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#28 わたしのなんちゃってパラダイム3(ベーシック編3/5)

 なんちゃってパラダイム3回目は「地道さに対する想い」について2題です。

🔶成果主義と基礎研究

 最近の日本のノーベル賞受賞者が、分野を問わず口にする言葉で共感するのが「日本の基礎研究の衰退」です。成果が見えやすい(見える)ことには投資(お金)が集まるが、成果が出るかどうか分からない、期待はできてもいつ成果が出るかか明確でない事には資金や人が集まらない、それ故に優秀な人材が海外に流出して負のスパイラルが加速している。このような事象に対する危惧と杞憂です。
 もちろん成果を否定するものではありません。成果がなければ進化はありません。しかしながら、至上主義に陥ることには大きな違和感を感じます。短期間での成果の繰り返しの延長線上に未来永劫の発展はないと思います。
 コツコツと地道な努力を続けなければ解決しない課題も多くあります。むしろ人間社会、特に地域社会に目を向けると風土、意識、慣習など、明日から一気に変わることのできない課題が山積しています。技術革新や効率化、合理化で成長した企業手法がそのまま通用しないフィールドが多くあるのです。
 最近では、継続して取り組むことが大切な祭り事(行政)でさえ、4年に1度の選挙を睨んで、成果主義に陥っている感があると感じるのは私だけではないと思います。
 まちづくりは基礎研究と同じです。明日、何かが大きく変わるものではなく、今日の努力が10年先、50年先、100年先の発芽の種になると思っています。
基礎研究と成果の積み重ねの両輪が必要です。

🔶課題解決と主体形成
 最近よく耳にするワードに「社会課題や地域課題解決」があります。もちろん、私もよく口にします。しかし、社会変化のスピードは早く、課題解決の方法を見つけ実行し始めた時点で、その方法はすでに劣化を始めています。すなわち、方法論ではなく、方法を模索し続ける主体をどのように発掘、育成するかが必要となります。この主体形成をどのようにつくることができるのかがとても悩ましく、しげるんのThird Lifeのテーマでもあります。
ただ、シミンズシーズのミッションである「市民の自立と自律を支援する」
はまさにこの主体形成を促すことそのものです。「課題を人任せにするのではなく、自らが動いて解決に向き合う」そんな市民が少しでも増えるように努力したいと思っています。

次回は、しげるんThird ifeの旅7(高知編1/2)です

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