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摩耶山でテレワークを
神戸に住んでいる分かりやすい特権として「山が近い」というのがある。無数に張り巡らされた登山道や、2本のケーブルなど、市民はいつでも自然を体験出来る環境にいる。
私は一人で不動産会社を経営しているが、事務処理等で煮詰まったら、気分転換で山に登る時がある。タブレットを持って、契約書等の作成を摩耶山の山頂で行なうのである。
山に登ると言っても登りはケーブルカーとロープ―ウェイの、まやビューライン。私は年間5,000円でサポーターの正会員になっている為、事実上の乗り放題なのだ。
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18系統に乗って摩耶ケーブル下を目指す。観音寺からの急こう配を緑色の市バスが力強く登っていく。摩耶ケーブル下で降りたのは私を含め3組。後の2組は外国人だ。
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やがて時間が来てケーブルが発車する。山肌に沿ってもりもりと上がって行く様子を、一番前の席で楽しそうに動画で撮影している。ユーチューブにでも載せるのだろうか。
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途中、虹の駅でケーブルカーに乗り換える。待ち時間は10分程度。微妙な気温のこの時期、待合室にふんわりと暖房を効かせてくれているのがありがたい。
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山頂につくと実に清々しい風が吹いている。布引からの登山道を自力で登ると、いつも満身創痍で辿り着く掬星台に、全くのノーダメージで到着している、実に不思議な感覚だ。
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掬星台には山上駅併設の摩耶ビューテラス702というカフェがある。早速コーヒーを頼んで作業を開始する。WI-FIも完備されていて、実に快適な環境だ。気持ちが切り替わって、次々と文言が湧いてくる。
特約の打ち込みも終わりひと段落。2杯目のコーヒーは野外テラスで戴こう。木々がざわめく音や鳥の声が聞こえる、事務所から1時間もかからずに辿り着けるまさに楽園。
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WI-FIがあればいつでもどこでも仕事が出来る様になった現代。是非、山頂テレワークをお勧めしたい。きれいな空気と最高の景色、水筒とカップラーメンを持って行ってここで昼を済ませても良いかもしれない。
帰りは徒歩にした。新緑の登山道をひたすらに下る。途中、水の流れる音がしたら、もうすぐ終わりだ。所要時間は1時間ちょっと、誰も上がってこない登山道を黙々と歩きながら、私は水道筋の銭湯に寄る事を考えていた。
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