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台湾ひとり研究室:取材メモ編「台湾、ペットIDをスタート。」

4月10日、ペットの日(4/11)にあわせる形で、台湾農業部(農産省に相当)が記者会見を行い、今後、犬と猫のID登録制を設けると同時に、専用サイトの設置を発表しました。

「飼い主専用エリアからペットの新たな時代が始まる」と謳う(公式サイトより)

2017年にペットの殺処分ゼロに踏み切った台湾では、近年も特に猫を飼う人が増加。2021年には台湾に密輸された250匹の猫が殺処分される事件が起きました。フランスでは動物の生体販売禁止になりましたが、台湾では今も販売が続けられる一方で、保護犬、保護猫の引き取り先確保、ペットの避妊・去勢手術、予防接種や健康診断など、まだまだ課題は山積みです。

これまでにもペット登録制度やマイクロチップ登録は制度としてはあるものの、登録時の書類の紛失、過去の予防接種の確認ができないなど、さまざまな課題がありました。

新たに設けられた「寵物登記管理資訊網」(拙訳:ペット情報専用ネットワーク)には、登記後、マイクロチップの管理、健康情報の集約、さらにはペットの迷子情報、保護犬猫の迎え主募集、関連データなどがまとまっていて、ペットにまつわるデータベースを一元化した形。

台湾には、民間の保護団体も多く積極的に活動しているので、どこまで網羅できているのかわかりませんし、登録がペット遺棄にどこまで有用なのか、あるいは密輸の阻止につながるのかなどはわかりません。ただ、マイナンバーの登録に課題の多かった日本とは少々違い、人のIDカードが普及し、さまざまな場面で使われている台湾で、こうした制度の運用が今後、どのように波及していくのか、注視していきたいと思います。

最近、近所をウロウロしていた茶トラはいつの間にかいなくなっていて心配。わが家にも来歴の異なる2匹がいます。今回のサムネイル写真は諸事情でショップ購入した1匹目の写真です。なお、6/30までに登録すると、抽選応募になるんだそう。うちの2匹はどちらもマイクロチップは入れましたが、登録用紙をどこへやったかな……探して確認しなくちゃ! 皆さんもお忘れなく。

以前、台湾のペット事情について取材した記事へのリンクを貼っておきます。ご参考ください。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1e98ac1c528c9d0db615055f851e47e1d1f95944

勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15