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お産の流れを知って安心して赤ちゃんを迎えよう

いよいよ出産が近づき、ソワソワしたり不安に思

ったりしていませんか?出産の流れを知ることで

不安を軽減し、リラックスして出産に臨めます。

助産師である筆者がお産の流れ、気をつけてほし

い点についてまとめました。

人生の一大イベントである出産を安心して迎える

ために、お産の流れを知り早めに準備しましょ

う。


出産が始まるサイン

妊娠37週以降は正期産と言われ、いつお産が始ま

ってもいい状態です。

出産直前に起きることとして、前駆陣痛、おしる

し、破水の3つがあります。


前駆陣痛

前駆陣痛とは、不規則な陣痛のことです。

やがて陣痛が規則的になり1時間に6回以上(10分

間隔の陣痛)になると出産が開始したと判断され

ます。

前駆陣痛は出産が始まる直前に起こることもあ

れば、数日前から不規則な痛みが出現するなど、

人によってさまざまです。


おしるし

お産が近づくにつれて、子宮の出口付近の卵膜

が剥がれていきます。

このときに見られる出血をおしるしといいます。

おしるしもなく陣痛が開始することもあります。

またおしるしがあって、数日経ってから陣痛が始

まることもあるので、おしるしがあったからとい

って慌てないようにしましょう。

おしるしはおりものに混ざったような出血です

が、生理のときのような出血が起こることもあり

ます。

一方で以下のような症状があるときは注意が必

要です。


注意すべき症状

  • 出血量が多いとき

  • 出血が続くとき

  • おなかがカチカチに硬くなっている

  • 強いおなかの痛みがずっと続く(陣痛のような休みがない)

このような場合は、胎盤が剥がれて出血している

可能性もあるため(上位胎盤早期剥離といいま

す)すぐにかかりつけの産婦人科に相談してくだ

さい。

また判断に困るときもかかりつけの産婦人科に電

話してみましょう。心配しすぎなだけかも?

と思いますか?それでもいいんです。

私たち医療従事者はお母さんたちの心配事を減ら

すことも仕事です。

いつでも電話してくださいね。


破水

赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、子宮内部の

羊水が外に出ることを破水といいます。

パンという破裂音とともにたくさん羊水が出るこ

ともあれば、少量ずつ出ることもあります。

判断に迷ったら、必ずかかりつけの産婦人科に連

絡を取りましょう。



なぜならもし破水していれば感染が心配だからで

す。

そのため破水したと思ったら、以下の順に行動し

ましょう。


  • 清潔な大きめのナプキンをつける

破水している量にもよりますが、下着もぬれる場

合は腰にバスタオルを巻いておけば安心です。

  • かかりつけの産婦人科に連絡

診察券番号、名前、週数、破水した状況などを説

明します。

  • 病院へ向かう

病院から特別指示がなければ、家族が運転する自

家用車かタクシーで病院へ向かいます。

移動の際は腰を高くして横になりましょう。

診察券や貴重品など必要最低限のものを持って行

きます。

  • シャワーやお風呂は厳禁

感染リスクを高める危険があるので、シャワーや

お風呂は控えてください。


出産の流れ

出産は第1期から3期に分けられます。ひとつずつ

見ていきましょう。


分娩第1期(開口期)

陣痛が規則的に始まってから子宮口が全(10cm)するまでの時期をいいます。

所要時間


初産婦:10〜12時間

経産婦:4〜6時間

一般的に初めてのお産の場合は、経産婦さんより

も所要時間が長くなります。

陣痛

1時間に6回以上の陣痛がきはじめたら、いよいよ

お産の始まりです。

子宮口が開くにつれて陣痛がない時間が短くな

り、逆に陣痛がある時間が長くなります。

子宮口が全開大に近くなると、だいたい2分おきに

陣痛のピークを迎えます。


産婦さんの過ごし方

楽な姿勢でリラックスして過ごしましょう。

陣痛とは子宮筋の収縮です。

収縮すると血液が流れにくくなり、赤ちゃんも苦

しい時を過ごします。

鼻から息を吸って口からゆっくり息を吐き出しま

しょう。

赤ちゃんにたくさん酸素が届くように意識してく

ださい。

体力をつけておくことも忘れてはいけません。

食べられるものを食べておきましょう。

適宜水分補給もおこないます。

日中動けるうちは歩いたりストレッチをしたり、

体を動かしましょう。

陣痛があるからといってずっと横になっている必

要はありません。

むしろ動くことでお産がスムーズに進むことがよ

くあります。

夜間はできるだけ休息につとめます。


こまめにトイレに行きましょう。

子宮口が開き始め赤ちゃんの頭が下に降りてくる

と膀胱を圧迫して、排尿、排便がしづらくなりま

す。

陣痛が強くなればなるほど動きにくくなりますの

で、行けるうちにトイレに行っておきましょう。


分娩第2期(娩出期)

子宮口が全開し、赤ちゃんが産まれるまでの時期をいいます。

所要時間

初産婦:2〜3時間

経産婦:1〜1.5時間


陣痛

子宮口が全開すれば、いよいよ赤ちゃんとのご対

面です。

陣痛頻度は増して陣痛の強さも1番強くなる時期で

す。

必ず陣痛と陣痛の間に休息時間はあります。

次のいきみに備えて呼吸を整えましょう。


産婦さんの過ごし方

いきむ時は医師や助産師とタイミングを合わせま

す。

目を閉じずにおへそを見るようにしていきみま

す。

声を出さずに息を止めて、おなかに力を入れるこ

とに集中しましょう。

どこに力を入れれば良いのかわからないという時

は、トイレで大便する時をイメージしてくださ

い。

私はこれをイメージしたのでスムーズに赤ちゃん

が降りてきてくれました。

陣痛がない時は、深呼吸して赤ちゃんにたくさん

酸素を送ります。

赤ちゃんは狭い産道を通っている途中です。


たくさん空気を送ってあげることが非常に重要で

す。

産婦さんはただ赤ちゃんが出てくる手助けをする

のです。

赤ちゃんもがんばってくれています。やっと対面

できる我が子のために、一緒に乗り越えましょ

う。


分娩第3期(後産期)

赤ちゃんが産まれてから胎盤が出るまでの時期をいいます。

所要時間

初産婦:15〜30分

経産婦:10〜20分


産婦さんの過ごし方

胎盤が出てくる時はおなかに違和感があります

が、痛みはありません。

医師や助産師が子宮収縮具合を見るためにおなか

を抑えることがありますので、リラックスして過

ごしましょう。


産褥期(胎盤娩出後〜)

胎盤が出た後は医師や助産師によって、出血量、

子宮内部の観察、子宮収縮の状態、胎盤が完全に

出ているかどうか、産婦さんや赤ちゃんの健康状

態などのチェックがあります。

産後2時間は分娩室で横になったまま、赤ちゃんと

ご家族とゆっくり過ごします。

(かかりつけの病院で、ご家族が付き添えるかど

うか確認しましょう)

問題なく2時間経過すれば病室に戻ります。

産婦さんの健康状態によりますが、歩いて元気に

病室に帰られる方もいます。


まとめ

一般的な経膣分娩の流れについてみていきまし

た。

次に何が起こるかわからないまま過ごすのは誰だ

ってこわいものです。

出産の流れを知ることで、慌てることなく行動で

きます。

しかしお産は一人ひとり違います。

標準より遅い、早いは必ずありますので、それだ

けで不安になる必要はありません。

出産は人生の中で重大なイベントです。

赤ちゃんと対面できる瞬間をかけがえのないもの

にするために、出産の流れをシミュレーションし

て、リラックスして臨みましょう。

そして何か気になることがあればすぐに電話をし

てください。病院の人たちはみんな忙しそうだか

ら、、、など気にしないでください。

1番は赤ちゃんが無事に産まれてきてくれること。

それでは

残りの妊婦生活を楽しんで過ごしてください。

元気な赤ちゃんを産んでくださいね!




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