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商品ディスプレイの話

サラリーマンとしての過去

私は学校卒業後、何度か転職をしてきました。

学生時代は、モノづくりに携わりたいという考えで機械工学を学んできましたが、それも卒業する頃にはすっかり違うことに興味を移してしまい、エンジニアではなく営業職として社会人となりました。

新たに興味を持ったのはビジネスの世界で、いつか自分自身でも会社経営をしてみたい、その程度の考えで新卒のカードを無駄使いしました。
今となっては慎重に検討しておくべきだったと思いますが、どのルートが良かったのかという答えは今となっても特に思いつきません。
そのくらい当時の自分は仕事に対してやりたいことの方向性が定まっていませんでした。

とりあえず、独立して何かやるとしたらどんな世界でも営業や販売や人付き合いは欠かせないだろう、そんな考えて営業職を選んだのでした。

サラリーマンとして得た経験

最初の3~4年間は某大手通信企業の下請けでサービスの販売を行っていました。その当時は業界の最盛期で報酬も比較的良く、周りの人も独立志向の人が多かったように思います。
個人的な資質として積極的に他人と関わることが得意でなかったので、売り切り型サービスの販売は毎回初対面の方だったので結構辛かったです。
あえてその仕事を選んできたことで、営業トークの技術とコミュニケーションスキルは上達したのでした。

それ以降は独立する人のサポート役として起業に関わったり、ソーシャル・ビジネスに興味を持ってビジコンに参加したり、農業やマルシェをやってみたり、サスティナブルビジネスの支援スタッフとして酒造メーカーのお手伝いをしたり、再び通信企業に転職して今度は元請けとして多くの人と関わったりと、色々とやってきました。

後半部分で得た経験は、やはり営業とコミュニケーションが主体ではありましたが、途中でモノづくりの特に食に関わってくるのは、やはりそういった事に興味があったんだなと振り返ってもそう思います。

商品ディスプレイについて

ようやく本題に入りますが、過去のあらゆる経験を通じて学んだことは、人間には言葉で伝えられることには限界があるということです。

常人離れにズバ抜けたスキルを持つ例外を見てきたことはありますが、一般的にはまず興味を持ってもらうことが出来ないとそもそも話をすることができず、その先には辿り着けません。

数メートル離れていても情報が届く「視覚」に訴え、本能を刺激する「嗅覚」がとても大事だと感じています。
それに加えて、商品を選ぶ途中に余計なストレスや雑念を挟み込まないこと、これがとても重要に思います。

商品の並べ方、商品パッケージのデザイン、店頭のレイアウトなど、ストレスなく快適な買い物ができるようなディスプレイを心がけています。

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コンチェ店頭と商品取扱店の違い

コンチェに足をわざわざ運んで買い物に来てくださる方と、スーパーやお土産店で買い物にくる方には、同じパッケージデザインの商品でも圧倒的な入り口の意識の差があります。
目的があって買い物をされる方は商品の特徴やコンセプトなどの概要やイメージの情報を持っているため「興味をもつ」のステップが最初から必要ありません。

その一方で雑多の中からコンチェの商品を新しく見つけてもらうことは非常に困難です。パッケージデザインもそのように作ってありません。
商品を扱っていただいている小売店の店頭では、コンチェの商品がそこにあるのを知って買ってくださっています。
私自身はそれについて当初から認識していて、新たなお客様に商品を手にとってもらうことを半ば諦めていた感があります。

それは既に抱えている製造や制作、販売や営業の位置付けに対し、それに費やす時間とエネルギーが不足していたからです。
これまでに全くやっていなかった訳ではなく説明書きのPOPを準備して設置するくらいのことはやっていましたが、頼れる新しい仲間が増えて、ようやくその想いを形にする余裕ができました。

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コンチェのチョコレートは平袋入りで単体では自立できません。
そのため商品点数が少なくなると倒れてパッケージが見えなくなってしまったり、列が乱れて荒れてみえてしまうなどしていました。

これからはまずそれぞれの小売店で快適な買い物体験になっているかどうかという点を解決し、コンチェの世界観をパッケージを含め什器で統一していくことから始めていきます。
そのために半年かけてオリジナル規格のフック穴付き袋を制作してきました。
並行してコンチェを知っていただく努力を積み重ねていきたいと考えています。

什器のデザインについて

コストや手間とのバランスを考えて作ることは、趣味で制作するものとは考え方が異なります。

限られた予算と手間の制約があるなかで、どのようにして目的を実現するのか。
モノづくりは好きなので、こうやって形を作ることは楽しいです。
それ以上に、制約があるなかでそれぞれがバシッとハマると気持ちが良いです笑

既製品の組み合わせて低コストと均一な品質を実現し、最低限の加工で無駄なく良い塩梅で作れました。
このディスプレイを通じて一人でも多くの方にチョコレートを知っていただければ幸いに思います。

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