見出し画像

最近のエキストラ事情

最近のエキストラ事情について詳しく
教えてもらえない役者がいるので記して
おく。

昔はエキストラを登録して管轄する
エキストラ事務所が複数あった。
今では無料オーディションサイト
シネマプランナーズで時折募集を見かける。

テレビ局の製作会社はエキストラ事務所に
発注し、エキストラを募集する。

当時は一日中拘束でギャラが3.000円〜5.000円。
下手すれば無料もあったし、未払いもある。
時給にすれば200円とか300円なんだが、
当時はこれが成立していた。

理由は、
① 有名なドラマに出て勉強になる、と洗脳される。
② 有名なキャストを身近で生で見れるミーハー心。
③ バイトなど退屈な日常からの現実逃避。

があったからである。
しかしSNS、インターネットの発達で、
様々な所で問題が出てきた。

一つはエキストラ役者の「質」の問題である。
①の洗脳されている役者は芝居に関しては、
そこそこマシなのであるが、(歩くだけとか、
芝居というレベルではないが)
②、③だとそもそもドラマのシーンを成立させる気が
ないので緊張したり、スタート前に動き出したり、
想定外の事を平気で行う。
よってただでさえ、時間がないのにテイクを重ねて、
現場の雰囲気が悪くなる。

もう一つは「情報漏洩」である。
エキストラの現場の写真を撮り、平気でSNSに
UPする。Twitterが流行り出した時、このような
事が散見された。後はギャラ事情もSNSの普及に
より、搾取されているんじゃ?という認識が徐々に
広がっていった。

よって製作会社は、以下のような対策を
講じた。

それが「レギュラー役付きエキストラ」である。

①の役者に対して、エキストラ事務所ではなく、
中小の芸能事務所に対して発注を行う。

製作会社の意図としては、
1. レギュラー役付きという事で、○○ドラマに
山田花子役で出演します。と宣伝できる。
2. クレジット名に名前が載り、実績になる。
3. 一応レギュラーなので複数日撮影があり、がっつり
撮影に参加したキャストの感覚が味わえる。

と、役者にプラスのイメージを定着させる事だ。

しかし中身はさほど変わってはいない。
最近では、一言セリフくらいも追加されて
いるようだが、エキストラはエキストラ。

エキストラは製作現場では、「大道具」扱いだった。
そのような現場は今は少なくなったかもしれないが、
感覚としてエキストラに一々監督も気にかけては
いないはず。助監督からの指示ばかりの現場に
入れば分かりやすい。
そのように捉えてよいだろう。

スタートラインは人それぞれ違うし、
実情は誰も教えてはくれない。

今日も
レギュラー役付きエキストラの宣伝を
しているなあ…と眺めています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?