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#36 Good&New/最近感じるちょっといい話

 若者の人材育成についてのセミナーに参加しました。入職後まもない離職問題についての話が興味深く、離職理由の三分の一ずつが「きつい」と「ゆるい」だそうです。腫れ物に触るように新入社員と接する大手企業では、自身のキャリア形成に熱心な若い世代は「ゆるい」と感じて、早々に会社を見切って辞め、昔ながらハラスメントギリギリの環境で厳しく育てる中小零細企業では「きつい」から辞めるようです。(企業の大きさはあくまで目安です)

 若い世代の育成で思い浮かぶのがスポーツ関連の指導者で、2年前の夏の甲子園で東北勢として初めて優勝した仙台育英高校の須江さんはその中のひとりでしょう。選手としては一流ではなかったご自身の自覚から、生徒ひとりひとりと向き合い、それぞれにに合った練習指導を行って頂点を極めました。自主性を重んじ、徹底したコミュニケーションを取る姿勢は、優勝インタビューでの「全国の高校生に拍手してやってほしいと思います」に凝縮されていました。
昨年の夏の甲子園の覇者、慶應義塾高校の森林さんも記憶に新しいところです。「エンジョイ・ベースボル」を掲げ、トーナメント方式での試合が多い高校野球にあって、リーグ方式を取入れることを提唱して実践されています。トーナメントでは負けると終わりなので、勝敗に拘りすぎます。リーグ戦を取入れて、試合後に戦ったチーム同士が振返り会を持ち、お互いのプレーに関する意見を交わす中で、選手に自主性と考える力をつけようとされています。
大学生に目を移すと、駒澤大学駅伝部の大八木さんが指導法を変えたことは有名な話ですし、青山学院大学の原さんの指導法も注目を集めています。

 演出家の世界でも新たな動きがあります。演出家の世界は典型的な縦社会です。が、最近はそれでは優秀な若手が育たないとの課題意識を持った鈴木裕美さんが、「演出家のためのワークショップ」を開催されています。有名どころの俳優を揃えて、芝居を演出させる。演出ぶりについて受講者同士や俳優さんとの話し合いや私的、鈴木さんによる指導も混ざるなどのワークショップです。徹底したコミュニケーションの「場」は、演出家を目指す者にとって、時に厳しく、時に重要な気づきを与えてくれる貴重なものとなるでしょう。

 いずれもキーワードはコミュニケーションです。ジェネレーションギャップを感じる若者の育成も、話し合うことが何より大事です。
冒頭のセミナーの講師も言ってました。「月に一回2時間時間を取って話し合うより、毎日5分話をしよう」と・・・

次回は、わたしのなんちゃってパラダイム8(アラカルト編1/3)です

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