喜びエクスプロージョン

プレゼントをもらったことが嬉しすぎる。
ほんとに嬉しい!
なんだろ、なんだろ?
一刻も早く中身が見たくて見たくてたまんない!
キレイに包装紙を開けてる場合ではない!そんな心の余裕などない!
あーもうこんな包装紙なんてもん、もどかしい!
えーい邪魔だー!ビリビリバリバリ!
俺は早く中身が見たいんだー!ビリビリグシャグシャ!
わー!やっと出てきた!コレ!!!!
コレ欲しかったんだーーーーーー!
やったーーーー!ありがとう!!!!

っていうのが、プレゼントをもらった時の喜びの表現として定着したらいいのになあ。
表現というかマナーみたいなもんになればいいのになあと、誕生日なり、お土産なりで包装されたプレゼントをもらうたびに強く思う。

プレゼントをもらったはいいが、丁寧に破らないように包装紙を剥がして、きっちり畳んで、、って時間がどうもねえ。
ご本尊にたどり着くまでの時間がどうもねえ。
言っちゃえば、間が持たないのだよ、間が。

「わー、プレゼント!?俺に!?ありがとうー!えー、なんだろ?開けていい?」
「もちろん!開けて開けて!」
ってやりとりからスタートして、開封終了まで一分ほど。
しゃべることなくない?

「わー、なんだろー?」くらいしか発すべき言葉はない気がしてる。
発すべき言葉を探しあぐねて、包装紙をキレイに開けつつ中身予想をして事故が起こることも。
「え、この重さ、この大きさ、って、もしかしてアレ?Bluetoothスピーカー!?」って言ったものの、実際はそれよりも下回るものだった時の気まずさは深刻...。

しゃべることがないからと言って、じゃあその一分間で別の話題でトーク?
「わー、なんだろう...。......(ガサガサ、ピリピリ、ガサガサ)......。あ、あのさ、こないだカラオケ行った時にさー。」
なんてことはあり得ないでしょ。人として。

あげた方だって早く中身を見てほしいわけだし、
包装紙を雑に破いたからと言って「育ちが悪いなコイツ」なんて思わないし、
キレイに開けて包装紙を取っておいたところで使わないし。
そうなるともう冒頭の喜びエクスプロージョンな開封の儀が一番でしょう。

アメリカのホームドラマなんかで、子供がプレゼントをもらって包装紙をビリビリに破るシーンを見た記憶がある気がするんだが、
その光景はやっぱ良いもん。
おー、この子は喜びエクスプロージョンしてるなあ!って思うもん。
ドラマの中の大人たちも目を細めてその様子を見てるもん。

ってことは、アメリカでは喜びエクスプロージョンがマナーとして定着してるってことか?
それとも、それは子供に限ったことなのか?

アメリカのことはわかんないから置いておくとして。
日本で大人の喜びエクスプロージョンをマナー化するためには、今日から大人たちが実際の行動に移さなければならないのではないでしょうか?
そうして、30年後、今の子供たちが大人になった時に思う存分に喜びエクスプロージョンさせてやれる社会を作っていくのが今の大人たちの役目なのではないでしょうか?
その時、老人となった僕はつぶやくのです。
「ほんの30年前までは、包装紙はキレイに開けるのが礼儀だったんじゃよ...。」
「ウッソだー!おじいちゃん、そんなことあるわけないじゃん!(ビリビリグシャグシャ)わー!やった!ソニンテンドーのプレイスイッチ5だー!!ありがとーーーーー!!!」

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?