ある決断を目の当たりにして。帆風さんには遠く及ばないけれども、私ももう一度挑戦してみようと思えたんです。

 その一環として、この記事を書いています。私の推しは最後までファンに勇気を与えてくれました。帆風さんが託した22/7を今後も応援しつつ、いただいた勇気をもとに挑んでいこうと思います。

 ……でもやっぱり、卒業して寂しいという感情もゼロにはできなくて、勇気と寂しさ、アンビバレントな感情ではありますが、それが私の割り切れない想いです。

 また推せる日を夢見て。

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