ウェブサイトを見ても士業のサービスは分からない
先日、飛行機のなかで聞いたキーエンスの営業についての田尻望氏のトーク.
キーエンスといえば圧倒的な利益率を誇ることで有名であることは知っていてもそれ以上のことはよく知りません.
1時間半のフライトで聞けた範囲なので断片的な内容ですが、耳に残ったのは、自分たちが作りたいから作った商品は何もない、ということ.
プロダクトアウトではなく、全てがマーケットインというのがキーエンスをキーエンスたらしめる所以なんだそうです.
マーケットインがどのように表れているかというと、セールストークの主語が全てクライアント.
私たちは、〇〇ができます、ではなく、クライアントの△△を解決します、というのがキーエンスのトークなのだそうです.
これを聞いて耳が痛くなりました.
というのも、自分のウェブサイトをみると典型的なプロダクトアウトだからです.
士業のウェブサイトの典型が、「わたしたちにできること」と称して、専門サービスのメニューを羅列します.
そのうえコンテンツを増やさなければならないと言われているので、専門サービスの内容をコレでもかというほど書いてページ数を増やします.
いまの自分のウェブサイトは、最近、作り直したばかりでスカスカですが、むかしは専門サービスを紹介したページを大量に作っていました.
これって完全な自己満足の世界です.
士業が書くコンテンツは、結局のところ、誰が書いても同じになります.
法律を前提とした手続きサービスだから、表現の差はあっても内容は同じ.
同じサービスなら値段がやすい方に流れるのが世の常です.
だからと言って士業のサービスが全てプロダクトアウトということではありません.
ウェブサイトはプロダクトアウト志向のコンテンツであっても士業はクライアントと対面してクライアントの問題をオートクチュール的に解決します.
キーエンスと同じマーケットインです.
ウェブサイトが普及する前は、士業は全てマーケットインであったはず.
決して、特許出願要りませんか?なんて営業はしません.
プロダクトアウト志向のウェブサイトの弊害はまだあります.
専門的なコンテンツを見る人は一体誰か?
答えは同業者です.
かくいう私も、あの手続きどうだったかなあ?と確かめたくなったときにググって、同業者がわかりやすく説明しているコンテントを参考にしています.
専門サービスをてんこ盛りにするより、その人となりがわかるコンテンツを書いた方がはるかに効果的.
SNSで士業サービスを語っている人がいないのがその証左です.
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