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「太陽がいっぱい」と「リプリー」

昨日、BSの番組表を見ていたら「アラン・ドロン、ラストメッセージ」という番組名がたまたま目にとまり、録画予約しておきました。
80歳を過ぎてなお、「魅せる」ことへのこだわりが強いドロンは、おしゃれなロングストール姿で登場。のっけから釘付けです。

「アラン・ドロン、ラストメッセージ」
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92225/2225603/index.html


私はリアルタイムでドロンの映画を観た世代ではありませんが、10代で初めて彼の作品を観たときから、アラン・ドロンは私にとって「世界でもっともエレガンスで魅惑的な男」として定着しました。

はじめて「太陽がいっぱい」を見たのは中学か高校生のときで、そのとき印象に残ったのは、アラン・ドロンが持つ完璧な美と鋭い眼光。
当時、フランス映画を観るのは映画好きとインテリの証のような風潮があって、「よく分からないんだけど…」と思いながらも、背伸びをしてフランス映画を観たものです。


「太陽がいっぱい」の正直な感想を言うと、ストーリーがよく分からなくて、気になってその後も何度か観なおしたのですが、何歳になって観ても後に残る印象は変わらないんですよね。それはあの眼差し…!

マット・デイモン主演の「リプリー」のおかげで「太陽がいっぱい」のストーリーの謎が解け、と同時に、私の中で長いこと「世界でもっともエレガンスで魅惑的な男」だったアラン・ドロンは、その地位をジュード・ロウに奪われました。

リプリーのジュード・ロウを最初に観たとき、体中の血が沸騰するんじゃないかっていうくらい興奮したのを、今でも克明におぼえています。


リプリーと太陽がいっぱいでは「イケメン」が別の役を演じている点もおもしろいですよね、しかもキャラは全く違うのに、なぜか違和感がない。そして、どっちもキャラの余韻が恐ろしく大きい。
他の共演者だけじゃなく、作品のストーリーさえどうでもいいと感じさせてしまうほど圧倒的な美貌と存在感。

最初にリプリーを観たときは、ジュード・ロウはどうしてトム役じゃないのかしら?とひどく残念でしたが、最近では、ふたつの作品を見比べるという新しい楽しみ方を発見して、ミンゲラ監督に深く感謝しています。

〈画像:© 1996-2018, Amazon.com, Inc. or its affiliates〉

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